詩【戦いの火蓋】

シーズンを決するであろう決戦
後半30分 スコアは1-1

ピッチ上では両チーム一進一退の攻防
膠着状態の試合は緊張感に包まれる

タッチライン際には
流れを変えるべく投入されようと
2人の選手がレフェリーと共に立っている
審判たちやベンチの動きは慌ただしい

スタンドのファンたちは
喉から手が出るほど欲しいタイトルを目の前にして
さらにボルテージは高まり怖いほどに勝ちを希求する

タッチライン際に控える投入選手2人は
これまでベンチに座っていた鬱憤を晴らそうと
冷静かつ意欲に満ちた表情だ

1人は最後の準備としてドリンクを飲む
もう1人は真っ直ぐに目の前を見据える

そんな風体で
パチンコ屋に入っていくおじいさん2人と
すれ違った

戦いの火蓋が切られた


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