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【映画】どうして指定席をかたくなに守って、是が非でもE-17とかに座るのか?問題

今を生きるアナタからすれば、にわかに信じがたい話かも知れませんけれど、昭和の後半あたりまでは、

・映画館は途中入退場が当たり前
・映画館は完全自由席
・映画館は飲食ましてや喫煙も、し放題(放題、は言い過ぎかも。でも吸ってる人いました)
・映画館は二本立てが当たり前
・映画館への“タダ見”侵入経路があるのは当たり前
・映画館のロビーには「脱衣麻雀ゲーム」があるのが当たり前
・映画館の定番お菓子は、ピーパリかピックアップ(明治『ピックアップ』は優しい口どけで、口中に入れた途端溶け出すので、現在定番化したポップコーンよりも周囲への音の面での、優しさを示せるお菓子だと思います!)

だったのです。

メチャクチャですね、おおらかだったんでしょうか?我々は。
映画館側が、お客のマナーに対して寛容だったような気がします。
お客の方も「ま、そういうもんだよね〜」という感覚で来館していたんではないでしょうか?別に、昔の日本人はおおらかで良かった、みたいなわけが無いのだし。なんか、アメリカっぽいですね。アメリカの映画館。行ったこと無いけど。

ま、映画館側が、ことさらマナーを煽ってくるのは、最低限それぐらいは注意喚起しておかないと、荒れる、のだと思うので、仕方のない所です現在の映画館としては。

しかも、ほぼほぼの映画館は
「全席指定席」制 ですね。
ネット予約とか凄く便利だし、映画館側からしても客の動態を容易に把握出来るので、ウィンウィンですよね。ウィンブルドン。

ただ、スカスカで、思うさまどこにだって座り放題!
という集客状況の館内で、
「俺は、この席なんだから!!」
を押し通して、カップルシートよろしく隣に座り合わなくっても良い、と思うのです。時々、そういう四角四面の方がいらっしゃるので、その場合は自分が席を移動するのです。
マナーとかルール以前に、快適に映画観ようぜ!
という話です。

かつて、サッカー日本代表の監督をしたトルシエが、
「日本人は全く車が通らない田舎道の横断歩道でも律儀に信号を守る」
と、訝っていたように記憶しています。
日本人って、とか日本人論とか、よく分かりませんけれど、確かに合理的でない功利的でない態度だと思います。
そこに美点を見出すことも出来るでしょうが、自分がもっと楽に快適に生きること、そのことに意欲的に暮らしてもいいと思います。

なので、こないだ『運び屋』鑑賞時に、E-16の僕の隣に座ってきたE-17のオヤジさん。
まわり見てください!H-3も、J-21も、B-9も、というか、B列もD列もK列もO列もまるっきりガラッガラすよ。
なんで、無理して指定席券に印字された番号を守るんですか?
この2時間をより快適に過ごしましょうよ。そうよ。そうよそうよ!

そして何より、指定席制度の最大の弊害は、自分にしっくりくるスクリーンとの対峙の仕方。への、トライアルが奪われてしまうことにあると思います。

「いいと思って取ったけど意外と前過ぎて首イテーな」
「ななめ前のフットライトが目の端に入って来てしまって邪魔だから、この席辞めたい」
「前の人の立派すぎるアフロが、どんなに退けても視界から消えない」

といった不測の事態が起こった時に(もちろん館内がフルハウスおよびそれに準ずる混雑具合なら仕方なしですが)、自由に席を移動すればいいと思うのです。あそこの席も、アッチの席も、ふんだんに空いている。今日、劇場は空いている。どこに座って観れば一番自分が快適なのだろうか。ここかな。そこかな。ああ、ここだ!

という感じで行けばイイと思います。
それはマナーの問題ではなく、状況に応じて最適解を求める、正しい映画鑑賞態度だと思うのです。

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