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5/6 マーサファームに行ってきました

オモコロの記事でハルウララに会いに行って以来、毎年マーサファームにお邪魔している。

↑この記事。

この記事の際はウマ娘効果で予約が取りづらくなるギリッギリ直前だったのでなんとかなったが、今現在は予約が可能になった直後に予約が埋まってしまうほど見学希望が殺到しており、ちょっと気軽に会いに行くか、というのは難しくなっている。他のウマ娘モチーフの存命馬は北海道在住が大半なので、関東圏から会いに行ける分需要が殺到しているのも要因だと思う。

ではなぜ俺が毎年見学に行けているかというと、俺は二回目以降の見学は特定の会員向けの開放日にお邪魔しているから。

記事の取材でお邪魔した後、俺はマーサファームに暮らしている「ハヤテ」の余生を、毎月の寄付で支える「ハヤテの会」に入会していた。
マーサファームは育成や繁殖を行う牧場ではなくて、お仕事を引退したサラブレッドを繋養するための牧場なので(そもそもサラブレッドではない馬も多い)こうした寄付で馬を養っている会員だけが見学できる日が時たま設けられている。毎年ゴールデンウィークのあたりには必ず用意されているので、お邪魔する際は決まってこの時期を選んでいる。(制度上年一回しか行けないとかではない)

今年は「ハヤテの会」の会員として、最後の会員開放日にお伺いした。

俺が支援していたハヤテは、2024年4月1日に亡くなった。馬の年齢の数え方だと29歳。
ハヤテの会はあらかじめ定められた規約によって解散となる。支援される馬がもういないのだから当然だ。今回の会員開放日で見学できるのは、最後のお別れをするためのご厚意によるものだ。

平均寿命が25歳だとかのサラブレッドの世界だとハヤテは十分に長生きで、現役馬や若い種牡馬が突然亡くなったのとは違い早すぎる死、という訳でもない。
引退馬支援の理念が「彼らが安らかな余生を全うできるように」というものなのだから、ハヤテの会はその目的を十二分に達成し、代表には「お疲れ様でした」という言葉を贈るのが最も正しい行為だと思う。

画像は2023年の見学の時のもの

でも、俺の中では、マーサファームに向かうと彼が出迎えてくれるのが当たり前で、今年の会員開放日でも彼が興味津々に首を伸ばしてくるその光景を目の当たりにするつもりでずっと過ごしていた。

それでも馬との別れはある日突然来る事が多い。
ナイスネイチャのように覚悟が決まるまでの猶予がある事もあるが、タイキシャトルのようにある日ぽっくりと亡くなる馬もいる。ハヤテも、前日あたりからやや疝痛(腹痛)を訴えていたようだが、手術等が必要になるような大病の気配もなく翌朝死去していたという。死因は老衰とされ、苦しんで暴れた様子もなかったというから、大往生という他ない、穏やかな最期だったと信じたい。

でも、去年の会員開放日、いや日々のTwitterでの発信から、4/1の訃報が届くその瞬間まで、「もう会えない」なんて1mmたりともよぎることはなかった。

今まで最年長だったハヤテが亡くなり、今の最年長は「うーさん」「うーちゃん」こと28歳のハルウララになった。
今回の見学では彼女が引退馬協会の獣医さんに検診される様子を見る事ができ、加齢による腰の痛みが見られるものの、全体的にはむしろ年齢より若く見えるほど健康だという。マーサファームに越してきた頃には苛烈だった性格も、アミちゃんという年下の相棒のおかげかずいぶん穏やかになったという……まだワガママな気質自体は残っているが(検診後に放牧されずに帰宅するのを拒否して仁王立ちしていた)

それでも、改めて述べるが、サラブレッドの平均寿命は25歳ほどだ。
言うべきじゃないかもしれないが、覚悟はしなくちゃいけない。
「いつか」はいつ来てもおかしくない。

だから、今回からマーサファームの皆の写真や動画をできる限り残していく事にした。うーさんだけじゃなくて、皆。


最近入った若い女の子のマロンちゃんの分も。

マーサファームにかつていて、もう会えなくなったシャル君やアンちゃんは、馬齢的に高齢という訳ではなかった。
多分、近年の競馬ファンならドゥラメンテで味わったように、「どうしてこんなに早く逝ってしまったんだ」と嘆いても「そういうもの」として受け入れるしかない、ファンの視点からは急にぱったりと、ある日突然事後報告で来るもの、それが馬との別れ。

シャル君やアンちゃん、ハヤテの画像はオモコロの記事に掲載され、意図せずそれが最後に見た彼らの姿となったものもある。

そうなっては欲しくないけど、最後かもしれないから。
ハヤテが亡くなってからそれを強く意識するようになった。

動画や画像の一部はTwitterに掲載した。残すことが目的だったからnoteのマガジンではなく。

こんな重苦しい話の後に貼られてもどんな気持ちで見ていいかわからないかもしれないけど、引退馬の支援はほんのちょっとでも馬に興味を持ってくれる人が増えるだけでも前に進むから、
「ハルウララって今こんな感じなんだ」とか「馬ってかわいいかもなぁ」と気軽に見て欲しい。

【今日の裏メニュー】
マーサファームの見学に関してのアドバイスとか御宿の観光とか


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