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【備忘録】2022年6月の演劇鑑賞 堀有里&蜂巣さん・田中海凪・有沢澪風

贔屓だった3Bjuniorが活動終了してから、

小演劇場の舞台演劇の俳優として活動を開始したメンバーを中心に、

観賞を始めた舞台作品についてもまた、

リアルな生活の繁忙閑散に流されながら、

のべんだらりんと続けているのだが、

これからは、アイドルライブの観賞と同様に、

単独の記事として書けなかったものを、

月でまとめた備忘録として書き残してゆこうということで作成。


今月は小生、以下の3作品を観賞。

①舞台 僕らの88年式タイムカプセル(6/10 本所松坂亭劇場)

1988年と89年の早生まれの同学年の俳優さんたちのみで出演、作、演出を行い、

日替わりゲストで1987年生まれ、すなわち1歳上の女性俳優さんお一人を招いて、

ドタバタ喜劇から、徐々にしんみりとした情話に移行して、

最後は、年代関係なく、今を生きる人たちにエールを送るような作品。

脚本と演出を、堀有里さんと蜂巣和紀さんという、

あまた存在する中小舞台演劇に身を置き活動される俳優さんとしては、

個性的で固定ファンもついている好俳優さんたちだと小生は素人目にも思えている二人が、

演者としては前に出る部分は無く、各エピソードで他の演者さんを引き立てる作品にしているなあと、

こちらも失礼極まりない感想かもしれないけど、そう思えたくらい、

今回で初めて観た俳優さんたちも、テレビとか編集された世界の連中なんかに絶対負けないだろう、

素晴らしい表現をされるなあと思えました。


あらすじは、88年生まれの小学6年生が2000年に埋めたタイムカプセルを、

20年後に掘り返すという日に集まるが、仲間9人なのにカプセルは1つ多い10個あり、

開封して確認しながら、最後に1個多い謎のカプセルを開封すると、

それは、うち1人の彼女が2001年病気で亡くなる直前に、

死にたくない思いと20年後に向けたメッセージを埋めたものだった。

そしてその1年後、彼女の声に答えるべく、今を、これからを生きていくと、

再度皆で集まり返答する、という内容。

小学生のころのあだ名なんて、単純なことで決まって、それが6年間続くとか、

当時の流行のものとか思い出されたりとか、

ただでさえ88年生まれでない、それより15年以上も前に生まれてる小生にも、

すんなり共感できたこともあるのに、途中まで、20年後のシーンで集まっていた、

死んだ彼女(演じたのは、野村亜矢さん)が幽霊だったって気づかなくて、

ああ、また幽霊ものに騙された!と、すっかり脱帽だからね(素人はちょろいね)。


堀有里さんは、再演決まった「袴DEアンビシャス」で初めて観てから、

なんだかんだで、この1年で今回含めて通算5回も観てるかな。

1回は、彼女は脚本演出のみのものを含めれば6回。

所属は中堅の事務所のプラチナムプロなので、テレビ等も出る機会もあるけど、

堀さんの作品は、やはり、素直に泣いていい、という作品が素敵だね。

蜂巣さんは、彼もこの1年だけ5回くらい見ていて、

ほとんど台本無視的な「ガチャ×2コント企画」は、もう、腹痛いくら笑うし、

それでいて、「放課後ビアタイム」というユニットでの作品は、

これも、ベタなネタなんだけど、これが実に素直に感動できる作品で素晴らしいし、

さらに、いち俳優としても、昨年暮れの、所属のボブジャックシアターの、

「ロンググッドバイ」では、ストーカーの狂気にぞっとさせられる演技を見せたりと、

こちらも、テレビや映画なんかの連中は敵わない表現者で、

これからも小生も観る役者さん達だし、どこかで我が3Bjunior出身者とも、

交わってもらえればありがたいな、と思ってます。

※堀さんは、ついに「袴DE」で、葉月智子と同じ板に立つ!!


