平瀬美里 舞台「ワタシタチのキョリ」千秋楽(6/6新宿村LIVE)

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おぢさんの手紙

みぃちゃんへ

なんか、2作品目の舞台の千秋楽まで連れて来てもらっちゃって悪いから、みぃちゃんにお返し考えたんだけど、金無いし何がいいかよくわかんないし、手紙を書くことにしました。こういうの恥ずかしいので、書いても送らない前提で、エゴサしないでもらえると助かります。

千秋楽めちゃくちゃ良かった。最高!マチネはG列って一番後ろで、大千秋楽はB列9番で、心が喜んでいます。本当にありがとう。前作は2公演で中止になって、楽しい思い出作れなかったので、今回千秋楽までたどり着けたのは、嬉しい反面どこか寂しさも同居していたのかな、そんなことを考えていました。現に、カーテンコールでの、出演者ひとりひとりの挨拶で、千秋楽を迎えることが初めてで、って言ったあと、もう言葉が極まって涙ぐんで、隣の、ウナを演じた、ゆめ真音さんに支えてもらってたしね。

でも、一番尺使って、ちゃっかり、これからの私に期待してくださいみたいな自己アピールで、演じたエイコばりに、諦めてない姿を見せてたので、安心です。

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話を、千秋楽の公演に戻します。
G列から観たマチネでは、それまで前でばかり観ていたので聞こえなかったけど、イクミの後藤萌咲さんとスズエの芳本美代子の回想シーンでの掛け合いで、結構笑い声も起きていたんだよね。とくにこの日は、芳本さんのアドリブが連発で、寝るねZZZ、の後に、最近ワロタの顔文字も覚えた、って言ったり、旅行止めて寿司でも食べに行こうで、ゆめさんの携帯覗き込んだところで、ウーパールーパー、じゃくてウーバーイーツと、ひとりボケてからのツッコミとか(かっこ笑)受け流した後藤さんもゆめさんも大したもんだったけど、でも、そもそものZZZも携帯覗いた後も、台本に無い自由演技だったんだね(かっこ笑)

そうそう、自由演技と言えば、みぃちゃんもさ、唯一の現実の回想シーンだったバスの中で、相方のオミの一岡杏奈さんと、マチネでは、いままでのあっちむていホイのほかに、両手で「いっせーの?1 2 ・・・」をやっていたでしょ?あれなんかも、二人での遊び演技だったんじゃないの?あそこは、カヨコ役の松本好永さんと、ケイ役の橘はるかさんも、マスクを目にかけたりとか自由だったけど、後方の乗客は、吹田一家(唐澤恵さん、水井ちあきさん、森岡里世さん)やキクエ(小島節子さん)、ショウコ(福島宏美さん)という、乗車の目的が、どちらかといえば後向きな人たちで神妙な感じを保ったままだったのは、まあ、劇中だから当然とはいえ、そうしたシーンでも役のままでいるんだなあって思いました。おぢさんなんかちょっとふざけちゃおうとか思っちゃうからねえ。

そして、松本さんがカーテンコールで、演者代表一言感想で、かつてご自身が共演したりしたんだろうね、東北出身の、ちょっとセクシ系の女性役者さんが、自ら死を遂げて話をして、彼女にこの作品を観てほしかったと、痛まし気に言っていたのがねえ、そのほんの十数分前に、アコ役の久代梨奈さんの、生きろー!を耳にしていただけにね。下手端の橘はるかさんやココ役の櫻井優衣さんは、松本さんの話の途中で涙ぐんでいたので、もしかしたら馴染みあったのかもしれない。

でも、これは書くべきじゃないと思ったけど敢えて書くけど、かつて一緒にアイドル道を励んでいた仲の良い仲間が、あの、劇中の、生死さまよう淵で闘ったことがあったんだよね。で、彼女は、もしかしたみぃちゃんたち仲間の、アコと同じ叫びが通じて、首謀者の、「生きるとは何か」の問いに正解したんじゃないかって、不謹慎だけど、そんなことを想いました。

