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【STREAMイベントレポート!】 バリュー投資セミナー 投資家バー運営者 トレーダー上原さんによるバリュー銘柄の探し方!

いつもSTREAMをご利用いただきありがとうございます。
投資家ライフいかがお過ごしでしょうか。

今回は7月6日(火)にファンドマネージャー上原さんのご登壇いただき開催したセミナーの内容をnoteでお伝えします!

イベントに参加できなかった方はぜひチェックしてみてください!

▼ セミナー動画
https://www.youtube.com/watch?v=NYG0yEV9ljY

上原さんのプロフィール
外資系投資銀行でアナリストとして働いたのち、ファンドマネージャーとして日本株の運用に携わる。日本人にもっと株式投資を普及させたいという思いから投資家が集まるバー「STOCK PICKERS」や株の学校「バリュー株投資アカデミー」を運営。投資家のネットワーク作りや投資に関する正しい知識の発信を行っている。

▼上原さんのTwitter
https://twitter.com/uehara_sato4?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

■上原さんが実践している投資のポイント

上原さん01

1)ファンダメンタルズ分析
企業の業績や業態を見極めた上で企業の本質的価値を見極める投資手法を用いており、テクニカル指標やマクロの経済動向についてはそこまで気にしていないそうです。

2)バリュー株投資
人気銘柄、グロース銘柄に投資するのではなく割安な銘柄(低PBR,PER)に投資しているそうです。

3)長期投資
だいたい3~4年ぐらい持つイメージで、最初に投資する理由を持ちその理由が崩れたら損切りをするそうです。具体的には目標株価を適宜見直し、その目標株価が現時点の株価より低くなった時点で売るというやり方で損切りを行っているとのことでした。

この手法のメリットとしては
・長期投資のため日々の株価に一喜一憂する必要がない
・基本ほったらかしにできる(四半期に一度業績をチェックするだけ)
・個人投資家の強みである「時間」を生かした長期の取引ができる

デメリットとしては
・投資チャンスはそれほど多くないため
・企業の本質的価値を見極めるファンダメンタルズ分析が必要
・逆張り投資のため、含み損を抱えるリスクがあり忍耐力が必要

が挙げられます。

Q. バリュー株投資ではどのタイミングでエントリーするべきなのでしょうか?

A. 自分が確信を得たときにはすでに株価が上がってしまっていることが大半です。そのため市場がなにかしらの懸念を持っていて株価が割安になっているところを狙います。そんな中で投資のタイミングはリスクリワードで見ており、アップサイドのシナリオとダウンサイドのシナリオを比較したときに期待値がプラスになるような投資を行っています。

■株式投資で勝つための原理原則

・株価を決める要因

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株価が上がるためにはEPS(利益)もしくはPER(バリュエーション)のどちらかの成長が必要です。株価を上がる銘柄を探すのではなく、EPSやPERが上がる銘柄を探すようにしましょう。また、これ以外にもROEやPBR、配当利回りなどの指標もチェックしましょう。

・適切なPERの水準の決め方
PERの適切な値を判断するために、まずPERに対する考え方を改めましょう。

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PERの逆数は投資の期待収益率、すなわち「その投資でどれくらいのリターンが期待できるのか」を表します。

例えばPERが10倍の会社であれば1年間で10%の利益が期待できるため投資金額を10年間の利益で回収するイメージになります。

・日本株と米国株のPERの違いの理由は?
日本株の直近PERは14~15倍、米国株の直近 PERは16~20倍のため日本株の期待リターンは6~7%、米国株の期待リターンは5~6%と計算できます。では、期待リターンの高い日本株の方が米国株より魅力的かというとそれは違います。

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投資家はリスクの高いものに高いリターンを求めるという性質があるため、利益が安定し、成長性のある米国株は人気が集まって株価が高くなる一方、利益が安定せず、成長性が低い日本株は人気がなく株価が低くなる傾向にあり、PERが低くなっているのです。

・適正なPERの決め方とは?

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それでは、結局適正なPERはどう求めればいいのでしょう?

よく用いられる方法として過去平均のPERを使うという方法がありますが、これは企業の実力が変わっていない前提のもとでのみ有効なため、PERが下がっている理由がわからないまま過去平均と比べるのは危険です。

適正なPERを求めるためには日本市場とその企業の成長率、リスク、収益性を比較した後、日本市場の平均PER15倍とその企業の現在のPERを比較します。その際に過去平均や同業他社の平均も参考にするとなお良いです。

Q. バリュートラップに関して注意すべきことは

A. PBRが低い会社は再評価されるきっかけがないと株価は上がりません。ただ、大抵の銘柄は何かしら理由があって割安になっているため、その懸念が解消される「カタリスト」が必要です。例えばリストラや構造改革、新製品の発表など今までとは違う変化をもたらすようなアクションに注目して投資しています。また、企業の成長性に注目することも重要です。

・運用スタイルを決めよう

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投資のスタイルは図のようにたくさんありますが何でもかんでも手を出してはいけません。自身の強みを生かした投資スタイルを選び、利益の源泉がどこにあるのかということをしっかり把握しましょう。

例えばバリュー株であればPERの上昇が利益の源泉であるため、PERが上昇する要因を探すことにリソースを集中させます。一方でグロース株ではEPSの上昇が利益の源泉であるため利益が伸びる会社を見つけることに注力するべきです。
このように投資の手法によって見るべきポイントは異なってきます。

Q.自分に合った投資手法はどのように見つけるべきでしょうか?

