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Peavey 5150 (6505)アンプシミュレータプラグイン比較レビュー

メタル/ロック系歪みで定番のPeavey 5150(peavey6505)のアンプシミュレーターは今やもうかなりの数が各社からリリースされていると思います。今回は単体プラグインとしてリリースされている5150アンプシミュレーターを比較しました。

比較デモ動画

比較音源動画を作成しました!

前半はハードロックなリフとギターソロで、後半はヘビーなモダンメタルの音源となっています。
今回アンプシミュレータープラグインはアンプ部分のみを使用してキャビネットIRは共通、モダンメタルのパートではアンプ前段のオーバードライブも同じものを使用して純粋にアンプ部分だけの比較となっております。

使用キャビネットIR
・Ownhammer / Heavy HItters vol.1 - 412 MAR EDVH (クラシックロックRhythm, Lead)
・Ownhammer / 412 RECT Essentials (モダンメタルトーン)
・Yorkaudio / YORK 212 M65 Cream(クリーントーン)

各プラグインの音と操作感の比較レビュー

KUASSA AMPLIFIKATION VVV

KUASSA AMPLIFIKATION VVV

概要とコントロール部
KUASSAからリリースされている「VVV」はTypeA~TypeCまで3種類の5150系アンプがあります(A=Peavey5150、B=Marshall1959のブラウンサウンド、C=EVH5150)。そしてそれぞれにクリーン/クランチ/リード3chの合計9種類のアンプパッケージになっています。今回はPeavey5150のシミュレートであるType Aをデモで使用しました。

コントロールはEVH5150ベースになっています。「BIAS」のコントロールで歪みと音量がまして、あげると高域が強くなります。EQの効きかたはイメージしやすい感じです。

音の印象
音は割と高域が丸くミドルが特徴的な印象です。低音はそこまで出ない感じですね。あまりPeavey5150っぽくないような気がします。メタルよりも中域の響きを重視するようなロックにむしろ合いそうな音ですね。
前段にオーバードライブを置いたモダンメタル的な使い方をしてもどこかオールドテイストな音の印象です。
逆にクリーンはむしろメタルアンプらしい厚みの感じられる高域の響きがありますね。クリーンでのリードプレイにも合いそうです。

補足
VVVはやはりTYPE CのEVH5150シミュレートのサウンドが一番音がいいと感じました。そこがベースになっていて他のTypeがある感じです。TYPE Aはややマイルド目な5150という印象でした。使う曲による使い分けもでき、プラグインとしては守備範囲も広くかなり優秀な印象です。

KAZROG AmpCraft-1992

KAZROG-AMPCRAFT-1992

概要とコントロール
KAZROGからリリースされているその名の通り最初のバージョンのPeavey5150アンプシミュレータです。チャンネル構成やコントロールも実機そのものです。プリエフェクトとCABSではIRファイルがかなりの数用意されています。

音の印象
音はかなり荒々しい歪みが特徴的です。特に低音弦のリフやコードは結構ブーミーな音です。反面リードプレイやクリーンは高音のウォームな音がとても心地よいです。
オーバードライブを前段に入れても中高域のつぶれ感が強いです。
またEQの効きかたがかなり独特で、「HIGH」を6以上にすると途端に高音のキャラクターが変化したり「MID」ゼロで相当なドンシャリに変化します。なかなか音作りが難しい印象がありました。

ただ、AMPSCRAFT1992はデフォルトのキャビネットIRと組み合わせて使うと印象がかなり違い、歪みのつぶれ感やブーミーな感じもあまりなくイメージする5150のサウンドにかなり近い感じでした。今回のIRとの組み合わせがあまりよくなかったかもしれないですね。

STLTONES TONALITY ANDY JAMES

TONALITY ANDY JAMES AMP2

概要とコントロール
STLTONESからリリースされているANDY JAMESシグネイチャープラグインです。このプラグインの中のAMP2がPeavey6505のシミュレートとなっています。「FOCUS」という中高域のキャラクターを変化させられるコントロールやパワーチューブの選択もあり、少し変わったテイストの5150アンプにもできます。

音の印象
高音の伸びとシャーシャーした音がかなりPEAVEYっぽい印象です。基本的にややドンシャリでモダンな音の印象です。低域はそんなに低い周波数まで伸びてはいなですが、録音用途として整えられた感じで使いやすいと思います。多少圧縮されたような感じはしますね。
前段にオーバードライブを入れると少し低域の薄さが目立つかもしれません。LOWとRESONANCEがある一定以上あげてもあまり増えないです。

補足
TONALITY ANDY JAMESはリズムギターならAMP1のEVH5150の方が良い感じでした。また、クリーンはVOX AC30と珍しい組み合わせのプラグインで、総合力としてはかなり良いと思います。今回の6505シミュレートはリードサウンドが向いている印象でした。

NEMBRINI AUDIO 8180

NEMBRINI AUDIO 8180

概要とコントロール
こちらもKAZROGと同様チャンネルとコントロールは実機そのものです。プリエフェクトペダルはありませんが、ゲートやプリ EQ、ポストにはキャビネットSimとIRローダーがあります。

音の印象
かなり中低音が多いです。しかし音のテイストは今回比較した中では最もイメージするPEAVEY5150に近かった気がします。少しざらつきながらも突き抜ける高音域と重心の低い低音がかなりいいです! 相当LOWとRESONANCEは落とす必要がありましたが、それでもしっかり音が作れます。リズムもリードも優秀で、前段にオーバードライブを入れれば完全にモダンメタルサウンドです。
クリーンチャンネルはすぐ歪んでしまうのですが、そこも実機っぽいですね。

補足
プリ/ポストのエフェクトがないのでプラグイン全体的な機能としてはちょっと少ないかなという印象ですが、音質は相当いいですね。低音めっちゃ多かったのですが組み合わせるキャビネットシミュレータ、IRによると思います。デフォルトのキャビSIMではシェフィールドのスピーカーが選択できるところもポイント高いです。

Neural DSP Archetype: Nolly

Neural DSP Archetype: Nolly

概要とコントロール
元ペリフェリーのAdam Nolly Getgoodシグネイチャープラグインです。見た目やホームページの写真などから多分Peavey5150シミュレートだと思います。が、Nolly自身がかなり改造したアンプのシミュレータのようで、そもそもオリジナルとは違う音が出ているんだろうと思います。
各コントロールの名前は違いますが、構成はPeavey5150と同じですね。

音の印象
このプラグインも結構低音が多めですが、歪みの質感と深い低域の厚みが素晴らしいですね。何に使っても良い音がします。Peavey5150っぽいですが全体的によりマッシブな気がします。
EQはそこまで強烈には効きませんが、ベースの音が良いので扱いやすさのバランスがしっかり取れている印象です。
ただちょっと高域に共振のピークが出やすい感じはあります。ので組み合わせるキャビネットIRやミックス段階でのEQはうまくその辺り抑え込む必要があります。

補足
Archetype: Nollyプラグイン自体は今やあまり語る必要もないレベルで高評価ですね。Neural DSPの中で最も汎用的に使えるプラグインの一つだと思います。ただちょっとCPU負荷が多いんですよね。今後バージョンアップされると良いですけども。

まとめ

今回5種類のPeavey5150アンプシミュレータを比較してみました。思いの外アンプ部分のみでも音の違いがかなりありますね。曲のタイプで使い分けもありな感じがします。
皆様のプラグイン選びの参考になればと思います!

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