OwnHammer新キャビネットIR "412 RECT Essentials" レビュー!
音の良いギターキャビネットIRファイル販売の老舗OwnHammerから2022年の新作「412 RECT Essentials」が発表されました!あまり新しいものを頻繁に出さないOwnHammerですが、前作の(r)Evolutionシリーズから2年ぶりです!早速購入してレビューしました!
412 RECT Essentials概要
このキャビネットIRはMESA/Boogie の Rectifier 4X12 Standard Oversized CabinetとCelestion Vintage30 スピーカーの組み合わせです。メタルギターにおいては最も典型的なキャビネットとスピーカーの組み合わせですね。
Ownhammerの解説によると「適切なマイキングとミックスによりタイトだが十分な低域、前に出たミッド、スムーズな高域密度の濃いモダンなミックスのなかで映える。今回のファイルセットは過剰な低域と耳障りな高域がなく、非常に汎用性が高い」との事です。
412 RECT EssentialsとHeavy HItters Vol1との比較動画
OwnHammerのキャビネットIRのラインナップで非常にお得な「Heavy Hitters Vol.1」という4種類のキャビネットのIRファイルセットがあります。この中にもMESA 412 OS + V30のIRがあります。なかなか使いやすく音も良いのですが、今回の「Essentials」でどのように進化したのか?比較動画を作成してみました!
比較動画の概要
OwnHammerのキャビネットIRファイルは大別すると「マイク単体」と「OwnHammerの独自ミックス」の2種類があるのですが、独自ミックスがHeavy Hittersの頃とだいぶ様変わりしていたので、今回の動画ではわかりやすく「マイク単体」比較にしました。マイクは個人的によくキャビネットシミュレータやIRで使う「SM57」「R121」「MD421」「C414」の4種類を選びました。
動画の最後はEssentialsのSM57のIRを使用してフルミックスの中での音のデモです。
412RECT EssentialsとHeavy Hitters比較感想
SHURE SM57のIR
Heavy Hittersでは単体マイクのIRファイルが11種類ありましたが、Esentials の単体マイクのIRファイルは一つしかありません。が、EssentialsのSM57かなり使いやすいです。Heavy Hittersに比べてミッドが分厚く、高域が非常に滑らかです。しかし音がこもらない絶妙な感じがあります。
Heavy Hitters はEssentialsに比べると基本的にどれもドンシャリなサウンドで攻撃的です。
Royer R121のIR
R121はSM57と並んで低音担当のマイクとして現代の定番になっているようですが、これはEssentialsかなり良いです。ファットな低音ですが低域〜高域までバランスよくこれも単体で全然使えますね。Heavy HIttersはかなり低音が多くちょっと単体では使いにくい印象があります。高音部分をSM57のIRと組み合わせて使ってちょうどいい感じがします。
Sennheiser MD421のIR
これはEssentialsは高域に強めのピークが結構出る感じですね。使うアンプや音色を選ぶかなという感じがしました。MD421に関してはHeavy Hittersが周波数帯域の音のバランスが良くしっかり高音の抜けとアグレッシブさもあり良い印象です。
AKG C414のIR
これまたEssentials良いです。バランスがよくSM57的なアグレッシブさを持ちながら中低域の厚みが増したような音です。これも単体使用でいけますね。Heavy HIttersは割とR121と似た印象で、他のマイクのIRと組み合わせて使う感じが良さそうです。単体だと少し高音が足りないかなという感じがします。
全体的な感想
最初に結論を書きますと、「DTM、音楽制作目的で使うのであれば相当良い」です。下記に良いところと懸念点まとめました。
良いところ
全てのIRファイルの完成度が高く単体でも全然使える
Heavy Hittersよりも解像度が高い印象で、且つ分厚いサウンド
低域から高域まで音の出方のバランスが自然
悪い?懸念点
”アンプ生感”が少ない
ポストEQ処理が必要
アグレッシブさではHeavy Hittersに軍配
EssentialsはHeavy Hittersの進化版ではない
Essentialsとにかく音は良いです。が、Heavy Hittersとは別物と捉えた方が良いと思います。DTMの録音で使用するのであれば間違いないクオリティです!
ただ誰しも絶賛できるかというと、そうではないと思います。というのも個人的には「ポストEQ処理は必要」と感じたからです。Essentials のIRとギターアンプシミュレータ本体の「Bass/Mid/Treble」だけでは音を作りきれない印象でした。
懸念点としてあげた点は上記の「ポストEQ必要」に関連していまして、DTMではなくハードのキャビネットシミュペダルのIRローダーで読み込み、ライブなどで使う場合です。やはりアグレッシブなHeavy Hittersに比べ高域が足りないとか、ピーキーなアンプセッティングにしないといけないとようなシーンが出てきそうな気がします。
412 RECT Essentialsまとめ
DTM使用前提ならかなりおすすめ
ナチュラルな音
ハードのキャビネットシミュレータで使うならHeavy HIttersの方がアグレッシブ
懸念点一応ありますがOwnHammerが満を持して出してきた感のあるEssentials、相当なハイクオリティです。ぜひシリーズ化して他のキャビネットも出して欲しいです!OrangeのキャビネットやCreamバックのスピーカーのIR希望です!
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