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Aマウントα愛を語る

ミノルタα7000から続く伝統に終りが見えてきました。ミノルタ、コニカミノルタ、ソニーに引き継がれてきたAマウントですが、ついにソニーαのHPからAマウントボディが削除されてしまいました。Aマウント最後の砦だったα99Ⅱが出たのが2016年秋、それ以降は新たな機種もなく、静かな幕引きになりました。オートフォーカスの歴史に名を刻んだα7000が登場したのは1985年ですから、36年も続いたマウントなんですね。ミラーレス化により、各社ともマウントの変更が行われており、フィルム時代から続くマウントは消えゆく運命なのかもしれません。私はα300に始まり、α77、α65、α57と、4台のAマウントボディを使用してきて、65と57は今も現役です。

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私がAマウントを初めて使ったのはソニーが引き継いだ後です。ライブビュー黎明期の時代に登場したα300です。見た目は普通のデジタル一眼レフですが、イメージセンサーを2つ搭載していて、スイッチを切り替えると可動式ミラーがライブビュー専用センサーに光路を切り替えるという、面白い構造のカメラでした。チルト式の液晶モニターと合わせて、ローアングル撮影が楽になったことを覚えています。ただし、まだまだ試作段階の時代、使い勝手はお世辞にも良いとは言えず、ライブビューでは視野率が90%に落ち、連写速度も著しく落ちるというものでした。動くものは光学ファインダーに分がありました。

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その後、またしても面白い構造のαが登場します。トランスルーセントミラーという透過式ミラーを採用したカメラです、一眼レフとミラーレスのいいとこ取りなカメラです。透過式のためミラーは固定式、ファインダーはEVFという、ミラーを持つライブビューカメラです。ミラーの上下動がないため、スローシャッター時のミラーショックは皆無、連写速度も秒間10コマを超えるものでした。このカメラの一番の利点として、ミラーレスカメラと同様の使用感でありながら、消費電力がミラーレスよりも少ない点でした。

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ミラーレスカメラの場合、消費電力が大きく、バッテリーの残量が残り僅かになると動きが不安定になり、突然電源が落ちることがあります。これまでミラーレスカメラは、パナソニック・ルミックス、オリンパス・OM、ソニー・Eマウントαを使用してきましたが、いずれもバッテリー残量が1/3を切ったあたりで予防措置としてバッテリーを交換する必要がありました。シャッターが切れても記録の段階で電源が落ちることを防ぐためです。雷撮影では雨風が強い中で撮影したり、雷が鳴っている時間も限られているため、できるだけバッテリー交換の手間を省きたいのが本音です。トランスルーセントの場合には消費電力が少ない上に大容量のバッテリーを搭載しているため、最後の1%まで落ちない信頼できるタフなカメラです。

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ただし良いことばかりではありません。デジタルの世界は後発に分があるのが世の常、戦国時代の下剋上のような世界です。特に高感度のノイズ性能やAFの精度は、現行型のカメラには到底及びません。ですが、考え方ひとつなんです。私のように空の風景を中心に撮影する場合、昼間はAFを使いますが、薄明の時間や夜間撮影ではほとんどの場合でMFです。薄暗い中では、よほど輪郭がハッキリした雲でない限り、現行型のカメラでも正確なピントが出ないことが多いです。高感度もISO400くらいまでしか使いませんので、特に問題は生じません。要は目的に合っているか否かですね。

現在、α65と後発のα57を現役で使用していますが、A2にプリントしても破綻することなく、解像度も問題ありません。残念ながらAマウントの未来は閉ざされてしまいましたが、現状Aマウントレンズはソニーストアでも販売されていていますし、中古市場でも活発に動いていますのでもう少しは延命できそうです。

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