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【備忘録】鈴木萌花 舞台「ペイディング・バーレスク」(9/28 10/2)

ああ、今月もまた筆不精T_T

月末締めのダイジェスト版になってしまった・・・

それでも、せっかくの応援する者たちの活動を、

ひとつでも多くSNS上に残しておこうじゃないか・・・


ということでまずは、浪江女子発組合での自己紹介曲「桜梅桃李夢物語」では、

優しい藤の花のような歌姫みんなに届けビブラート

と、こちらも滅多には外さない安定した歌唱力を誇る、

鈴木萌花・もえちん

が、葉月智子・平瀬美里といった、中小ながら、いや、中小だからこそ手が抜けない真摯な姿勢が求められる舞台演劇で、主役をも務める者も輩出している3Bjunior関係者の二人に、まるで、

「アイドル活動しながらでも、舞台の主役は張れるんだよ!」

と言わんばかりに挑んだ、

舞台 舞台「ペイディング・バーレスク~天使がいた場所~」

で主役を務めた件。

こちらは、もえちんや、僚友の愛来が何度もお世話になっている、五反田タイガーの5周年記念公演で、ここ、

新宿の共済zeroで上演。そんなアニバーサリー公演に、もえちんを座長に招いていただくのは、ありがたくもあるが、なんか小生は、だ、大丈夫なの!?という部分もあったのね。もえちん達絡みで観始めたタイガーさんの主演級のキャストがね、AKB48出身の人が多かったから、いくら出演作品も多く、かつスターダストプロモーションとはいえ、社長が失○とか呟いちゃうダスト組で、いち素人の外野客に過ぎないのに余計な興行面の心配をしたんだが、観終わった今は、そんなくだらんことどうでもよい、もえちんらしく真摯に真面目に取り組んで、タイガーさんの記念公演の座長を務めたなあと称賛すべきと言える舞台だったね。

あらすじは、毎夜バーレスクショーが開かれている、とある場末の劇場の、セクシーな衣装に身を包みダンスを舞うグループと、バニー衣装で可愛く歌い踊るグループと、ショーのトップシンガーのモンロー(東ななえ)ら3組は、あまり仲が良くなく、モンローとバニー組のツートップたるチッチとポッポ姉妹(岡本尚子、根岸可蓮)は、ブローリー(飯塚理恵)の仲裁も他所に、今日も姉妹の大切な親の形見を盗んだ・盗まないで喧嘩。それは、バニー組で楽屋泥棒常習犯のナターシャ(若松愛里)の仕業だったのだが、に謝るどころか意固地になる姉妹。一方のセクシー組も、リーダーのマリー(聞間彩)とリリー(山來ゆう)がリーダーの適任性を争うなど、ある意味では平常運転。

その3組をなだめてはどこにも肩入れせず往なしつつ、接着剤のように仲を取り持つのが、の娘である朱音(鈴木萌花)。裏方の照明係達(武藤志織、高松雪、大山アキ)や、支配人レーモンド(川本紗矢)に連れられた新人の雑用係サリーナ(佐武宇綺)に劇場を紹介するうち、彼女は唯一といってよいほど皆から好かれていることがうかがえ、彼女も密かにこのステージで歌い踊りたいと思うのだが、それは叶わぬ夢と自重気味に屋根裏へ。彼女には何やら秘密があり、その一端は、仕事の合間に顔を出したネズミ達(樋口光、根本流風、渡辺ゆか、中太花梨、堀涼佳)と何故か話すことができ、さらには一緒に歌い踊る姿にも表れていたのたが、陰から覗いたにはネズミと朱音が見えるだけで不思議に写るばかりだ。

その劇場は、がと姉妹を呼び出し、すぐ目の前に、新しいレジャー施設が造られて、規模も大きな劇場が入るといい、経営危機が明らかと告られる。その経営者はかつてここでのトップスターの座をに追われたビアモンテ(坂場明日香)で、明らかな復讐だが、は、仕方ないねと、どこか諦めにも似た態度をみせる。ほどなく、ある日の練習後にビアモンテが現れて部下(山本栞、水飼彩乃、大西まいか)を引き連れて現れて、好待遇での移籍を持ち掛けると、かねてからお金が必要と噂されていたブルータス(YUSA)が移籍を表明すると、他、セクシー組ではマリーと、その相方的なアンナ(高橋麻里)、音を外しまくるレイチェル(三浦祐香)、中立な下っ端のシャーリー(折見麻緒)、バニー組からは、ナターシャとマリリン(片瀬なゆき)などが移籍を宣言し、さらに妹のポッポに貧乏は嫌と移籍の決別を受けて戸惑うチッチ。懸命に引き止める朱音に、居残り組のセクシー組シンディ(KOZUE)は、誰も自分の生きる道は邪魔できないと諭す。引き留める声も虚しく移籍組が去ると、朱音もねずみ達とともに項垂れていると、意味深に、まるで何か疫病神に取り付かれているみたいね、と居残り組の一人のバニー組のカターシャ(小嶋凛)。さらに、その移籍騒動の場には居合わせなかったモンローが、実は、何者かに階段から突き落とされ病院に運ばれていたかたと判明すると、いよいよ朱音は絶望に苛まれる。

実は彼女は、人に取り付いては不幸をもたらしを繰り返す文字どおりの疫病神であったのである。疫病神は、その追跡者である天使に捕まると取り付いた先から剥がされて、再び取り付き先を見つけてさまようことを繰り返す習性があるのだが、数年前に声をかけてきたモンローが、私の娘でいいよと朱音を受け入れてから、朱音はその居心地のよさに疫病神であることを忘れていたのだが、確実に劇場の全員を少しずつ不幸にしてきており、ついに今回の決定的な悲劇を招いたのである。おまけに、モンロー突き落としの犯人も、それまでは富豪の娘で無給で踊っていたバニー組のクラウディア(澤田美晴)が、実家の破産をビアモンテにつけ込まれて犯したものと判明し、さらには、いよいよ劇場を閉めると決めたレーモンドが皆を集めたときに、モンローが自分は病魔に侵され余命長くないからと告白するまでにおよぶ。

