初舞台で興行対決!公野舞華vs播磨かな

かつて「はちみつロケット」その後進グループである「Awww!」という、3Bjunior内のユニットのメンバーとして苦楽を共にしてきた、

公野舞華(きみちゃん)
播磨かな(播磨)

きみちゃんは、Awww!解散の2021年10月末と同時に、スターダストプロモーションとの契約も終了、とはいうものの、ももクロ御用達の美容室KINDの動画配信では不定期的にゲストで出たり、また一説には、とある野球場のビールの売り子をしながら、ツイッターも始めてフリーランス的に活動を継続。
一方播磨は、スタプラに残留して、佐々木彩夏・あーりんのお声がかりで浪江女子発組合に加入するも、やはりツイッター開設してSHOWROOM配信や、この4月からMBS深夜ラジオ・俺たちゴチャ!まぜっ、の出演を勝ち取るなどの活動に励んできたが、その両者がこのゴールデンウイークに、ともに初舞台を迎えたのである。

きみちゃんは、ここ、

こくみん共済coopホール(新宿)での、劇団bpmの「DRAGON BOWL」で、播磨は、ここ、

高円寺アトリエファンファーレでの、劇団メイホリックの朗読劇「呪い喰らいの魔女」。なお播磨は、新コロ禍により、今年2月中旬のシブゲキでの、劇団爆走おとな小学生の「タツノオトシゴ」が中止となったことで、待ちに待った初舞台となった。
小生は、きみちゃんの作品は、残念ながら文字どおりの初舞台観賞とはならず、同日5月5日のソワレ公演、すなわち2公演目を、播磨は5月6日15時のまさに初舞台をそれぞれ観賞してきた。


・DRAGON BOWL作品紹介

(所感)
bpm(もしかしたらその前進だったかも)の前体制最後の作品だった本作を再演とのことで、渋谷の昭和なボウリングセンターを舞台に、オーナーと旧知の詐欺師が、ボウリング場のCMの練習のためにやってきたヤクザの娘とそのボディガードに、ほんの思いつきでついた嘘が、ただひとりの従業員や、面接に来た外国人、上のフロアのものまねパブの店長、宇宙人みたいな扮装した男性、ヤクザの組長と後妻の姐さんとその舎弟、組長を狙うヒットマン、従業員の後輩と従業員が恋する幼稚園教諭、性同一性障害であるヤクザの長男と、彼が働くバーの同僚、警察官、さらには広島弁のコスプレ女性らボウリング場にやってきた面々に誤解やすれ違いを生じさせて大混乱。ついには、ヤクザの娘と幼稚園教諭がチーム対決して、10フレームすべてストライクを出すよりも難しい、セブンテンという、
このスプリットをクリアした方が勝利して、なぜかハリウッドの女優になれるかも!?という話にまで詐欺師が盛りに盛る。おまけに幼稚園教諭のかわりに従業員が挑戦して、倒したあかつきには結婚しようと告白までして、果たしてその結末は!?というほぼ全般がコメディであるが、小生が観た時ではアドリブで演者の素の笑いが起こったりもしないコント的なものではなくストーリーがしっかりしているなあというもの。上演時間は2時間10分だったので長いんだけど、冗長という感じも受けなかったしね。宇宙人紛争男とコスプの広島弁女性が本当の宇宙人とか、ヒットマンが至近距離から組長を撃つんだけど組長も庇ったボディガードも死んではいないとか、警察官も実は詐欺師で、詐欺師同士知り合いだった?ってところなど、どうなの?って点もあったけど、それらはご愛嬌ってところかな。客層が実は8割が20代から30代と見られる女性で、bpm推しや、従業員役の木原さん推しやボディガード役の谷口さん推しなどが多いのかしらね。
役者さんでは、まず詐欺師役のbpmの菊地創さんが素晴らしかった。自分の思いつきの嘘の言い方とか、でまかせ感を本当に受けたし、その嘘が独り歩きしてゆくのを、無責任に、でも、まあ流れに任せるか、みたいにひょうひょうとした演技が詐欺師ってこういうやつなのかも、って気にさせてくれたね。オーナーの塚本さんが、オーナーとして前説的に観賞の諸注意をいいながら、アメリカンジョークのオチを言う直前で電話、そのまま本編へってのも、歯切れ良いセリフ回しで格好良い。組長役に、小生が唯一事前に知っていた、あの大高洋夫さんが出演されていて、しかし龍の入れ墨見せるので背中を晒すんだが、振り返った前はさすがに歳を取られた感がw。そのヤクザの娘役は、元つりビットの安藤咲桜さん。なんと彼女も初舞台とのことだけど、淀みなくセリフを発するなど大したものだなと思った。つりビットでは聞間彩さんも先行して舞台出ているから、元ファンは感慨深いのでは。 

