【過去文章転載】夏はまだこれからだし

はてなブログ転載。2016/8/1


ジャニーズジュニアたちの夏を初めて見た。

ジュニアといえども、それはそれはクオリティの高いステージで、ふと「こんなにできるのにこの子たちはまだデビューしてないんだろう」一瞬考え込んでしまった。そんなこと思わなければよかったのに「このステージに来年も変わらずに立ってるって保証があるメンバーはひとりもいないんだ」と考えてしまった。ステージの上にはファンカッションを披露する神宮寺勇太くんがいて、去年の夏は同じようにそこに立っていたはずの男の子のことを思い出した。

ジャニーズに限った話ではなくて、女の子のアイドルでも同じようなことを思う瞬間がたくさんある。つい先日、またひとりわたしの好きだった子がハロプロ研修生を辞めた。長年ずっと下積みとしてレッスンを頑張ってきてようやくデビューを掴んだ女の子たちもいる。
同じ時間だけ頑張ってきたはずなのに選ばれないこともある。後輩が突然先輩になってしまうことだってある。誰が読んでいてくれるかもわからないブログ。何に繋がるのかわからないレッスン。決められない進路。人前に出る機会すらない日々。
いろんなことにジリジリとひりついた想いを抱えながら彼らは、彼女たちは芸の世界に生きている。

こちら側はあくまでアイドルを楽しむ側であって、いろんな人がいろんなスタンスでアイドルというものを見ている。自分がつまらないと思えば次の現場を探せばいい。惰性で楽しくないものにお金を払う必要はない。
芸能はエンターテインメントでありビジネス。選ばれるのも成功するのもほんのわずか一握りの人たちの世界。頑張ったら頑張っただけ報われる世界ではきっとないはず。

でもそれでも、わたしはアイドルを消耗品とはけして思いたくないし自分の好きな子には全員幸せになってほしい。応援してるアイドルにはいつだって真摯に向き合いたい。
アイドルは人間であり、わたしたちと同じようにその人の人生を生きている。他人の人生は消耗すべきものではないし、真剣な人には真剣に向き合いたい。

世間は夏休みだ。どれだけの子たちがこの夏休みを返上してレッスンやステージに身を捧げているんだろう。そんなことを考えたらまた少し胸がきゅっと締め付けられるような思いがした。

いろいろな想いがひしめく、日差しがジリジリと肌を焼いてゆく夏の六本木の空気をわたしはいたく気に入ってしまった。

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