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Vol.10 私の苦手な言葉

「『目的のためには手段を選ばず』私の苦手な言葉です。」

これは映画「シンウルトマン」の作中で山本耕史扮する外星人「メフィラス」が放った一言です。

このように食べ物だけでなく、言葉にも人の好き嫌いがあるものです。もちろん僕にもあります。

今回は僕の「苦手な言葉」をメフィラスと同じ3つ挙げようと思います。

※毎度のことですが、これは個人の一意見です。


「みんなが見てるよ」

僕の苦手な言葉、一つ目は「みんなが見てるよ」です。電車やバスで子供がぐずって最終的にはギャンギャン泣いた時、騒いだ時によく親が放つ言葉ですね。

何が気に入らないかと言うと、「みんな見てる」という理由で説得する魂胆です。

日本には「恥の文化」というものがあります。人前で泣いたり騒いだりするのは恥ずかしいことだというのです。しかし、「赤ちゃんは泣くのが仕事」という言葉もあります。それに大抵の子供は好奇心旺盛で、周りの目なんか気にせず好き放題するのが自然です。つまり彼ら子供は恥なんか感じていないのです。「恥ずかしいことをするな」と言ったって無駄です。

この場合、恥じているのはむしろ親の方でしょう。「私たちが恥ずかしいからやめてくれ」と思っているのならとんだ押し付けです。

「そうではなく、子供に恥の自覚をつけさせるために言っているんだ」というのなら少しは理解できます。ですが「みんなが見てるから」という、まるで「みんなが自分たちのことを見てるから恥ずかしいんだ」と言わんばかりの責任転嫁を感じざるを得ない表現は気に入りません。僕のせいにしないでください。

みんなが見てるから何だと言うのでしょうか?悪いことなら悪いでハッキリと注意して然るべきでしょう。

「うちはうち、よそはよそ」

二つ目はこの言葉。これも親が子供のおねだりに対して放つ言葉として有名ですが、これも気に食わない言葉です。

理由があるなら言えばいいのです。そもそも真っ当な理由がないのか、「子供に言ってもわからない」と馬鹿にしているのかは分かりませんが、それをゴマカしてこのような捨て台詞を吐くのはどうかと思います。

そうゴマカすから子供は余計に反発するのです。僕は、親と子は対等に話しあうべきだと思っています。「親だから」「子供だから」と枠に収まって、本当の意見が言えない環境は良くないと考えます。

将来子供を持つ時が来たら、僕は上の二つを口にしないようにしたいです。

「旅の恥は掻き捨て」

今回紹介する言葉の中でも、これは強烈に苦手です。いや、嫌いです。数ある日本語の中でもコレに関してはもはや滅んで頂きたいレベルです。

「旅の恥は掻き捨て」
旅先では知っている人もいないから、どんなに恥ずかしいことをしてもその場限りのものである

コトバンク」より

という意味を持っているので、この言葉は「旅先では何をしても構わない」という一種の免罪符になっているのです。

しかし観光を学んでいるこちらからすると、何たる身勝手な言葉でしょう!僕はこの身勝手さを許容する言葉がある以上、観光のマナー違反は無くならないと思います。

もちろんそれだけで無くなるとは思いませんが、こんな享楽的な文句がまかり通る限り、マナー違反は続くでしょう。

先のコラムにも書きましたが、観光地にも住民がいます。その多くは観光産業に関わっていない人たちです。そんな彼らの生活がこの言葉で破壊されるのは許されざる話です。

観光地は見せ物ではありません。住民と観光客がその土地に敬意をもって作り上げるものだと思うのです。

「そんなマナー違反をするのは外国人だけだ」と紛糾する者もいるかもしれません。しかし日本人もマナー違反をしていますよ。平気で住宅地を撮ったり自然を傷つけたり、映え目的で入ってはいけない領域にズカズカと入ったり。あとはポイ捨て、色々やっちゃってます。

皆さんは旅先でマナー違反、住民が「嫌だな」と思うようなことをやってはいませんか?外国人云々と言う前に、まず自分の行いを振り返ってみてはどうでしょうか。

人のふり見て我がふり直せ」私の好きな言葉です。


というわけでVol.10、おしまいです。
次回のコラムも、お楽しみに!


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