6/23 酒を飲めなくて損したと思う事

俺は酒を飲めない。
大学生の頃何度か試した記憶があるが、ほろ酔いの缶を半分飲んだ位で眠くなってしまって以来、「ああ、俺酒飲めない体質なんだな」と思いほぼ飲んでいない。あるとすれば漬けた梅酒を３ヶ月で味見した時と、コーラをより楽しむ為に安いウイスキーを入れて風味を膨らませてみた時位。
どれも大さじ一杯に満たない量だが、それらを合わせても多分片手で足りる位しか飲んでいない。年間じゃなくて成人して10年以上経った生涯において。
だから「酩酊状態」も経験した事がなくて、酒が由来の粗相を犯した事もない。限りなく酒類に無縁な生活。

酒を飲まなくて「損してるな」と思う事が2つある。

1つ目が「飲み物の贅沢の幅がない」事。
例えば酒の代替品として「ぶどうジュース」を嗜むとする。
ちょっと贅沢したろうかな、でウェルチの300円とかのボトル。
かなりいい奴行ったろうかな、で、俺が買ったのは１瓶800円とかのスパークリングぶどうジュース（メタクソ美味かった）
それ以上のものに行こうとするとスーパーや酒屋に売ってない、なんか仰々しく瓶に詰めて箱に収まった、正装で行くパーティーか正座してないと味わっちゃいけないような奴らしかいなくなる。
なんというか「こんなの一般人が口にするもんじゃないよ」の上限にあっという間に到達する。
そして一回開けると数日中に飲みきらないといけなくなる。

酒に関してはジャンルにもよるけどジュースと大差ない値段のものから数千円、一万円、それ以上と、価格帯の範囲内にグラデーションがある。
日頃から晩酌として楽しむ程度のアルコールから、今日はちょっと奮発しちゃうぞ～って時のもの、自分へのご褒美に戸棚の奥から引っ張り出してちびちび楽しむようなとっておき、みたいな嗜みの幅がある。いいな。下戸が戸棚から引っ張り出すの羊羹位しかないのに。

あとなんかいい酒は豊かな経験を授けてくれるんでしょう？
スパイシーだったり土の香りがしたり樽の味がしたりするのが「いい」んでしょう？かっけーわ。大人だね。
果物のジュースだってバカみたいに高いのに行くとその領域に行くらしいけど、ジュースはジュースとしての美味さを求めてしまう。
「このぶどうジューストマトみたいな香りと旨味があって……」とか言われても困る。ぶどうとして美味くあってくれ。

もう一つ、「ダメになっていい日が勿体なく感じる」。

酒を飲んだらその日は酔っ払う。二日酔いとして翌日に引きずる羽目になる事もある。
明日仕事が控えている人はベロンベロンに酩酊する訳にはいかない。月曜日の飲みと金曜日の飲みで同じプレッシャーで飲める人はいない。と思いたい。

この金曜日、あるいは土曜日に飲むような「明日はどうなってもいい日」という状況は俺にもあるのに、酒を飲まない俺はどうもならない。なんか勿体ないと感じてしまう。

落ちても安全なように安全帯とゴムを装備しているのにバンジージャンプしないような、復活草持ってるのに一度も戦闘不能にならないような。

「あー明日休みでよかった～その分ハメを外そう」の外す「ハメ」が俺にはない。別に翌日の休みをグズグズにするのは俺も同じなのに。

また、俺は車を運転しない（免許は持ってるが取得から一度も運転してないので、凶器を堂々と持ち運べる一発限りの殺しのライセンスと化している）のに酒を飲まないから、「今日は車を運転しなくていいから飲めるぞ～」というお得感もなくて勿体ない。

いや違うな。勿体ないのは飲まないのに運転してない方か。俺が運転出来れば数多の酒飲みが救われるんだな。

こんな感じで酒を飲めなくて「勿体ないな」と思う瞬間がたまにある。

逆の「俺酒飲めなくてよかった～～～～」は無限にあるけどね。
まず飲食物への節制がすこぶる苦手だから多分際限なくガバガバ飲んでしまう。金銭的にも歯止めが効かなくなり量も破滅的になるだろう。
今以上に金欠で今以上にブクブク太ってそのうち野垂れ死ぬ。

あと酒飲んでないのに肝臓がメチャ悪いのでこれで酒飲んでたら肝臓が爆発して死んでた。

そんで酩酊したら性格変わるんでしょう？自制が効かなくなって言っちゃいけない事言ったりするんでしょう？その上人に迷惑かけて路上にゲロったり。自分が自分じゃなくなるのにそれも制御できない内なる自分の一つなんでしょ？怖すぎ。自分が自分じゃ制御出来なくなる余地があるの怖くないんですか？しかも明日時間通りに起きられなくなるかもしれない。シラフですら寝坊する可能性あるのに。社会的なタブーを《内にいる獣/Beast Within》がめちゃくちゃにしちゃうかもしれない可能性に俺耐えられねぇよ。

酒飲めなくてよかった～～～～

ちなみに俺には定期的に梅酒を漬ける趣味があります。

ほぼ飲んだことはありません。

これは今年の。

【今日の裏メニュー】
梅酒を漬けてる理由