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自分をペルソナにしてカスタマージャーニーを作ってみた

私の今の本業はマーケティングです。仕事ではお客様に自社サービスを使った価値提案をする様々なプロモーション施策を行っていますが、企画の際は絶対必要条件である顧客の価値をとことん意識します。

他方、このStretchMyArtでは「自分の価値」に重きを置いているのでマーケティングの話をするのは噛み合わないかな、と思っていました。

しかし今回、マーケティング手法を使って自分の価値を掘り下げ、更にその価値の実現性を高めることに応用してみたのでそのお話をします。

■カスタマージャーニーとペルソナ

 
マーケティング戦略を考える際にカスタマージャーニーが有効なツールとして登場します。

カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスを購入・利用するまでの流れのなかで、顧客がサービスに触れるタッチポイントや気持ちの変化を地図上での旅の道程のように可視化することです。

私自身、何度も試したことはありますが、想像上の人間(ペルソナ)で想像の動き(ジャーニー)を作っても机上の空論にしか思えなくて本当にうまくいくの?と思うことがあります。想像した人間が実際にいて、想定したとおりに動いてくれる可能性なんてどれだけ低いのだろうか、と考えるわけです。

そんなモヤモヤを抱えていた時に、じゃあ自分をペルソナにして自分が納得するゴールを迎えられるカスタマージャーニーを作れれば何か気づきを得たり腹落ちしたりするんじゃないだろうか、それって自分自身の深掘りじゃないかな、と思いたったところから、今回のお話に繋がりました。

■興味はあるけど手が出ない案件を題材に

さて、では何を題材にカスタマージャーニーを試してみましょうか。興味もきっかけもあるけれど趣味にするには敷居が高いもの、、、私の場合、そのうちの1つが「クラシック音楽」でした。ちょうど先日ピアニストの方にピアノリサイタルのお誘いを受けたので、今回はこれを題材にしてみようと思います。

今日(12月16日)はちょうどベートーベンの誕生日なのでベートーベンで話をすると、私の知識は中学校の音楽室にベートーベンの肖像画があって、『運命』と『第九』の曲くらいは多分わかる、というほどのお粗末ぶりです。

教養としてクラシックに馴染んでみたいし、機会があったら深く理解してみたいなと思ってはいますが、そのまま長い年月が経ってしまいました。

さて、こんな私自身をペルソナにした場合のサービスやゴールはこんなふうにしてみました。

ペルソナ = 私(今は「誘われたら行く」レベルの関心度)
サービス提供者 = ピアニスト
ジャーニーのゴール = 私が積極的にクラシックのリサイタルに行く

■事実をベースにジャーニーを作る(前半)

最初は今の事実をどんどん書き込みます。何がきっかけなのか、その時どう感じたのか、とことん素直に書き出して行きます。自分のことだからどんどん書けます。

カスタマージャーニー第1段階:まずは自分の気持ちに正直に・・・

ところがゴールに辿り着けません。当然です、事実として今はまだゴールに辿り着けていないわけなので。

では、100点にするためにはどうしたらいいでしょうか。途中途中にネガティブな感情があります。これに対する打ち手を考えていきましょう。

■理想をベースにジャーニーを作る(後半)

では、ネガティブな感情を消し込むごとく、自分の落とし込んだ事実を少しずつ底上げしていきます。

底上げの方法は、それぞれのステージで「こんなことがあったらいいな」など、あくまで自分視点のわがままで良いので期待したいことをあげていきます。

カスタマージャーニー第2段階:ここまでされたらゴールするしかない!

今回、自分をペルソナにしてとことん書いてみたら、

・自分のレベルにあった情報が適度に与えられて
・それを語り合えるコミュニティ

があればハマれるなぁ、と気づきました。対応策に書いたものも自分自身で探して見つけられるものもありますし、後は少しずつ実践していけば、今よりはクラシック音楽にとっつきやすくなるのかも、と考えています。

今回のように自分の気持ちを点数化してみるとわかりますが、いっきに100点になる施策なんてそうそうありません。でも途中のプロセスを大事にして底上げすれば確実に点数はあがりますね。

ちなみに、このように適切な情報発信などでペルソナユーザをゴールに導くことをマーケティング用語で「ナーチャリング(顧客育成)」といいます。今回の場合は自分で自分をゴールに導くので「セルフ・ナーチャリング」と言えますね。

■自分をとことん振り返ると新しい世界が広がる

今回は一例をあげましたが、実際にやってみると他にも応用が効くことが分かります。

例えば、趣味のゴルフが上達しないとか、英語力があがらないとか、以前からやってみたいと思っていたけどなかなか手を付けられていないこととか。

最初に達成したいゴールをセットし、今の自分のリアルな気持ちをとことん書き出す。そしてその間のプロセスをわがままに、何が用意されたら「さすがにここまで整えられたら絶対に達成するしかないでしょ」と自分が思えるまでアイデアを盛り込んでいく - そしてこのアイデアは自分にしか書けません。

実際にそれを実現できるサービスやきっかけがあるかどうかはわかりませんが、何が足かせになっているのかがハッキリ見えてくるのでスッキリしますよ。

これをきっかけに新年から何か新しいことを始めてみませんか?

■おまけ&スペシャルサンクス

1年ぶりのnoteでした。1年前と同じく、アドベントカレンダーがきっかけです。(これも「自発的に積極的にnoteを書き続けるにはどうしたらいいか」のカスタマージャーニーを作ればいいのかな(笑)。)

今回は、『匠塾 Advent Calendar 2021』に参加しています。匠塾は「価値からデザイン」という匠メソッドという方法論を学ぶ場であり、私も長い間お世話になっています。
匠メソッドとカスタマージャーニーの関係は佐藤さんの記事『匠Methodと3つの方法論のおいしい関係(匠塾 2017年9月開催まとめ)』が参考になります。

後、今回の題材を取り上げるきっかけを頂いたピアニストは高校時代の同期の大澤美穂さんです。シンプルで力強く、でもとても優しく奏でるピアニストです。素人の私の紹介では説得力がないので、良ければ一度彼女の演奏を聴いてみてください。

「ピアニスト大澤美穂 オフィシャルサイト」 http://miho-osawa.com/


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