(きみちゃん評)

さて、我らがきみちゃんは、幼稚園教諭のエミ役。これが、もちろん演出なんだろうけど、セリフである程度役柄の性格とか説明されるのが通常だと思うけど、エミについては、事後的に木原さんから、そういう性格だからと言われるのが面白かった。ボウリング場に来たシーンから、おっとりのんびりとした感じながら、鼻づまりは演技なのか!?ってほどで、コウモト君(木原さんの役名)に(鼻をかむので)ティッシュ、それを捨てるためにまた彼に渡す、ので笑いを取る役回りも担ったね。観ている方が、彼女はそんな性格かも、って想像させるのは、小生なんかはそれを楽しむところがあるから、これは良かった。ただ、クライマックス前にきみちゃん寝てるってのは、もう少し誰か早めに突っ込んでやってwww。そんなキャラでもあるエミちゃんでしたな。
あと、きみちゃんもすれ違い的に、ヤクザの敵対する組はどこだ?って流れで、ロッカーから戻ってきて、担当する幼稚園の組名(きりんだったかひよこだったか)をきっぱり言うのは、毎回笑いが起こっていたそうでなにより。笑いにしろ泣きにしろ、意図どおりの反応があるのは役者冥利のひとつじゃないかな?その快感をこれからも是非味わうべく、オーディションなどでチャンスを勝ち取り、経験を積んでいってほしいね。歌い踊るアイドルは道半ばで断念は残念だけど、きみちゃんには、別人格を表現する役者業は適うのではないか、と無責任ながら確信したほど、初舞台を順風満帆で出航のきみちゃんでした。


・呪い喰らいの魔女作品紹介

(所感)
魔法によって物を繕うことを営む女性のもとには、今日も街の女性達が集い噂話に花も咲く。その中で、呪いを喰らう魔法で人を助けるという魔女のことが気になってしまった女性の娘は、街で事情を知る、話りべの魔法使いだという女の元へ出掛けて真相をせがむ。女によれば、呪い喰らいの魔法は娘の母親が授けたもので、魔女が経験値を高めているのだという。現に母親の店に来る常連の親子も、呪いをかけられたところを魔女に救われもしている。しかし魔女は人々からは距離を置き、人々も魔女を畏怖しているが、唯一魔女を理解する女性には、いつしか魔女も素を見せるようになっていた。
ある時、その女性が、街の住人を集めて呪いと闘う魔女を支援しているその時に、なんと呪いが女性を喰らい命を奪ってしまう。打ちひしがれて呪いを喰らうことができない魔女。街の住人も逃げる中絶体絶命かと思われたとき、死んだ女性の強い魂の光が、呪いの内部で強く輝いたことで呪いの方が消滅。助けられた魔女を女性の魂が励まして別れを告げる。
そんな話が娘に語られたが、当の語りべの女は、そこまでして呪いは喰われたのに相変わらず人間は今日も明日も呪いを生み出し続けることを嘆く。まるで、そのいたちごっこを演出しているのは、実はあの死んだ女性のような強い正義の光であり、それこそが呪いの元凶なのではないか、と思えるほどに。

