いつか躊躇いなく「厚かましい借り手」を買える日が来ますように
この書き出しを作ったのが9/27。
何か猛烈に嫌な予感がしたからだ。
これが杞憂である事を祈る。
使えるデッキがなくなった
さて、以前書いたターボゲートで紙のMTGデビューしたnote記事
これが結構な反響を頂いて嬉しい限りだ。
そして9/25にローテーションを迎え、晴れてデッキの大半がローテ落ちした。
デッキの数枚を差し替え、などというレベルではなく、ごくごく一部の汎用カードを除いて丸っと使えなくなった。
今後、俺がスタンダード環境で遊ぶには、これまでとは全く別のデッキを組む必要がある。
どっかにターボゲートみたいなデッキ無いかなー!
当初候補にあったのは「イゼット果敢(赤青ドラゴン)」と「ボロスサイクリング」。どちらも一部カードを除いて安い上に、M21とイコリアは1箱ずつ剥いているのでパーツもある程度揃っている。
ただ、ローテ前にボロスサイクリングをアリーナで回しても、これがしっくりこない。ウィニーデッキが肌に合わないのか、序盤押し切れないと盤面を抑え込まれて捲られる感覚が楽しくないのか、なんとなく
「これじゃねぇなぁ」という感覚で手に馴染まない。
いくら安く組めても性に合わないデッキは作る意味も遊ぶ意味もない。
となるとイゼット果敢という事になるが、結局「スプライトのドラゴン」を育てて殴る過程が「繁栄の狐」を育てて殴るボロスサイクリングに似ている感じもする。ボロスサイクリングより対応力はあるとはいえ、デッキが軽量呪文で固まっているので盤面をひっくり返すような逆転力はなさそうだ。
結局、4色ターボゲートという特異なデッキの楽しさがMTGの原体験になってしまったので、新しいデッキにもその楽しさを求めてしまっている。
序盤は遅くてもいいけど土地とマナが沢山出て、色んな色のカードが使えて、相手の盤面をひっくり返す対応力があって、ファッティが着地して相手を殴り倒すような、そんなデッキが使いたい。それでできればある程度強くあって欲しい。
あると思うか?
まぁそれが高望みなのはわかっているが、次のデッキに悩んだ俺はTierリストを上から眺める事にした。
困った時は強いデッキを握るに限る。どんな綺麗事を言おうがカードゲームは勝った時が一番楽しい。
ゼンディカーの夜明け発売前(超重要ポイント)、次のローテ後も活躍しそうなデッキのリストを眺める。
あー。どっかにないかなー。
土地とマナが沢山出て、色んな色のカードが使えて、相手の盤面をひっくり返す対応力があって、ファッティが着地して相手を殴り倒す、それである程度強いデッキがどこかに無いかn
あった。
「ティムールアドベンチャー」。「当事者カード」というエルドレインのギミックを中心としたティムールカラー(赤青緑)のデッキ。
このカードには「出来事/Adventure」というインスタント・ソーサリーの呪文とクリーチャー呪文の2モードがあり、「出来事」側を唱えるとそのカードは追放され、追放領域から別途クリーチャー側を唱える事が出来るお得なカードだ。
ティムールカラー(赤青緑)の当事者カードには、2点火力と中型クリーチャーを内蔵した「砕骨の巨人」、条件付きだが3マナで5/5が着地する「恋煩いの野獣」、デッキから基本土地を出すランパン呪文兼土地の枚数を参照して巨大化するファッティの「豆の木の巨人」、サイドボードからピンポイントに必要なカードを引き入れる「願いのフェイ」や小賢しさMAXなバウンスの「厚かましい借り手」等、非常に便利で汎用性の高いカードが揃っている。これに出来事呪文をコピーする「幸運のクローバー」や当事者クリーチャーが出る度1ドローの「エッジウォールの亭主」というサポートカードでアドバンテージを増大させていく。
これだわ。
このデッキにはやりたいことが詰まりまくっている。
火力や中型クリーチャーで盤面を押しながら土地を伸ばし、苦しい局面には潤沢なマナとウィッシュボードで対応。最後は「豆の木の巨人」で潰すなり出来事を唱えた後の当事者クリーチャーを横に並べて殴り勝つ。
「アーチ道の天使」のようなライフゲインこそないが(「影槍」等ない事はない)「こんなデッキが使えたらなぁ」と挙げた欲望の大半を満たしてくれる。
そして、強い。
ティムールアドベンチャーはローテ前の段階でTier上位帯につけており、ローテーション後も構築に影響をほぼ受けない為、新環境でも環境上位が有力視されていた。最強は約束出来なくてもかなり戦えるのは間違いない。
楽しくて、強い。
このデッキを組まない理由がどこにあるだろうか。
ともあれ、ゼンディカーの夜明けで新たにスタン入りする「パーティー」ギミックや「上陸」で凄まじい強さのデッキが産まれるかもしれないし、両面土地(小道サイクル)や裏面土地(表が普通の呪文で裏が土地のカード)でマナ基盤ががらっと変わる可能性もあった。新デッキはティムールアドベンチャーと9割5分決めていたが、とりあえずゼンディカー発売まで様子を見る事にした。
完全に余談だが裏面土地の呪文を「両面土地」っていうの滅茶苦茶不便じゃないだろうか?
