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レアルはカゼミロを手放してはいけない

マンチェスターユナイテッドがカゼミロの獲得を狙っているという報道が出ました。
今回はこれについて書いていきます。

ユナイテッド視点

まず、ユナイテッドの視点から見ていきます。
第1に単純な戦力強化になります。昨季とは違い今季は4-3-3がベースになりそうですが、1戦級のアンカーはユナイテッドにはいません。
そのため、ワールドクラスのアンカーであるカゼミロを補強するのは理に適っています。
懸念点は、カゼミロの能力とユナイテッドのアンカーに求められている能力の乖離です。
カゼミロはみなさんご存知の通りボール奪取能力に定評がある選手で、中盤のフィルターとしては世界でも5本の指に入る選手でしょう。
ただ、弱点もあります。それは、プレス耐性の低さとゲームを作る能力が高くはないところです。
レアルではその弱点をモドリッチとクロースで補っています。
詳しく説明すると、レアルはビルドアップの時、モドリッチかクロース、または、その両方が降りてくることによってボールを引き出します。
その間にカゼミロは2人が降りてくるのと逆の矢印で高い位置を取ります。
そして、ボールを受けた2人に相手が食い付いた時に、カゼミロはボールのレシーバーとして、ボールを受けます。
そうして、レアルは前線までボールを届けています。
このように、カゼミロの得意では無い部分を長所としているモドリッチとクロースに務めさせることにより、カゼミロの弱点を隠しつつ攻撃を組み立てています。
対してユナイテッドでは、開幕戦のアンカーをエリクセンが務めたことからもわかるように、アンカーにビルドアップを司る能力を求めています。
もし、ユナイテッドがレアルのようにカゼミロを活かす方法を考えているなら話は別ですが、そうでないなら、カゼミロの弱点が露呈してしまう可能性があります。
ただ、その部分を差し引いてもユナイテッド視点で見たら良い移籍にはなるでしょう。

レアル視点

絶対に放出しては駄目です。もうマケレレの悲劇を繰り返してはいけません。
カゼミロはレアルの心臓ともいえる選手です。
先程ユナイテッド視点の方でカゼミロの弱点について書きましたが、その弱点をカバーしているモドリッチとクロースにも弱点があります。
それは、相手からボールを奪い切る力です。
モドリッチとクロースは、高い技術を持つもののフィジカル的には強くなく、対人でボールを奪う能力でいえば良く見積もっても平均くらいが妥当なところでしょう。
そして、2人の弱点を補い、レアルの守備を支えているのが、カゼミロなのです。
だから、絶対放出してはいけません。
中にはチュアメニやアラバを使えば良いという人もいるかもしれません。
しかし、チュアメニはまだ若く、カゼミロの代わりを務めるのはまだ早いです。
アラバはカゼミロの代わりを務めることはできますが、その場合アラバの代わりにセンターバックを務める選手がいません。
リュディガーは良い選手ではありますが、アラバの代わりを務めるには不相応です。
このように、チームにとってすごく大事な選手であり、替えが効かない存在なのです。
そのため、もしカゼミロ放出が起きれば、今季のレアルの成績は悪いものになるでしょう。
私個人としては、モドリッチ、クロース、カゼミロという、美しく補完の取れた3センターをこれからも見続けたいので、起きないことを祈るばかりです。

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