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話を、大千秋楽の公演に戻します。
A列9番。この間近で、みぃちゃん達の「生きるとは何か」を感じるのも最後かな、なんと思っていたけど、最後はもう一度初見時の気持ちで観つつも、時に先々のシーンを想像し、過去のシーンを振り返り、時にみぃちゃんを直視し、まあ、自由気ままに楽しませてもらったよ。例えば、おぢさんの今の境遇だったら、やっぱり生計を維持するという点で1000万円は欲しいけど、キクエのように強くは言えないし、かといって吹田のお母さんみたいに、どっちにも良く、みたいに振る舞うのも、ああした極限で出来るのかな?とか、よくある感情移入をしてみたり、どうでもいいこととしては、クミコ役の仲村唯さんが、ももクロの高城れに・高さんに似てるなあとか、最後にようやく気付いたとことでは、ケイは、あの感情爆発させる一点以外は、本当に爛漫に振る舞っていたんだなとか、あっ、そんなみぃちゃんも、大千秋楽では、ケイに、あんた気づいてたんっすか!みたいに、指さしてたけど、あれも自由演技だったでしょ?それとか、あの現実の事故シーンで、アコだけは、本来座席で寝ているはずなのに、立ち上がっていたのは、ああ、あれは16人のうち、主役であるアコの意識を我々は見させられているからなんだ、ということに気づいたりね。主役は石村一家やアコではあるけれど、脳内では、みぃちゃんのエイコ含めた、残り11名のスピンオフドラマを考えていたから、あのシーンでは、11名それぞれが、アコみたいに立ち上がったりして、何が起こっていたかを確認しているんだろうなってね。

そして、クライマックスの、アコとイクミの諍いの場面。久代さんが最後は倒れ込んだままイクミに生きろって絶叫したように、それはもう気持ち籠っていたことは分かったけど、その後暗転してエンディングの病室シーンに映るんだけど、リモコン消す直前まで暗転だったんだよね。あわや間に合わないの?ってなったけど、あれはもう、その前の諍いが気持ち入りすぎて、涙とか息を整えるのに時間を要して、病院着に早替えが押したんだろうな。あの場面はみぃちゃんも、最後は必死にこらえていて、みたいに言っていたけど、おぢさんも十分に感じられたね。
現に久代さん、それまでの公演では、スズエさんの手紙を、どこか虚空を見つめていて、決して悲しむって表情は見せなかったし、ましてや涙なんてなかったのが、ラストは、彼女も、公演のラストを惜しむように涙ぐんだ表情だったから。
そうだ涙と言えば、先述のみぃちゃん以外も、初舞台の櫻井さんは、そりゃわかるけど、ベテランだろう、いや、自身で最年長と言っていた唐澤さんや小島さんも、この情勢下での芝居の意味について言及していて、そこでは涙交じりに声震わせていたよね。作品のテーマも相まってということはあるけど、経験の深浅関係なく、舞台を全うすることを覚えられたのは、これからのみぃちゃんにも大きな財産となったでしょうね。

そして、芳本美代子さん。おぢさんが小学生高学年のころから、もう、ブラウン管(当時は液晶画面ってなに?って時代だったんだよ(かっこ笑))の向こうのひとで、アイドルとしてもみぃちゃんのはるか先輩。まず驚いたのが、最後の手紙って、あれ7公演全部生読みだったってこと。いやあ、これはもう録音の潜入感があったので、そう思って聞いていたよね。でもマチネで、あれ?一言だけ言い直した?って思っていたら、まさか挨拶で、噛んじゃった、って!!.ネームバリューあっても休ませないんだなあ、って思っていたけど、それだけに、大千秋楽の、あの後藤さんと久代さんの格闘は、どこかから観ているだろうから、それを受けての手紙読み上げは、多少何らかの感情籠っちゃうんじゃないの?と思ったけど、まあ、これも当たり前だろうけど、そんな争いは見ていないスズエの、旅行出発前の純粋な気持ちで読み上げられていたのが、さすがプロって失礼だねこれは。

こうした諸先輩方、しかも前作にはいない、キャリア数十年のベテランから、みぃちゃんと同じような経験浅い演者まで、いろいろ見聞きできた技術を、ぜひ、みぃちゃんも吸収していってほしいな。でも、その何年後かには、おぢさんの方が先に逝くんで、客席にはいないけど、そうなってもならなくても、ミィチャントオヂサンのキョリは、近くはないし遠いけど、はるか遠くまでではない、くらいだと思います。まだ、しばらくは居るけどね(かっこ笑)

はい、くだらないの終わり!これからも宜しく!ということで、次の作品、次のコンサートで楽しもうぜ!飲むぞー!ってそれでは出禁かあT_T

おぢさんより

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原作 舞台「ワタシタチのキョリ」中の手紙
脚色 モノノフLv.1
手紙中の写真は、いずれもスターダストオフィシャルサイトより

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(ワタシタチのキョリ公演台本より)

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