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どんど焼き

毎年松の内(関東では1/7日)が過ぎるとソワソワしてきます。コロナ禍の3年間は消えていた小正月の行事「どんど焼き」ですが、今年は開催されそうな場所を数ヶ所確認しました。イベント化された大規模なものと違い、昔ながらの地域の開催では広く告知も行わず、知っている人だけが参加するものなので、心当たりを直接回って自身で確認する必要があります。

近隣の子供たちが竹竿の先に餅を刺して火に集う

小正月の行事は地域により呼び名が変わりますが、私の住む地域ではどんど焼きと呼ばれ、小正月(1/15日前後)に正月飾りなどを焼き、お正月に迎えた歳神様を炎とともに見送るという行事で、平安時代に行われていた宮中行事「左義長」から全国に広まったと言われます。どんどの火で焼いた餅を食べると一年間健康でいられるという、無病息災を願う一面もあります。

火が弱くなると竹竿で隙間を開けて空気を送る

私が子供の頃は市内のあちこちで行われていましたが、近年環境や意識の変化もあって、私が知る限り昔ながらの開催は市内でも数ヶ所を残すのみとなりました。逆にイベント色を強めた大規模なものが行われるようになりましたが、昭和生まれの感覚だと少し違和感があります。

地域の行事に飛び入りで参加するのは勇気がいりますが、何度も通っているうちに「今年も来たね」なんて声を掛けてもらえます。不安がある方は道の駅などで開催されているどんど焼きに参加してみるといいでしょう。こちらは通りがかりに気軽に参加できるものです。

夕日を浴びた煙がオレンジ色に染まる

写真はコロナ禍前に数年掛けて撮りためたものです。日没前後の開催が多いため撮影には三脚を用いたくなりますが、多くの人が集まる場所での三脚は邪魔になるため手持ち撮影が基本です。今どきのカメラならば高感度でもノイズは少なく、きれいに写りますので、あえて三脚を使う必要はないでしょう。また、火の粉や煤も多く飛んできますので、ナイロンやポリエステル素材の服を着ていると穴が空いたりすることも考えられます。ご注意を。

火の粉が舞う中で餅を焼く親子連れ

科学の発達した現代だからこそ、昔ながらの行事に参加する意味があると思うのは私だけでしょうか。近年、環境問題(正月飾りの素材・分別)や家庭ごみを持ち込むなどの理由で中止されるケースもあるようですが、この先もずっと残したいものです。炎の輻射熱を肌で感じ、竹のバチバチと弾ける音を聞くと不思議と心が休まります。

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