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3話【そのプライド、正解ですか?】

前回の予告で書きました
フランチャイズで起きやすい問題
の、お話です

就職し店長研修に行くまでの3ヶ月間
いちスタッフとして自店で働きました
この店には店長はおらず【解雇されたと後々、知ります】
社員もいないので
アルバイトスタッフのみで運営されていました

フリーで入れるリーダーが1人いて
その方がシフトを作っており
元店長在籍時からシフトを任されていたので
社員がいなくてもシフトは作成されるので
営業は止まりませんでした

アルバイトスタッフのみで日々
問題なく店が運営されている
それはある意味
元店長が優秀であったということでもあります

問題なくというのは
朝、開店時刻に店をオープンさせ
営業中はクレームをもらったりすることもなく
多少イレギュラーな事が起きてもスタッフで解決でき
休憩などの指示も出せて
食材や消耗品の発注も行い
レジ締め作業まで任せている中で
店を閉めて無事に営業を終えるということです

そこまで出来ていて初めて店長は公休を取れます


フランチャイズで起きやすいこと
原因①
オーナーが店に介入せず店長に任せている


店長が結果を出しているか、出していないか
会社が店長に求めていることを行っているかは
上司が判断します
結果に対する過程を大事にする上司もいれば
売上しか見ない上司
スタッフの働きぶりや、店の雰囲気で状況を判断する上司や
スタッフとの会話から店に状況を把握する上司もいます

私の会社では上司はオーナー、ということになります

オーナーは利益を重視する方で
利益が出ていれば、まず何も言ってきませんでした
利益が出ているイコール
店は問題なく運営されているという考えでしょう
悪い意味で言えば、そこしか見ていません
オーナーは、多数の事業を経営しているため
ほぼ来店はしませんし
毎日、日報などを書いたり、報告したりもしなくてよく
たまにオーナー夫人が店に来てSVのようなチェックをしますが
店に入らないオーナーは、勝手がわからない故に
【入っても何も出来ないので】
どうしても店長に任せてしまいます
【オーナーは研修を受けていません】

そうすると働いているスタッフは
店長が説明しない限り
オーナーが存在する、ということも知らず
店長に面接されてるので
私達は店長に雇われていて
店長がオーナーなんだと
この店は、店長の店なんだと思い込みます

オーナーと認識された店長は最強です
オーナーなんですから、何をしてても良いし
オーナーなんだから解雇されることもない
だから愚痴なんて誰も言わないし
だって言ってもオーナーなんだから、どうにもならない
オーナーがルールでしょ?って

そんな環境の中、元店長は一旦は出勤しますが
【出勤打刻のため】
閉店までは店に現れないということが常態化
【退勤打刻のため】

スタッフ達は店長がオーナーなのだから
私達に店を任せているのだな、という認識でいます

何なら、一部のスタッフでは
シフトを作っているリーダーが店長
みたいな勘違いすら起きていました

こういうことが
フランチャイズで起きやすいというのは

店長の交代が無いからです


当時、私の会社では同じフランチャイズの店はなく
1店舗のみの経営でした
1人の店長による長期政権だったわけです

同じフランチャイズを多店舗化している法人なら
店長の異動があると聞きます
それでも自宅からの通勤を考慮してくれると思うので
異動は少ないと思います

直営店で起きにくいのは
直営店では平気で異動があるからです
会社がレオパレスを借りて地方へ異動させられたりもします
そのため
直営店の店では、店長が変わりまくるので
スタッフが店長に懐く、みたいなこともなく
スタッフの話題として、今回の店長はあーだこーだ
前回の店長はあーだこーだという話になったり
店長によって、仕事の力の入れどころがコロコロ変わるので
店長に指示されて働いているという事を肌で感じ
自分達は雇われているという認識を持ちますが

フランチャイズで、店長がシフトインしないと
雇われてはいるが
私たちが店を回しているという錯覚を起こします
店を回してあげてるんだぞ、という

1人の店長が長期政権を行うと
それは個人商店であり、独裁政権なのです
独裁政権は
良い結果にも、悪い結果にもなります

直営店では、意図して店長を交代させています
たくさんの意味がありますが
この記事のようにならないため、というのもあると思います

独裁政権の店長のルールは1つ
1つしかないルールが長期にわたり支配し
そこで育てられたスタッフは
それが正しい
この働き方こそ正義くらいの感覚になり

ほぼ学生達が占めていた店の中で
社会経験もなく、初めてのアルバイト
仕事に関しての脳は白紙の状態なので
仕事が出来る者こそ偉いと教育されたら
仕事が出来ることを褒められると
スタッフは喜びを覚え
指示をだすことを任されたなら
私は仕事ができる、みんなより凄いんだと
軽い洗脳状態になり、プライドの塊になります
【今回の話のプライドとは、悪い意味です】

店長が
カラスは白い!!!!!と言えば
スタッフも
カラスは白い!!!!!と右にならう

そういったスタッフを
作り上げてしまう環境だったと思います

スタッフは15名ほどいたのですが
そんなプライドを持ったスタッフは
4、5名いたと記憶します

プライドを持ったスタッフは確かに
笑顔で接客をしているし、作業も早い
テキパキ動くし、周りに指示も出せる

プライドを持って仕事してくれてるなら
いいスタッフじゃないかと思われてますか?

目の前のお客様に対しては素晴らしく見えるスタッフ達でした
そしてその素晴らしく見えるスタッフ達が
シフトを多く埋めていて
その他のスタッフはオペレーション能力が極端に低く
出来るスタッフと出来ないスタッフの差が大きく開いており
何より、出来ない側のスタッフに笑顔が無く
まったく楽しそうではないのです
質問するようなこともなく
ミスすると注意だけされている感じでした

その素晴らしく見えるスタッフ達は全員、大学4回生でした

私には
元店長が楽をする為に
じっくり育てられた機械のように見えました

元店長にじっくりと育てられたスタッフ達は
教わった事は自分たちの能力だと思っています
覚える能力だと

しかし、本当に育てたい能力は
教える能力なんです

なのでスタッフ達は完全に2つのチームになっていました

仕事の出来るグループと
仕事の出来ないグループに

出来ない方のスタッフは
出来る人たちがやってくれる

出来る方のスタッフは
出来ない人たちが何もしてくれないと言います


そして私は
素晴らしく見える
プライドを持ったスタッフ達に
オペレーションを教わっていくのですが

この頃の出来事から
店長になろうと思う気持ちが強くなりました
あえて強い言葉を使うなら、その感情とは
復讐です

今、考えると、元店長が辞めた後も
その4,5人とは連絡を取り合っていて
店の状況なども聞けていたのかもしれませんし
このあと受ける仕打ちも、元店長の指示だったのかもです・・・

次回に続きます。


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