そっちを両面土地って言ったら小道サイクルの事はなんて呼ぶんだ?
そもそも小道サイクルは現時点で6枚しかなく、残りの4枚は次のエキスパンションに収録される。どうやら次はハリーポッター的な魔法学校の世界観らしく、おそらくそちらの両面土地は「~の小道」という名前じゃないだろう。
つまり「小道サイクル」という名称は既に不適正になる事が確定している。
公開後追記
ここで俺が言っている「ハリーポッターみたいな次元」とは「ストリクスヘイヴン」という新次元の話なのだが、公開後に指摘があり次に発売されるセットは「ストリクスヘイヴン」ではなく「カルドハイム」だった。(ストリクスヘイヴンは次の次)
「カルドハイム」はプレインチェイスという特殊ルールで名前が出ており、雪と氷に覆われた次元なのだそうだ。つまりここなら「~の小道」というサイクルで実装されてもおかしくはない。
じゃあ「小道サイクル」と呼べばいい話なのでこの辺の俺の怒りは完全に無意味という事になる。バカかな?
しかも「小道」という呼称は令和のフェッチランドこと「寓話の小道」とド被りしており(英語では被っていない)「ボロス小道」「イゼット小道」という略称もなんか不格好に思える。
「ショックランド」的な○○ランドという名称が定着するまで「両面土地」と呼ばざるを得ない気がするので、裏面土地サイドにはどーにかして「両面土地」という呼称を譲って頂けないだろうか。
実際どうするといいんでしょうね。エキスパンションが別れて封入されるから、ゼンディカーの夜明け特有の土地ではないので「夜明けランド」「ライジングランド」「ZNRランド」みたいな命名は難しいだろうし。
「全裸(ゼンラ)ランド」ってどう?どうもこうもあるか。
リバーシブルランドとか?裏面土地もリバーシブルだわ。
私怨の余談が長過ぎる。
俺はオムナスを買わない
9/18、MTGAでは一足先にゼンディカーの発売とローテーションを迎える。
パーティーギミックは構築戦で猛威を振るう程のパワーは無く、上陸もそれ単体をアーキタイプに据える物はそれ程でもなさそうだ。ティムールアドベンチャーはショックランドを失ったが同時に小道サイクルを手に入れ、デッキパワーは変わらない。
これで安心してティムールアドベンチャーを組める。ただいきなり紙で組むのはリアルの出費が痛いので、ワイルドカードという形で比較的出費が抑えられるMTGAでデッキを作り、動きを手に馴染ませる事にした。
……いや、俺は意図的に一つのデッキを無視していた。
4Cオムナス。
赤青緑白という凄まじい色マナの新オムナスを中心に据えたデッキ。
予約段階ではそのえげつない色拘束から数百円での予約だったが、一部プレイヤー達による先行プレイ配信でその評価は一変する。
睡蓮のコブラとオムナスの組み合わせは異次元のブン回り。まだ紙のカードが発売される前だというのに価格は数倍に跳ね上がる。
MTGAでの正式リリース後もその勢いはますます増して行き、環境上位はオムナス一色に染まろうとしている。オムナスは4色なのにね。
このデッキ、もしかすると俺がしたい事全部出来るんじゃないかという疑念はよぎっていた。
潤沢なマナ、ライフゲイン、尽きない手札リソース、圧倒的制圧力。僅か数日で証明されたデッキパワー。
奇しくも、俺が使っていたターボゲートと同じカラー。
だが、俺はオムナスデッキを組もうとは思わなかった。
理由は簡単だ。誰だってそう言うだろう。
カードが高っけ~からだ。
もう一度言おう。
ウーロと、オムナスが、高っけ~~~~~~~~~~~~からだ。
オムナスは一瞬で高騰した。
一枚4000円弱はする。
……今見たら4500円になってた。
(https://www.hareruyamtg.com/ja/products/detail/89435?lang=JP)
そしてウーロが相変わらず馬鹿高い。
一枚7~8千円する。メルカリで売られてる安いデッキが3~4個買えてしまう。勘弁してくれ。
しかもどっちもピン刺しとかではなく4積み前提のカードだ。
俺MTGやる前は「スタンは比較的安く遊べる」って聞いてたんですけど?