②舞台 あの壁の絵~キタナイ涙2022~(6/17下北沢小劇場B1)

友池さん(友池一彦)作演出。

昨年秋に、平瀬美里・みぃちゃんがお世話になって以来、

友池さんの手掛けるものは、最低1回は観劇するようになっていて、

今作は、そこにたまたま、我が「はちみつロケット頑張って」の後進グループの「Awww!」で、

リードボーカル的な位置で頑張ってくれていた、

田中海凪・ミナギちゃんが出演した、というもの。

(谷松香苗さん、大岩根綾奈さん)

あらすじは、独善的で最後の劇団員まで失ってしまった舞台演出家が、

公演予定の地方都市に描かれた、世界的に有名ながら、その顔は世間に知られていないという、

ある邦人画家のタッチに近い落書きに居合わせて、そこでひょんなことから、

自分がその画家だと偽ることになり、嘘を重ねてゆくものの、

やがては露見してしまうが、その落書きを描いた真犯人・その画家の恋人で、

この都市出身の美術評論家の彼女が、彼の自然を愛する思いと、

自分の故郷の自然を守りたい思いで、埋め立てられる寸前のこの場所に、

落書きでそれを止めようとした真意を見出した演出家は、

最後まで画家になりきり演じつづけ、でも、彼女に彼はもういない、

立ち直って前に進めという意味を込めて、

俺がこの絵を描いたのは、自然保護でもなんでもなく、

ただ、ここに描きたかっただけだ、と言い放つ、

という感じのもの。


友池さんの作品は、もうほぼ一貫して、

主人公、とりわけ男は、もう、ダメで情けないという性格で、

とにかくあきれちゃうんだけど、でも、それでもいい、

どこかひとつまっすぐなものがあったり、優しい部分があったり、

それがあればいいじゃないか、と励ましている、というのが、

大なり小なり男って、どこか虚勢を張るのに疲れるところがあるから、

それを癒してくれる、というのがいいのよね。

今作の、演出家の門真もそう。演じた太田雄路さんは3月の友池さん作品

「画素数の低い愛」でも、主演の、一本調子な声優を演じていて、

まあ、作品内容的にはかぶる面もあるけど、良策共通の、

最後ひたむきに女性を助けるシーンが素敵でした。

みぃちゃんが共演したことのある人も当然多くなり、

中川あつこさん、谷松香苗さん、えなえさん、そして「君に届け」では、

スラップビブラートの即興コントで苦労していた、佐野晋平さんが、

こちらは埋め立て反対の自治会長役を、その苦労を外されて活き活きとw、

コミカルな会長役で楽しんで演じられていたね。


さて、ミナギちゃんは、役どころは、門真の娘で、

中川さん演じる離婚した元妻とともに、門真に用かあり、

この公演予定地に来て、再会した父が画家に成りすましていた騒動に、

また、と呆れるものの、そんなところは嫌いじゃなかった、

と言って、最終的に門真が美術評論家を励ますきっかけとなった、

という感じで演じていたかしら。

1か所、セリフが詰まりそうな感じがあったが、それ以外は、

まずはしっかり与えられた役割を稽古どおりにクリア、という初々しさ。

自身は、播磨と共演の「戦国送球」含めて、公演は3作目ながら、

客層が、友池さんのものだから、芝居好きや、年齢層も高いので、

これまでの、アイドル舞台的な客層との違いは意識したんじゃないかな。

今後、どういった道にも進める現役高校生でもあるから、

いろいろなものを吸収して、自身の芸能活動に活かしてほしいね。


③舞台 戦国送球バトルボーイズ外伝(6/23 シアターサンモール)

