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【上海紀行】エネルギッシュでたくましい シムシティでスマブラな街

こんにちは、Story Design houseの横山です。今年の6月、上海で開催されたCES Asia 2019へ出張に行ってきました。今回のnoteは、社内向けに書いたレポートを加筆修正してお届けします。

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羽田発中国行き、飛行機が出発する時刻の丁度20時間前。中国出発前夜の20時。クライアントへの納品を控えた動画ファイルを書き出そうとHDDをPCに繋いだら認識しない。嫌な予感がしながらコードを抜くとカランカランという縁起の悪い音。無慈悲にもUSBの接続口が壊れておりました。
編集データはHDDの中にしかない。少なくとも明日の家を出る11時までには書き出して納品しなきゃならない。中のデータはたぶん無事。今から深夜作業してくれる修理屋を探す? でももしデータも壊れていたら?
結局、元データから編集し直すことを選び、出発5分前にギリギリ書き出しが完了し、「修正は帰国後」とメールを添えて納品。「絶対寝る」と誓いながら飛行機に搭乗。そんな感じで初めての中国出張が始まりました。

上海までのフライトはおよそ3時間。ほぼ記憶喪失状態のフライトから目が覚めると、飛行機は着陸態勢に入っており、窓の下には中国の景色が広がっていました。日本の上空を飛んでいるときは、すぐに山、森、海が目につくけれど、中国はどこまでも広大。広い大陸がどこまでも続いていて、秦の始皇帝が天下統一したくなった気持ちも分かる気が。

そのだだっ広い土地に、同じ色、形、高さの建物が無数に並んでいて、「シムシティで初心者が作った街みてえだな」というのが第一印象。きっと高度経済成長期、日本の団地の景色もこうだったのだろうと思いつつ、そんなものが土地全域に広がる中国を見て、ここ十数年の中国の経済成長の凄まじさを実感しました。

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シムシティで作ったことのある街並み

今回の中国出張の目的は、CES Asia2019への参加と中国ベンチャー企業の視察。初めての中国。子供を産んでから海外なんてほとんど行ってない私は、ものすごく不安がいっぱい。ネットで調べると中国はほぼキャッシュレス社会で現金は嫌がられるとか、100元は受け取ってもらえないとか色々書いてあったから。

結論から言うと、現金でも100元の新札でも全く問題なかった。あと、Wi-Fi(中国で使えるってやつ)さえ繋げばFBもLINEもメールもGoogleマップも普通に使える。WeChatを慌ててインストールしてきたけど、現地の人と連絡取らないならそれも必要ないかもしれません。ちなみにWeChatは2回もアカバンされましたけどなんででしょうか。がっつり加工した写真をプロフィールにしたからでしょうか。

WeChatPayは登録したものの、クレジットカードの登録がうまくできず断念。結局現金とクレジットカード生活でした。かなり独自システムが発達しているのは事実ですし、英語を話せる人は少ないけど、皆親切でした。謝謝。

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現地で本当に驚いたのは、上海というかたぶん中国の、スピード感とたくましさ。視察したリチウム電池のベンチャー企業”TechSum”は去年4月にたった数名で創業し、この1年で96名まで社員を増やしたとか。1年目にしてパナソニックやサムスンなど名だたる企業との取引を開始。視察させてもらったときも、とある超有名企業に納品するためのラインを稼働させていました。クライアントごとにカスタマイズされたプロダクトを製作するために、エンジニアがクライアント企業に常駐していて、要望の吸い上げからプロトタイプ制作まではおよそ2ヶ月。ライバル企業もそのスピードで走り続けている中で、強みを模索しながらとにかく作って改善して作って、のサイクルが脅威的です。おそらく会議の量も日本の10分の1くらいなんじゃ? 中国企業が強い理由の一つを見ました。

そのたくましさとスピード感は街中でも遺憾なく発揮されていた上海。
車道においては「譲る」という概念がないのかな?と思うほど、車線変更の難易度はSランク。鉄の意思で、入るよ!と示さないと入れない。渋滞時に割り込める自信のない私は、上海に暮らしたらきっと毎日遅刻です。それかリモートワークでしょう。

路上では、学生っぽい人もおじさんもおばあさんも、とにかく老若男女がスマホ見ながら電動バイクにまたがりガンガン横切っていきます。
スマブラのOPのようにカオスに行き交う電動バイクたち。中国の大都市ではエンジンバイクが規制されていて、見かけるのは電動バイクばかり。電動バイクは上海では自転車と同等の扱いで免許がいらず、皆さんノーヘルでスピード出しまくり。歩道にも入ってくるノーヘル電動バイカーに気をつける日々でした。

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上海のテレビ塔が沿岸に見える場所は、アリババのスーパーや、草間彌生ミュージアム、メルセデスのカフェなど最先端が集まるエリア。現地の方によると、エリアの開発が進んだのはこの数年とのこと。
一党制の中国は、政府がやると決めたらやる国。いいか悪いかは置いといて、とにかく中国のスピード感と人々のたくましさの要因ではあるだろうと感じました。沿岸の美しくてギラギラしたテレビ塔と、背後にある劣化しかけた団地のような無数の建物群。アンバランスで、エネルギッシュで、たぶん来年にはまた違う上海なのでしょう。

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街や企業だけでなく、そこに住む人もどんどん変わっていく中国。街中は信じられないほど綺麗で、ポイ捨てが普通だった時期もあったなんて嘘のようです。今年からゴミの分別が始まったそうで、きちんと運用されているらしい。

最後に。TechSumの社長が、アメリカとの関係に関して言っていた言葉が印象的でした。「影響は受ける、まあでも何とかなる」。街も人も企業もどんどん変わり、もしかして今あるものが、明日にはないかもしれない国で暮らす人たちの、エネルギーを感じた上海でした。

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