詩【君の山手線は何周目?】

君の山手線は何周目?

車内の天を仰ぎ
朝8時台も後半の日差しを一身に受けながら
口を開けて寝ているそれなりに若い女

自室の布団より
寝心地が良いところがあるとしたら
ここだろう
そう言った心持ちの無意識で内回り

過ぎゆく東京にさよならを

君の山手線は何周目?

はたしてまともに働けているか否か
わからなくなるほどの無意識で
何かに抗っている男

目をつむり
首を振り
時折不思議な声で唸りを上げる

もう22時を回っているのだから
あと2周くらいが関の山

戻らない意識と
活発な無意識のうちに外回り

噛み締める
その悲哀を土産に
過ぎゆく東京にさよならを

俺の山手線は何周目?

1周目だよ
こんなことを考えているうちは

1周目だよ

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