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私の散歩道 神田~東京駅

時折ふといつもと違う道を歩いてみたくなる。

そんな時、頭に流れるテーマソングは「遠くへいきたい」である。現実逃避感極まりない。が、実際に歩くと面白い発見があったりするからこれはやめられない。

今回は神田から東京駅に向かう道。

【行く前に準備するもの】

ー神田の飲み屋街の誘惑に負けない勇気。ここで負けると散歩計画はおじゃんになる。

ー500m歩く体力

ー10分その場にとどまる忍耐力

さて神田駅南口からJR線路沿いに南下を始める。連なる飲み屋街の恐ろしく美味しそうな匂いの誘惑を5mごとにはねのけ、油断すると線路から引き離していく斜めの道をジグザグ進む。

飲み屋街を越えて静かな道にでると(誘惑が多いため普通より距離が長く感じる)、そこに現れるのが川。名前はまだない。嘘です、調べてないだけです。この川か運河かお堀を越えると東京駅までもう少し。

この川を渡る際に越える橋、これが今回のメインスポットである。

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ここの何がすごいのか。一見ただのだだっ広い橋だが、なんと、下に水(もうなんて呼んだらいいかわからない)、上と右手に首都高、左手にJRの線路が走っているのだ。賑やかに行き交う車やトラックたち。そして山手線やら京浜東北線やら中央線やらがひっきりなしに前からと後ろから走ってくるのだ。しかも線路が上下のカーブを描いて走っているから、その軌跡がとても美しく、「あ、前からオレンジ色のきたー!」と思ったら後ろから青の電車がやってきて交差していく。と思ったらまた違う色のが走ってくるのだ。もはや興奮しかない。

これは絶好の写真ポイントじゃないか!と思うのだが、目の前の景色が美しすぎて、あ、写真と思うときには電車はすでに通りすぎていてシーン。悲しい。それをしょうこりもなく何度も繰り返すから、絶妙ピンポイント写真はない。私は写真家にはなれそうにない。が、なる予定もないのでよしとする。

次から次へと景色が移り変わるのは注意興味散漫な私にとっては楽しさの連続である。そして忍耐力のなさから、2分ほどで橋をあとにする。もったいない限りである。それで今回、準備するものに10分間とどまる忍耐力を置いた。

橋をこえると高架下には古い飲み屋が連なっている。道の反対側のモダンな美しいビル街とは対照的である。でも私はこのサラリーマンのためのねっとりした古い、ネーミングが独特な飲み屋たちも好きだ。人間ってキレイだけだと拠り所を失っちゃうんじゃないかと思う。でも時代の流れには逆らえないから、ここもそのうち淘汰されていってしまうだろう。

さて、橋を越えたらもう我慢することはない。是非高架下の飲み屋街へどうぞおいでくださいませ。ってなんの宣伝だろう。

以上、本日の散歩道でした。

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