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ランドマーク

私は茨城県の西部、栃木県と隣接している筑西市(ちくせいし)という所に住んでいます。平成の大合併で4市町が合併して誕生した市で、ハッキリいってど田舎です。市内の大部分は田畑で商業地は幹線道路沿いに集中、高い建物もなく電車は1時間に1本程度、自家用車がなければ生活自体が成り立たない典型的な地方の街と言っていいと思います。

霧に浮かぶ筑波山

そんな筑西市(以下地元)のランドマークが筑波山です。筑波山自体は八溝山地の南端、桜川市、石岡市、つくば市に位置しているので地元のランドマークと言えるのか微妙ですが、筑波山のビューポイントが多くあるため昔から地元のランドマークとして親しまれています。それこそナビがない時代には、道に迷っても筑波山を目指して走れば何とかなると言われたものです。

朝焼けと筑波山

筑波山は霊峰としても知られ、山の万物が御神体とされています。天気にまつわる伝承や諺も多くあり、一例をあげると、山頂付近の御幸ヶ原が雷雲に覆われると竜が暴れまわるように稲妻が走り、雷鳴が轟く様を竜に例え「竜の馬場(たつのばんば)」と呼ばれていたという伝承が残っています。他にも「朝富士に夕筑波(晴れ)」や「日光蓑に筑波笠(雨)」など、天気の諺にもよく出てきます。

竜の馬場(たつのばんば)

そして茨城県民の論争の種にもなる「おらが町の筑波山が一番だっぺ!」という、どうでもいい事象も存在しています。これはわが町から見える筑波山が最もきれいだ!という、茨城県民以外にはどうでもいいことですね。山は見る角度により形が違って見えます。普段見慣れている形が違って見えると違和感をおぼえるのは当然のこと、それが表面化したうえに話に尾鰭が付いて、おらが町の筑波山が…となるわけです。いわゆるお国自慢の縮小版と言えると思います。

筑波山と笠雲

季節や気象条件などにより様々な表情を見せる筑波山、日々無意識に視界に入ってくる空気のような存在でもあり、地元の象徴でもあります。そんな思い入れのある筑波山の姿を色々とご覧ください。

山頂に月が重なるパール筑波

最後になりますが筑波山の詳細を説明します。北緯36度13分31秒、東経140度6分24秒、八溝山地の南端にあり、標高877m、男体山(871m)と女体山(877)の2つの峰があり、筑波山全域が水郷筑波国定公園に指定されています。山頂へは登山道の他、筑波山神社横からケーブルカー、つつじヶ丘からロープウェイが運行されています。夕日が当たると山肌が紫にみえるため紫峰とも呼ばれています。

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