勿論、MTGAでやる分にはクソバカに高いウーロだろうと買取2円の神話だろうと、等しく神話ワイルドカードで手に入る。神話WCは余る位なので無理なく組む事は出来る。
だが紙だとそうはいかない。紙でMTGをする機会はあまりないので極端に大金をかけたくないし、プレイ回数が少ないので紙での経験値は全然貯まらない。
故にアリーナでのプレイ経験を紙と共有する事で、デッキ回しのスキルアップを効率化したい。
故に、リアルで組めない4Cオムナスはアリーナでも組むつもりはなかった。
ここまでウーロ禁止前
……ここまで書いてたのが28日の夜。
書き出しの「嫌な予感」の原因はこの日にある。
ウィザーズは28日、環境に対する何らかのテコ入れをすると事前に宣言していた。
「禁止改定」とは明言していなかったにしても、誰しもがほぼ禁止改定だろうと予測していたし、俺もそう思っていた。
禁止を受けるとして、何がその標的となるか。Twitter上はある種のトトカルチョとなっていた。
最有力候補は「ウーロ」だ。こいつは長らく禁止スレスレの強さとして猛威を振るい続けた。あくまで「スレスレ」だった。M21時点では。
こいつは上陸と相性が良すぎた。勿論、コブラとオムナスとも。
元々3マナで3点ライフゲイン、土地の追加セット、1ドロー。これに更に4点回復したり4~5マナ生えてきたりするのではたまった物ではない。
僅か数日でオーバーパワーであることが知れ渡ったコブラオムナスと噛み合いすぎているウーロは、間もなく粛清対象になると誰しもが予想した。
……いや、誰がどう見ても根本的な原因はコブラとオムナスにあるのは明白なのだが、流石に金曜日に発売して月曜日に禁止は無いだろうというのが大方の予想だ。もし禁止されればオーコの禁止記録が云々どころか記憶の壺をぶっちぎりで抜いて最短記録更新。(コブラは再録なのでどういう判定になるかわからないけど)というかセットブースターとコレクターブースターは延期のせいでまだ発売していないので、「初版が手元に届く前に禁止になってる」なんて事が起きる。発売前に禁止されるカードがどこにあるだろうか。
精神の願望?ルーツリー?知らない子ですね……(この二枚は特定フォーマットでの0日禁止でありスタンでは禁止されてない)
そんな感じで禁止改定ダービーは本命「ウーロ」、対抗馬として「コブラ」と「オムナス」、大穴としてその他のカードやルールの抜本改革(制限カードの実装)という下馬評だった。
28日23:30。HPの更新。(https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034409/)
シャッ!!禁止はウーロ!!!