劇団ソフトボイルド加藤光大作、演出、殺陣。

5月末にも観た、播磨かなや先述のミナギちゃんも出た「戦国送球」の、

大元の作品のスピンオフ的な作品らしく、

本来の男性キャストたちが、タイムスリップした戦国武将の元で、

ハンドボールで天下(トップ)を取る過程を、アクション満載で描いたもの。


あらすじは、武将真田信之が、関ケ原高校からタイムスリップした先は、

未来でも元の戦国時代でもなく、2000年、しかも場所は山形・出羽の国高校だった。

そこは、米沢第三高校と県内で一二を争う不良校で、両校は常に血で血を洗う抗争を広げている。

それを信之が、ここでは真田勝利と名乗り、不良たちをハンドボールで勝ち負けを決めようと、

米沢第三にタイムスリップしてきた伊達政宗(真佐夢と名乗る)共々説き伏せる。

一度は受けた米沢の不良のトップ古郡だったが、出羽の国高校のメンバーを闇討ちして、

ハンドボール対決は流れ、いよいよ暴力抗争か、となるのだが、

ヒロインの出和の国高校・早乙女いちか(日永麗さん)が止めて、再びハンド決戦へ。

試合当日は一進一退を繰り広げる好ゲームとなるのだが、またしても古郡が、

今度は、出羽の国のリーダー・鮫島(加藤さん)との私怨を晴らすべく、

ハンドの武器である「戦国モード」にそぐわない、現実のナイフで鮫島を刺してしまう。

そこに割って入る真田勝利が古郡のひと突きを受けるも、懸命に説得すると、

鮫島や、ふたりのいきさつを知るいちかも、古郡を追い詰めたのは自分たちにも一因あると気づき、

古郡を許すと、うなだれる古郡。伊達真佐夢も、天下を取れなかった自分が、

古郡と姿が似ていることを知ったのか、試合残り時間で、せめてゲームは勝とうと鼓舞する。

受ける真田と出羽の国高校、最後の点数は、どちらが取るのか!?

という感じ。


ソフトボイルド主催というのもあり、客層は8割女性で、小生ら高齢者は、

日永さんや、その相方の生徒役の片瀬成美さん、元notal(ノタル)だよね、

そして澪風ちゃん目当ての人って感じか。

戦国送球では、そもそもタイムスリップ?おいおい、ってのは論外で、

それを受け入れて観るのが前提なので、つじつまとかは気にしない。

ただ、まあ、内容が不良校の暴力ってのが描かれるので、

小生は、まあ、暴力的なものは、その、今の世の中叩かれる側の考えなので、

正直、暴力の描写は、って感じだった。その点でいえば、

女性キャストで描いた、加藤さんの前回の戦国送球は、安心して観ていたがね。

キャストでは、おとな小学生の石原美沙紀さんが、

「アサルトリリイ」の黒幕的な保健師役で見せたのと同様の、裏のある思惑顔の演技が良かったね。

男性陣は、小生が心では目を背けたほどに、まあ、不良らしい表現をされていたということか。


さて有沢澪風・澪風ちゃんはといえば、

今作は、両校のシーンが本編とすれば、彼女の登場する場面はすべて、

2000年から22年経った現代の場面で、それはストーリーの狂言回し的なものなのね。

澪風ちゃんほか2名の、現代の山形の出羽の国高校の女の子が、

38歳の鉄拳苺子(ソフトボイルドの樹くるみさんが演じる)と校門で出くわし、

苺子の22年前の思い出話を、ガヤ入れながら聞く、みたいな役だったの。

小生、開演から1時間くらいまで、苺子が早乙女いちかだったと気づかなくて、

澪風ちゃんは一体どう本編と絡むのか?ってなってたのが、今も笑えますわ。

苺子は、ここで待てば、また真田勝利がタイムスリップしてくるということで待っていて、

最後実際に信之、演者は前田隆太朗さん、が来るけど、好き、を言えずに、

ただ、関ケ原へ行ってらっしゃい、と言えなかった苺子、樹さんの表情が良かったのは良かった。

まあ、澪風ちゃんのいでたちは、

こんな感じのアーパー感丸出しで、これはこれで楽しく演じていたけどね。

あと、いわゆる全員登場のオープニングダンスは、

澪風ちゃん本来のダンスの動きが抜群で、やはり彼女は、本人が目指す二次元(声優)世界より、

自身の身体をすべて動かす世界がいいなあ、と思うけども、そこは本人の夢だからね。

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