見出し画像

5月に観た映画:『鬼平犯科帳 血闘』『猿の惑星/キングダム』『おいしい給食 Road to イカメシ』『帰ってきた あぶない刑事』。

2024年5月、映画館で観た作品の振り返りです。

鬼平犯科帳 血闘@109シネマズ木場

109シネマズ木場 シアター8

時代劇は普段観ないので、序盤は戸惑った:★★★☆☆
観客に真剣に向き合った映画:★★★★★

主演の松本幸四郎が市川染五郎時代に出演していた劇団☆新感線の舞台3作品は大好きです。普段、時代劇は全く観ないので、観るかどうか迷っていた作品ですが、時間ができた金曜日の夜に何となく足が向き、木場にて鑑賞しました。

最初は展開の遅さと避けようのない不条理さに戸惑いました。また、「今の時代にこの描写まで見せるのか」というシーンもあり、中盤で退出するかどうか迷ったのも事実です。

それでも、間もなくこの映画の呼吸に慣れていくと、どんどん俳優の演技に引き込まれます。中村ゆり・松本穂香は元々好きな俳優さんですが、どの俳優さんも本当に誠実に演じられていて、「久々に真っ向勝負の映画を観た」心持ちです。

もちろん、松本幸四郎演じる長谷川平蔵が圧倒的に格好良く、色気があります。

また、御用改めのシーンは、最初こそ「映画にしては暗すぎるかも」と思ったものの、月夜の美しさを魅せる演出で、無駄な暖色を排除した心地よい色味と明るさでした。

エンドロール後は「時代劇を全く観てこなかったのは、単なる食わず嫌いだったかも」と思い直した日でした。


猿の惑星/キングダム@109シネマズ木場

109シネマズ木場 シアター2


ストーリーの新しさよりは、ドラマで魅せる:★★★★☆
映画館&IMAXで見るべき映画:★★★★★

第1作目は1968年公開、その衝撃の結末は映画に詳しくない人でも知っている名作中の名作。そのシリーズの完全新作です。グランドシネマサンシャイン池袋の大画面で観たいと思っていましたが、スケジュールが合わず、木場のIMAXシアターで鑑賞しました。

今から300年後の世界、猿たちは絶対的支配を目論み、巨大な帝国<キングダム>を築こうとしていた。一方、人類は退化し、まるで野生動物のような存在となっていた。

そんな世界で生きる若き猿ノアは、ある人間の女性と出会う。 彼女は人間の中で“誰よりも賢い”とされ、猿たちから狙われていた。 猿と人間の共存は不可能なのか。はたして、この世界で生き残るのは―。

完全新作として描かれる新たな“猿の惑星”。 ノアが出会った人間の女性に隠された秘密とは何なのか。 進化は本当に“彼ら”を選んだのか。この惑星に隠された驚くべき真実とは―!

公式サイトより

猿のノアが出会う人間の女性が「ノヴァ」と名付けられたり、第1作目で重要なアイテムだった人形が出てきたりと、シリーズを追いかけてきた観客にも配慮しつつ、シリーズを全く観たことのない人でも楽しめるつくりになっていました。

完全新作ではあるものの、ストーリーの新しさよりは、重厚なドラマを丁寧に表現しようとしたのかなという印象を受けました。また、エイプスの動きや表情が本当にリアルで、そのような生き物が本当に存在するかのようです。2時間25分の大作でしたが、全く時間を感じずに入り込んでしまいました。

このような作品は、映画館の大画面で観てこそ何倍も楽しめるので、公開中にうまく時間を作れてよかったです。続編がありそうなので、映画を観る体力があるうちに公開して欲しいです。

おいしい給食 Road to イカメシ@丸の内TOEI

丸の内TOEI スクリーン2

「ホワイトマン」は、君なのか:★★★★★
イカメシを無性に食べたくなる:★★★★★

ただただ学校給食をおいしく食べるドラマシリーズで、映画作品としては第3作目です。仕事がひと段落した金曜日の夜、丸の内TOEIで鑑賞しました。

自分が給食を食べていた時代よりも前の時代設定なので「メニューは何となく違うな」と思うのですが、それでも「なぜか懐かしい」気持ちになります。

自分自身は学校給食に特別な思い入れがあるタイプではないのですが、小学校6年間はずっと食していたものなので、感慨深いです。「牛乳をどうしても飲めなかったクラスの子がいたよな」とか、「ソフト麺、結構好きだったな」とか、給食のいろいろな思い出が浮かびます。

大画面の映画館で見るべき映画か?と問われると悩ましいのですが、映画館は同じものを好きな人同士で楽しむような、"寄席" のような空間でもあると思うので、その意味では映画館で観るのは非常に楽しいと思います。

なお、「ホワイトマン」という劇中劇があるのですが、シリーズを最初から観ているファンにとっては、とても大事な仕掛けがありました。

帰りにイカメシを買って帰りたくなる、そんな映画です。


帰ってきた あぶない刑事デカ@109シネマズ木場

109シネマズ木場 シアター1

ふたりとも、かっこよすぎるでしょ:★★★★☆
変わらないということは、常に変わり続けているということ:★★★★★

当初は観る気はなかった映画でしたが、メディアで連日続く映画宣伝の中で、何となく観る気持ちになりました。

『あぶない刑事デカ』シリーズは、自分が小学生の頃から観ていたシリーズです。コアなファンではありませんが、配信サイトで過去作品の冒頭シーンを一瞬観るだけで、突然「ぶわっ」と何かが溢れ出てくる、それは、アドレナリンなのか、単なる懐かしさなのか。わからないけれど、続きを観ることは止められません。

現在のようにコンプライアンスが厳しくなる時代以前から、「この作品シリーズは完全にファンタジーだよね」と皆に理解されていた作品だとは思うのですが、時代に合わせ、いつの間にか喫煙シーンがなくなっていたりします。

同じ作品シリーズを、長期間にわたって同じように受け入れられるには、常に変わり続けなくてはいけないのだろうと思います。

また、時代が移ろいゆく中で、ファンが求める "お約束" をちゃんと映画の中で表現するのは、観客が思う以上に難しいことだと思います。それでも、そのお約束を丁寧に追ってくださるのは、本当に嬉しいです。

        🎬🎬🎬

来月も、楽しい映画時間を。