A. 目標リターン、投資にかけられる時間によって変わります。例えばバリュー株投資は長期投資のため目標リターンは低めですが、モメンタム投資や決算プレーなどは高いリスクをとって高いリターンを狙えます。そのため目標リターンに合わせて投資手法を選択することが大切です。
また、投資にかけられる時間も投資スタイルに影響します。時間がない人であれば極端な話インデックス投資が適切ですし、モメンタム投資を行うのであればある程度の時間を投資に使う必要があります。

【株式投資で勝つための原理原則 まとめ】
株価はEPS(企業業績)×PER(投資家の期待値)で決まる!市場の平均と比べながらその銘柄が割安なのかどうかを判断しましょう!

では、実際に上原さんが行っている長期投資で買うべき銘柄の特徴とはどのようなものがあるのでしょうか。

■長期投資で買うべき銘柄

まず、基本方針として5年、10年ほったらかしても大丈夫そうな銘柄を選ぶようにします。上原さんは長い銘柄で10年、平均しても3,4年は銘柄を保有し続けるそうです。
そのような銘柄のパターンは2つあります。

パターン①:ビジネスが今後も長期的に拡大していきそうな会社

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まずは、成長しそうな銘柄を適切な価格で買う、GARP投資です。図中の赤線はとある上場会社のフリーキャッシュフロー(FCF)の推移です。FCFとはその会社がビジネスで毎年いくら稼いだのかを表す指標です。このように稼ぐ力を持っており売上、利益が安定している企業が割安になったところを狙うのがGARP投資の理想的な事例です。

FCFが安定する企業の特徴は大きな設備投資が少ないことです。資本集約型の企業だとどうしてもコストがかかるため一時的に収益が落ち込む可能性がありますが、投資が少ない会社であれば 安定した利益が見込めます。また、競合が少なく、高いシェアを持っている会社は高い価格交渉力を持つため収益性が安定しやすいです。さらに、新興国のローコスト製品と差別化した商品を売っていることや成長している市場で勝負していることも重要です。

このような企業のPERに着目し、過去レンジの中で割安になったタイミングで買うのがバリュー株投資の基本です。

パターン②:誰がどう見ても超割安な会社
いわゆるディープバリュー投資、資産バリュー株投資です。

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ディープバリュー株は時価総額が企業の保有する資産の価値に対して極端に割安になっていたり、PBRが1倍を大きく下回っていたりする銘柄のことです。このような銘柄の再評価はいつ起こるかわかりませんが、5年、10年所有していればいつかはそれが起こるのではないかと考え投資するのがディープバリュー投資です。

なお、市場全体の成長性が乏しく、利益が増加しない場合には低PBRのまま放置される銘柄もあるためパターン①と同様FCFや利益の安定性もしっかりとチェックするようにしましょう。

【長期投資で買うべき銘柄 まとめ】
フリーキャッシュフローが安定していて割安になっている企業がバリュー株投資では狙い目。ディープバリュー株では市場の動向も注視することが大切です。

ここまで上原さんに投資すべき銘柄について詳しく説明していただきましたが、実際どのようにこうした投資アイデアを見つければ良いのでしょうか。


■投資アイデアを発掘するヒント

・株式スクリーニング

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スクリーニングの条件は自分がどんな会社に投資したいのかによって変わります。例えば収益性が高いのに割安になっている銘柄を見つけたければ高ROE、低PBRでスクリーニングを行いますし、ディープバリュー株を探したければ時価総額<ネットキャッシュ、PBR<0.5倍といったような条件でスクリーニングすると良いです。

なお、ディープバリュー株をスクリーニングする際は「金融」は除いて行いましょう。金融を含めて低PBRでスクリーニングを行うと地方銀行が多くヒットしますが、地銀の市場は衰退しており、再評価されるためのカタリストが起こる可能性も低いため株価が上がる見込みは低いからです。

Q.スクリーニング後の目標株価算出はどのように行えばいいのでしょうか?

A. シンプルに「自分の業績予想×適正PER」で求めます。
業績予想は証券アナリストが出しているコンセンサス予想や四季報から取ってくることはできますが、できるだけ自分で予想をするようにしましょう。その際正確な数字を出す必要はなく、コンセンサスに対してどれくらい上振れるか(下振れるか)を大まかに予想できれば十分です。

バリュエーション(PER)に関しては3~4年後の株価予想であれば過去PERレンジの平均、10年後くらいの株価予想であれば市場平均PERを使います。

この作業を四半期、半年、あるいは一年といったスパンで定期的に行っています。

・身の回りの変化
実際にサービスを使っているユーザーの方が機関投資家よりも市場の変化を察知しやすいため自分がよく行くお店や自分が働いている業界で起きている変化に敏感になると、これから盛り上がる銘柄を市場よりも一足先に見つけられるかもしれません。

・適時開示や会社説明会から情報を集める
若干難易度は高いですが、企業の適時開示から情報を集めることもできます。適時開示には企業の重要なリリースがまとまっているため有用な情報源になり得ます。

また、最近は決算説明会を動画で公開している企業が閲覧できます。市場の変化を一番に感じ取るのは会社の中の人なので事業部の肌感覚の意見というのはとても参考になります。


【投資アイデアを発掘するヒント まとめ】
目標株価は「自分の業績予想×適正PER」で求めましょう。適時開示や決算説明会、日々の生活の中で市場の変化を察知し投資のチャンスを見つけてみましょう。

セミナーまとめ

いかがだったでしょうか?適切なPERの決め方や、バリュー株投資で買うべき銘柄の特徴など学びがたくさんあったことと思います。皆さんもぜひ自分に合った投資手法を見つけて投資ライフを楽しんでください。

▼ セミナー動画
https://www.youtube.com/watch?v=NYG0yEV9ljY

商号等:株式会社スマートプラス
金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第3031号
加入協会:日本証券業協会・一般社団法人日本投資顧問業協会

<重要事項>
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