初めてのNote投稿:はじめの一歩 vol4

初投稿です。今日は小説を載せます。


チョコとバナナの中で一番好きなのはチョコバナナ味だと気付いた。チョコバナナでもないのだ。


では、小説をお楽しみください。




真夏の暑さに打ちのめされていた俺は、ついに重大な決意をした。 「よし、氷になろう。」


そう心に決めたその日から、俺は冷凍庫で眠ることにしたのだ。 会社では、業務用冷蔵庫のドアにもたれかかり、昼休みを過ごす。 スーパーでは、冷凍食品売り場に頭から突っ込んで、涼を取る。


「あいつ、どうかしちゃったんじゃねえの?」 周りの奴らはこそこそ噂する。だが、俺は気にしない。 今の俺には、ただひたすら「冷たくなりたい」一心しかないのだ。


そんなある日、俺はとんでもないものを見つけた。 それは冷凍庫の奥に眠る、1本のアイスキャンディー。 「なんだこれは・・・見たことのない色だ。」


ドキドキしながらそのアイスを手に取る。 そこには思いがけない商品名が書かれていた。 「魂冷(こおり)やし棒」


一口含むと、全身にしびれるような冷気が走る。 これはまさに、俺が求め続けた究極の冷たさだ! 俺は我を忘れて、その氷菓を頬張り続けた。


気付くと、俺の体は透き通っていた。 そう、ついに俺は、氷そのものになったのだ! 「ようこそ!氷の世界へ!」


そこは輝くオーロラと、キラキラ光る雪の楽園だった。 夏の暑さなんて、もうどこかへ吹き飛んでしまった。 俺は自由だ。氷の妖精たちと踊り明かそう。


...


「ちょっと君、何やってるんだい?」 ふと我に返ると、そこは冷凍食品売り場だった。 手には何やら見慣れないアイスが握られている。 「あ、これ、おいくらですか...?」


そう、夢のような時間の始まりは、いつだってこんな些細なことから。 この夏の不思議な物語は、まだまだ続きそうだ。


次はどんなアイスに出会えるだろうか。 俺の氷蒐集の旅は、まだ始まったばかりなのだから。


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