……この「シャッ」は辛酸を舐めさせられたTier1デッキが弱体化した故の邪な喜びではない。俺のランク帯だとそこまでオムナスは多くない。
この喜びは自分が組もうとしていたデッキに影響が出なかった事の安堵だ。というのも、つい先日、俺が初めて紙で組んだデッキが購入から2週間程で禁止カードを出してしまい、割と手痛い弱体化を経験するという苦い体験があったからだ。(当記事最初のnote参照)
今回、禁止改定の「穴」として「僻境への脱出」や「幸運のクローバー」を挙げる者もいた。
クローバーはともかく、僻地への脱出は4Cオムナスとの噛合いもよく、このデッキを咎める為の選択肢の1つではある。
この2枚はティムールアドベンチャーを組む為に既に買い揃えており、「2週間どころかデッキ完成前に禁止」という憂き目も有り得た。
幸い、ウーロと比べてこれらは大した額のカードでもない為金銭的な損失はほぼないが、楽しみに用意していた物を目の前で取り上げられる悲しみがなくなる訳ではない。この歳になって遠足が雨で中止になった小学生の気持ちにはなりたくない。
よし、これで満を持してティムールアドベンチャーのパーツを買い進める事が出来る。
大いなる力には大いなる責任が伴う
……とはいかない。
俺の脳裏と財布には、「禁止改定」という恐怖が血糊のようにべっとりとこびり付いていた。
ウーロが禁止された事でオムナスデッキは若干の弱体化を受けるだろう。
だがそれは便利な潤滑油の一部を失ったに過ぎず、コブラとオムナスというメインエンジンの性能自体は損なわれていない。
近い内、再びオムナスデッキに対する粛清が行われる気がする。
オムナスやコブラが禁止に出来ないとしたら、次の対象は「僻境の脱出」にだってなり得る。これを失うのはアドベンチャーにも痛手だ。
そして仮に、オムナスがオーコに並ぶ程異例の速度で禁止になったとしたら。
次に槍玉に挙がるのは他ならぬアドベンチャーデッキだ。
俺はこの記事で臆面もなく被害者ヅラしているが、アドベンチャーは環境第2~3番手のパワーを持っている。
オムナスという環境トップがいなくなった時、アドベンチャーが頭一つ飛び抜けてしまう事は誰だって想定出来る。
「テフェリー」が禁止されると同時に「荒野の再生」も禁止されたように、
ライバルがいなくなった事で台頭が予想されるアドベンチャーを咎める禁止改定が行われる可能性は無視出来ない。
更に都合の悪い事に、オムナスデッキには元よりウーロを採用せずにアドベンチャーと組み合わせた「オムベンチャー」なる型も登場している。オムナス弱体化の次なる生贄として、アドベンチャーデッキの核をブチ抜かれる事だって覚悟しなくてはならない。
ここまでの話は全て仮定だ。ウーロの禁止で環境の偏りは許容範囲内に健全化するかもしれないし(これが際限なく楽観的な予想なのはわかっているが)、純粋なアドベンチャーが粛清対象になるのは次の次のステップだと思う。
今回の禁止改定で血を流したのはウーロの使用者で俺ではない。
だが間近で浴びせられた血の飛沫は、洗っても洗っても流れ落ちない。
「次は俺だ」という強迫観念が、カードの入手を躊躇わせる。
もし、例えば「幸運のクローバー」が禁止されたとして、「直接的」な金銭の損失は数百円に過ぎない。
だが実際には「アドベンチャー」というコンセプト自体に致命的な弱体化を受ける。ターボゲートが「成長のらせん」を失うどころの話ではない。「ギルド会談」が失われてデッキそのものの根幹が揺らぐ程の打撃を受ける。
失うのはクローバー4枚だけではない。デッキに十数枚の当事者カードとそのサポートがまとめて価値を落とす。
確かに「落とす」で済む。「なくなる」ではない。当事者カードはどれも汎用性に富んでいるから。だがアドベンチャーデッキを組むのは苦しくなる。全盛期を知るだけにその落差はより顕著になる。
「ある日突然価値を落とすかもしれない」「デッキが組めなくなるかもしれない」という疑念がチラつくと、高額なカードには手が出せなくなる。
「厚かましい借り手」は広く使われる汎用バウンス当事者カードだが、その汎用性故に4000円弱はする。今の所ひーこら言いながら一枚だけ買った。