ライブのみ一観賞で配信も観ておらず、メイホリックの岡本さんらしい最後の皮肉的なオチはなんだったのかよく理解できていない。死んだ女性役が、あの解散したたこやきレインボーのまいまいこと春名さんで、最後死んだ彼女が思わせぶりな笑みで現れたので、彼女が黒幕的に魔女を操る?的な話だったとは思うがとうなんだろう。また、岡本さんも小生観た回の最後で言ったように、ほぼ全編で動きの中での朗読で、朗読劇としてはどうか?というのはある。これは観賞記書いてないが、平瀬美里・みぃちゃん主演の友池さん作「晴天に雨」でもそうだが、友池さんは皆さんも女性の役者さんは動きも観たいでしょう?という要素がある的に言っていたのがしっくり来たかな。岡本さんも世が世でなければ、立ち演劇で上演したかったのではないかな。役者さん達も、身振り手振りの動きで、心境表現をより現していたので、座りが主体よりは良かったかもしれないが、逆に、読み、だけで観客を引き付ける難しさってのもあるんだろうな。
小生の観劇回ではアフタートークも15分程度サービスしていただき全演者参加で、スタプラファン的には、春名さんと播磨が同じステージに居るのが感慨深かった。播磨はSNSでも春名さんとの写真や、たこ虹最後のライブにも触れていたね。春名さんはそこで区切りをつけた最初がこの公演だったので、その意味でも貴重な回を観賞したんだね。その他では、二人もそうだけど、このときの全員とも声が特徴的だった。とくに、親子の子の方だった中野さんや繕い屋役の植野さんは、声が声優さんっぽくて、そちらの方面なのかな?なんて思えたね。対象的に主役の魔女の八木ましろさんや話の魔法使いの櫻川さんは、きさくなお姉さんって感じで、役柄とは真逆に親しみも持ったね。

(播磨評)

まず、セリフ前に顔見せ的に舞台に上がったのは良かったんじゃないか。そして植野さんや中野さんの後すぐに出てきたかと思いきや、いきなりの厚かましさで、あれしたいこれしたいという姿は、誰かもつぶやいていたが、

播磨の当て書きか!?

くらい、播磨にピッタリと思えたね。でもこの役はダブルキャストで、播磨の前日まで飯塚結菜さんという方が務めていたからね。まったく、恐ろしい偶然です、とは映画犬神家の一族での、あおい輝彦さんの佐清のセリフだが、ホントそう思えるほどで、語る魔法使いの櫻川さんへの、聞かせろ!の厚かましさも播磨らしかった。
そんな播磨が、櫻川さんが、話してやらないよ!みたいな感じになった後に、話をしてもらうめに素直になるシーンで、

わかりました

と言うところを、

わかり ました

と、ひと呼吸置いたところがなんとも素晴らしくてね。ここは演出でもある岡本さんからの指示だったとは思うけど、これが播磨の発案とかだったら、初舞台とは思えない度胸だなあと感心しますわ。セリフって、少し間をもたせたり言い方の工夫ひとつで、小生なんかは勝手にあれこれ解釈つけちゃうのよ。で、それだけでその役者さんを、うまいなあ、みたいに評価してしまうわけwww。なので、これからも、独りよがりにならないレベルを見極めるたうえでのチャレンジに期待したいと思いました。
あと、アフタートークショーでは、岡本さんの「(今作にひっかけて)いま呪いにかかったと思えるほどに夢中なもの」に、誰も手を挙げないのを秒レベルで確認してからのトップバッターで、1日7回は着替えをするとかいうネタなのか怪しい応答で、トップバッターとしての道を作ったり、最初は他の人のエピソードにも反応みせていたが、やかてニコニコ顔だけにしたり相槌映るくらいに抑え利かせたあたりも、昔の3Bjr時代の良くも悪く一本調子だったことを思えば、飛躍的な対応力を身につけたなあと感慨深かった。播磨が本来望む、歌い踊るアイドルとしては、正直ソロアイドルの厳しさを思えば難しいけども、急がば回れ、迂回路にこそ本来の進む道だってあるかもしれないから、着実に、次もその次も決まっている予定に向けて、突き進んでほしいね。

さて、そんなきみちゃんと播磨の対決、軍配は?もちろん、

両者勝利のドロー一択!

おかえりなさい、ステージへ!




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