『ストレンジ・フィクションズ vol.3:ゲーム小説特集』のおしらせ

追記:販売ページできました

約一年八ヶ月ぶりとなる文芸同人誌『ストレンジ・フィクションズ』。
最新号は「ゲーム小説」をテーマにお届けします。
メンバーたちがゲームにまつわる物語を執筆したようですが、はてさて……。
ゲストインタビューには小説家の『電遊奇譚』などで知られる藤田祥平先生をお招きし、先生の個人的な読書歴とゲームと小説・物語の関係について語っていただきました。
表紙イラストはふみこ(@rubra_plumeria)さまです

(イラスト/ふみこ、表紙デザイン/ななめの)

発売予定:2022年6月中
販売プラットフォーム:booth
価格:未定
形態:紙(通販)*電子版については未定です。紙版が売り切れ次第検討。

以下コンテンツ紹介。

《小説》(と各執筆者によるあらすじ)

茎ひとみ「ワイヤレスコントローラー」
「烏賊の動画というのを知りませんか」昔にやっていたゲームの仲間が自殺配信をした。その時の映像が呪いの動画として噂になっているということだ。しかし、彼女が死んでいることが私には信じられなかった。私は彼女の記憶をたどり、感覚を共有する。たしかな手ごたえを持っていたはずの現実が、ふとあやうくなる瞬間を描き出すバッド・テイスト・ストーリー。

紙月真魚「タップ・トランスファーズ」
ここにひとつのピンボール・マシンがある。
『L.A.コンフィデンシャル』、一九九九年/ウイリアムス社製。ピンボール流行の末期にひっそりと咲いては散った時代の徒花。盤上にとりたてて目新しいギミックがあるわけではないが、それまでに業界内で培われてきた様々の装置が過不足なく配置され、手堅くまとまった佳作機のひとつ。看板がわりのビジュアル・パネルに大きく描かれたキム・ベイシンガーの肖像が妖しくも美しい。
そんなレトロな機体がどうして心斎橋のショッピングモール三階のゲームセンター〈スピンラッド〉に設置されているかといえば、店主が好事家であるからというほかにない。彼の奇特さはこの一台にとどまらず、数十台の新旧さまざまのマシンと、毎週末のささやかなピンボール大会という形で発露している。
さて、そんな大会のある日、マシンの前にひとりの女が立つ。彼女のそばにはもうひとりの女。
ひとりはふたりの未来をなぜかハイエスト・スコア──最高得点の奪取に賭けている。
ひとりはもうひとりの奇妙な賭けを理解できないままに、立会人として同伴している。
ふたりはてんで噛み合わないまま、一度きりのゲームがはじまろうとしていた。
PLEASE INSERT COIN(S).
お代は遊ぶ前!

千葉集「テスコガビーの仔どもたち」
『ウイニングポスト9 2022』のプレイ記録です。

↑の続きのようなもの。

孔田多紀「ゲームの規則」
昭和十九年、空襲迫る東京で行われた犯人当てゲーム。出題された「ヨット殺人事件」の真相を、解答者の中で唯一、サカタ・ヘイキチは当てることができなかった。十年後、復活した犯人当てゲームの例会場で、語り手の「僕」はそのことを思い出す。――あの時なぜ、サカタさんは一人だけ正答できなかったのだろう? 伝説の作品「ヨット殺人事件」の正体に迫る歴史フィクション。

千葉集「エルデンロード・オブ・ザ・エルデンリング」
エルデンリングをやめろ。いますぐ捨てろ。外に出て、野球でもしなさい。

織戸久貴「瞬きよりも速く」
 わずか二十歳という若さにして奇跡を起こし、犯人当て界のタイトル保持者〈魔術師〉となった船戸衿にかけられたのは不正疑惑だった。「私は当士として終わった」と言い残した師匠の自殺。その後の低迷。ストロング系アルコールに溺れる日々。それを救いに来たのは弟子を名乗る中学生の少女・朱鷺川あやり(ベッドにて同衾?)だった!?
「先生、昨日は素敵な夜でしたね」
「は?」
 憶えてなかったが始まってしまった女子中学生との師弟関係。ストレートなあやりの情熱に、衿も失いかけていた熱いなにかを取り戻していく――。
前代未聞の犯人当てバトル小説の金字塔、対局開始!!

《コラム》

・各小説執筆者による「私的ゲーム小説三選」

《特別インタビュー》

「ゲーム、小説、批評、そして――藤田祥平先生インタビュー」
「(記事序文より)……藤田祥平。一九九一年生まれ。二〇一八年に『電遊奇譚』(筑摩書房)、『手を伸ばせ、そしてコマンドを入力しろ』(早川書房)で単行本デビュー。これら二作において、そして時にはウェブでのレビュー記事等において、文芸とゲームの狭間を往還してきた先験者だ。
 本インタビューでは作家としての藤田祥平と批評家としての藤田祥平との両面にスポットを当てることで、文芸の人としての藤田祥平の顔を引き出し、ひいては文芸とゲームの未来を占っていきたい…‥」
 四大フェイバリット作家からゲーム小説の作法まで、藤田祥平先生の「頭の中」をたっぷり覗けるロング・インタビュー。

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