本当は複数枚欲しいのだが、ずっと二の足を踏んでいる。
いや、アドベンチャーに規制が入った所で厚かましい借り手の価値はほぼ落ちない。デッキを選ばない汎用性故の高騰だから、値段は高留まりするだろう。
だとしても、俺が借り手を買う理由はティムールアドベンチャーで遊ぶ為だから、「使いたいデッキで遊べなくなるかも」と怯えながら4000円を払うのは相当な覚悟がいる。
……どうして、金銭的に無視できないリスクを背負ってまで紙で遊ぶ必要があるのか、という疑問だって抱いてしまう。
俺は庇護すべき被害者ではない
紙のMTG……というか、紙のTCGを遊び始めたのは今年の7月。
カードゲームはデジタルでしか遊んで来なかった人間にとって、遊戯王やその他TCGの禁止改定というのは事件性があった時(最速記録が更新だとか、主人公の相棒が禁止だとか)に風の便りで知る程度で、禁止改定に対する認識もそのカードを買っていた人間が損をする「程度」の事だと思っていた。
紙のMTGを始めて、「当事者」になって初めて知った。
補填なんて存在しないTCGでの禁止改定は「可能性がチラつく」だけで想像だにしない恐怖を味わう。
砲撃飛び交う戦場で、何発も至近弾が掠め、物陰で縮こまっている兵士の気分だ。
たった今目の前でウーロを手にした誰かが吹き飛んだ。Tier1という最前線では誰が死んでもおかしくない。勿論、次は俺かもしれない。
そして俺はこの戦争の可哀想な被害者ではない。
いくら新兵を自称したとしても、へたり込みながら腕の中に抱えているティムールアドベンチャーは名作と名高いライフル銃だ。最新鋭のオムナス銃と殆どのパーツを共有出来る。
俺がいかに怯えていようが傍から見れば下位Tierの虐殺者。
「暴力で全てを解決しようとするな」「お前は弱者を虐げている」と詰られ、もしこの銃が暴発して持ち主が吹き飛んだとしても、「悪は滅びた」と皆が歓喜するのだろう。禁止を喰らって辛いのは、禁止になる程恨まれるカードの使い手だからだ。
天が落ちる訳がないと笑えるだろうか
禁止改定に怯えずに済む方法は勿論ある。
単に規制とは程遠いデッキで組めばいい。
ゲームを遊ぶという体験自体に楽しさを見出すプレイヤーである「ティミー」や、びっくりどっきりギミックで自己表現する「ジョニー」的楽しみ方がそれに当たる。競技志向で勝利を第一目標とする「スパイク」と違う道を歩めばいい。
MTGへの知識が薄い俺がジョニーとして成功体験を得るのは無理があるが、紙で遊び始めた理由は勝敗を超えた「体験」を楽しむティミー的側面が強い。
実際、ターボゲートは規制なんて縁遠い強さではあったが、このデッキを通しての交流にデッキの強弱は殆ど関係なかった。
……結局「成長のらせん」は禁止されたが。
しかし、これは「楽しければデッキの強さは関係ない」という因果関係であり、「楽しく遊ぶために弱めのデッキを作ろう」では根本原理が逆転している。「いつか禁止されるかもしれない」と勝手に怯え、目の前の楽しさから手を離すのはまさに杞人の憂えだ。
もっとも、読者の貴方は俺の杞憂を「天が落ちてくる訳ないでしょうが」と一笑に付す事は出来るだろうか。
結局言いたい事
ここまで8000文字かけて「禁止されるかもしれないデッキにお金かけたくないよー!」という駄々っ子を書き連ねてしまった。ごめんて。
こんな1新規プレイヤーに言われるまでもなく、全プレイヤー、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの社員に至るまで、「スタンダードで禁止は出るべきではない」という想いは共通している筈だ。
だから、この記事は「問題提起」などではなく「命乞い」とか「懇願」の吐露だ。社会を斬りたいみたいな大上段の文言ではない。
なので、この記事の〆も俺の個人的な「願い」で結びとする。
いつか、なんの躊躇いもなくカードを買える環境が来ますように。
サポートして頂いた分は俺が肥える為の糧とさせていただきます。 引退馬関連の記事にサポート頂いた分は引退馬支援に何らかの形で還元いたします。