そのままいよいよモンロー最後の公演。移籍組もモンローの計らいで一日限りの復帰となり、果てはビアモンテまでが、捨て台詞ながらも「死なんか許さない」と惜別を告げる中で、朱音は、この状況を脱する唯一の方法はなにか?を思い起こす。それは、疫病神である自分が天使にまた捕まること、それのみならず、その取り付いた張本人から最初の記憶を消せば不幸は消えるという天使の言葉を実行することを決意する。実は、天使はバニー組のカタ―シャで、最後のモンローとのショーまで猶予を得ていたのだ。私も消えたくない、この劇場が好きと涙を振り切り、モンローと、皆と、最後は一緒に歌い踊る朱音。モンローは朱音と会えて幸せ、誰も不幸になんかなっていない、朱音は天使だよと最高の笑顔で締めくくると、朱音はそのモンローの胸を指さして、さようなら!と告げてその指を天にかざした。

とある場末の劇場では、雑用係のサリーナは、リーダーの適任性につき喧嘩するセクシー組のマリーとリリー、盗癖治らないナターシャ、チッチとポッポ姉妹と仲が悪いモンローらに呆れながら、この劇場が好き、いつか私も歌い踊りたいと目を輝かす。騒がしい皆を止めるべく、ふとモンローが床にあったバケツをほうきで叩きながら、さあショーの準備を始めるよ!と気炎を上げると、そのバケツの音に、皆どこか懐かしい、そして悲しい思いがこみ上げくると、頭上からねずみ達とともに見下ろす朱音が、これで良かったんだという顔で眺めていた。

初日の終演後のカテコで、すでに初日を終えた充実感と安堵感から、早くも涙を見せたもえちん。彼女の真摯な姿勢は、この五反田タイガーの記念公演での主役というものに、いろんな感情が巻き起こっていただろうね。小生の予想では、かなり生歌のシーンがあって、その経緯から抜擢を受けた、なんて思ってたけど、実際歌のシーンはもえちんで4シーンくらいだったかな?しかも生歌はほとんどなかったと思うので、ほとんどは芝居部分であるから、相当悩んだことでしょう。もちろん付き合いも長い五反田タイガーさんで、東さんや飯塚さん、さらに過去作で共演の澤田さんや若松さんなどにもアドバイスも受けたりして臨んだんだろう。もえちんの涙にはそうした皆さんももらい泣きされて、娘の成長を見た、って感じだったけどw、そうした稽古からの姿勢も含めた姿があればこそのもらい泣きだったと思えるね。

タイガーさんの過去作やODACの「ダルマ」でも、わりと突っ込みの役柄が多かったけど、今回もそうしたツッコミの場面が多くて、その辺は安心して演じられたのではないかしら。そして喜怒哀楽の感情もしっかりと込めてよい、素直な役であったのもあり、役者さんの経験豊富な方なら、言い方は悪いけど「物足りなさ」もあるかなと思えるけど、そこは、役者としてはまだまだキャリアも浅いもえちんなので、感情を込めれば込めるほどよい、という点でも良かったのかななんて思う。その中で、最後の、モンローと踊りきって笑顔を見せあう後に決意の指さして天をかざすところの決意の表情は素晴らしくて、照明の効果もあるだろうけど、ホントあそこは小生まで、もえちんの熱演の記憶も奪われるのでは!って思わせられたね。

そのほか、タイガーさんの作品では、これまで非人間が主人公の作品を観てきたけど、初めて人間がほとんどだった作品を観たwww、ってのも笑えるが、これも最後の、朱音が去るシーンは、その前がエンディングのような歌い踊るシーンだから、誰もがこれで終演、って思ってからの、あの記憶消しだから、この演出は素敵すぎたし、一方で、今作は「死」こそ描いてないけど、「朱音の記憶の死」というものが描かれて、やはり、いつかは「死」なりなんなりの別れは否めない、だからそれを乗り越えたり、越えれないなら回り道してなど、いろんな方法で受け止めることから、次を生きてゆこう、みたいなものが劇団のテーマなのかな、なんて思ったりしたけどこれは違うか。

また、これまでの観劇で既知の役者さんは、とにかく若松愛里さんの楽屋泥棒ぶりは素晴らしくて、キャリアが成せる業だと言うことなんだろうな、素晴らしかったし、山中ゆうこ改め山來ゆうさんも、スラリとした細身であの声量のパワーと、こうしたダンサー役が身長も高いんだろうけど見栄えもして格好良さも今回はアップデートされたし、岡本尚子さんも良かったし、その妹の根岸可蓮の葛藤とかも良いし、未知の方では、シーンは少ないがやはり敵役のビアモンテの坂場さんの、モンローへの最後の「エール」の表情とか、佐武さんは元9ineのアイドルだったっけ?野暮ったい新人から、モンロー最後の場面ではスラリと細いセクシーさも見せるとか、やはり脱アイドル組の一つの姿として将来の3Bjr組をオーバーラップさせていたよ。

さて、もえちんも、主演として演技することを身につけたいま、僚友の愛来もまた、久々の演技にも飢えているところかもしれないし、未だ舞台はお声かからぬゆづはなも、いつかの機会に爪を研いでおいてほしいし、ほかの3Bjr組も、一度は主役を張るべく、もっともっと舞台に進出していってほしいところですな。

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