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少年忍者「シャッターチャンス」所感

今年の1月にシャッターチャンスが少クラ初披露されたときに書いて寝かせっぱなしになってたやつ。今月またシャッターチャンスやってくれたのであげようかなと・・・やっぱりもう1回見ても怖かった。


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えっ、怖い。

わたしがNHKホールで少年忍者のシャッターチャンスを見終わったときの率直な感想はこれだった。

あのとき「怖い」と思ったはずだったのに、実際にその映像が放送されたらその怖さが薄れていたように見えて、「あれ、わたしが感じた怖さって勘違いだったのかな?」と思ったんだけど・・・

後日更新されたおりやまのブログ。あれを読む限りその怖さはあながち間違いではなかったのかもしれない。

シャッターチャンスは檜山くんをセンターポジションに据えた曲だった。声出しはできないものの、その衝撃に会場も心なしか沸き立っていたような空気を感じた。
まずイントロの時点で檜山くん以外が全員床に寝転がっている。スタンバイのときに20人がおもむろに床に寝っ転がるもんだから、その時点で結構ぎょっとした。曲中は基本的に可愛らしいキャッチーな振り付けで、おりやまも語っているように「おもちゃの世界がベース」まさにそんな世界観だった。2人1組になって小人を表現しているかのような部分があるんだけど、そのさまがなかなかシュールというか、異物感というか、そういうところは不思議の国のアリスっぽさもあった。あるいはおもちゃの兵隊か。


問題はラストシーンである。

それまで楽しそうに踊っていた少年たちが、シャッター音とともにばたり、と倒れて動かなくなる。センター檜山くん以外の20人が一斉に。

えっ、怖い。
ふと反射的にわたしが思ったことは「みんな死んじゃったの?」だった。アイドルのパフォーマンスを見てなんてことを思うんだ。自分でもそう思う。ただ、そういう表現に見えてもおかしくない倒れかただったのだ。映像で見るとこの部分の衝撃が薄れていて、あれ?と思った。もっと倒れる様子を引きで捕えていれば同じ感じ方だったのか、はたまた生で見たからこその衝撃だったのかはよくわからない。「ひとり残してみんな死んじゃった」と反射的にはそう思ったけど、はたまたその逆なのか、それともそんな物騒なものではなくただの夢の世界を表現しただけなのかはわからない。でも、おりやま本人が「ホラーに近い狂気じみた」とか「これ以上は言っちゃダメ」とか、そういう風に述べているのでやはりそういう表現だったのではないかと思った。


とんでもないものを創る人だ、本当に。


わたしが思う檜山くんは、凛としていてクールな雰囲気のルックスなのに意外と豪快だったり、ちょっぴり天然っぽいところもあったり、そして何よりも仲間思いで優しい。でも、仲間思いなぶん意外と自分の感情については鈍感だったりするのかな?と感じることもある。その「自分で自分のことをよくわかっていない」のがミステリアスな部分に通ずるのかな、と思うんだけど・・・・そういういろんな面がある彼のことをセンターにして、この可愛らしいファンタジーな世界と狂気じみたラストを同居させるセンス。唯一無二だと思う。あのラストがあるからこそ、他の可愛さや儚さやきらめき、そういう部分がより光る。


もともと他の織山尚大振付の曲についても、きらきらとした少年の輝きを閉じ込めたような、一歩間違えると刹那的になってしまいそうなものなのに、それが湿っぽいものにならず成立していることの奇跡を感じることが多々ある。それはちょっとまた別の話なので、またの機会に。

19歳でこの感性を持ってるのすごいなと思うし、19歳だからこそ表現できることなのだろうなとも思う。精神も身体も削りすぎだよ、、、、、と心配になることもあるけれど、いまのこの熱意と情熱と根性に「無理をしないで」と思うことすら野暮で酷なことなのかもしれない。

21人ひとりひとりに人生があるということ。それが伝わってくるかのような振り付けをつくるところがとても好きだし、それはきっと20人のことを愛していないととてもとてもできないことだと思う。

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