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【本の紹介】「日本1852」 ペリーが来る前から日本はめっちゃ見られていた

ペリーが黒船に乗って浦賀にやって来て、鎖国中だった日本はその巨大な艦隊を見て国中が恐怖に慄き大騒ぎになった、というのは皆さんもご存知の通り。その1年前に出された本がこれです。

われわれめっちゃ見られてます。観察されてます。分析されてます。

アメリカが日本に開国を迫るらしいという情報はヨーロッパにも伝わっていて、欧米諸国では日本開国ムードになっていたそうです。そこでイギリス人である著者が「よっしゃ、いっちょ調べてやるか」ということでこの本が書かれたということだそうです。

著者は日本には来たことがありません。日本に行ったことがある、または住んだことがある欧米人の記録を集めて編纂しているのですが、まあよくここまで調べたものです。誤解があるところもあるのですが、全体的には正確で今のわれわれが読んでも勉強になります。本の中にはマルコポーロによる記録とか、フランシスコ・ザビエルのことも出て来ますが、彼らがいかに日本に興味を持って詳細な情報を本国へ送り、また持ち帰っていたかがうかがえます。日本人のルーツがモンゴル系だということまで指摘しています。遺伝子解析技術も無いのに、なぜ知ってる?驚きの連続です。

1852年当時の目線で書かれているので、読んでいると自分もその時代に外から日本を見ているような感覚になり、日本がいかに素晴らしく魅力的な国であるかが外国人の目線で確認できます。日本人は礼儀正しく誠実で、しかし戦いにおいては命を惜しまない勇敢さを見せること、でも敵にも情けをかける独特の道徳観があり、他のアジアの国とは全く違うこと。そしてちょっと性に関してはゆるいこと。そういったことを第三者的視点で確認できるのです。

江戸時代の日本人は「起業家精神にあふれた民族」だということも書かれています。私たちは本来そういう気質だったのです。そう思うと、いまは経済が停滞していますが、がんばればまだまだ活気のある国に出来るんじゃないかと希望が持てます。

ちょっとしたタイムスリップ感覚をぜひお試しください。


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