ストア哲学の歴史と現在
たぶん、未来永劫全人類にとって役に立つストア哲学ですが、一度現在に至るまでの歴史と著名なストア哲学者についてまとめておこうと思います。
そもそもストア哲学とは
ストア哲学は、古代ギリシャで生まれた哲学体系で、個人の内面的な幸福と道徳的な生き方を重視した哲学です。
この哲学は、現代の自己啓発やリーダーシップ(有名なのは7つの習慣など)にも大きな影響を与えていて、特にエピクテトス、セネカ、マルクス・アウレリウスといった哲学者たちの教えが有名ですね。
本記事では、そんなストア哲学の歴史と主要な哲学者たちの教えを紹介します。
ストア哲学の起源
ストア哲学は紀元前3世紀にギリシャのアテナイでゼノンによって創始されました。
ゼノンは、キプロスのシタリウム出身で、船舶の難破をきっかけにアテナイに移り住みました。アテナイで彼は多くの哲学者たちから学び、最終的に自らの哲学体系を構築しました。
ゼノンの教えは「ストア」(柱廊)と呼ばれる場所で行われたことから「ストア哲学」と名付けられました。
ゼノンのストア哲学は、自然に従った生き方を重視し、理性を最高の徳と見なしました。
また、ストア哲学は禁欲的な生活を推奨し、外部の出来事に対する感情的な反応を抑え、内面的な平静を保つことを重要視したのが特徴です。
実はストイックという言葉の語源です。
まぁ、実際は人々の想像するストイックのイメージとはだいぶ違う哲学ですが。
ストア哲学の賢人たち
エピクテトス
エピクテトスは、奴隷として生まれたにもかかわらず、その後自由を得て哲学者となった人物です。
彼の教えは、自分でコントロールできることに集中し、コントロールできないことに思い悩まないという二分法が特に有名ですね。
コントロールできない境遇で奴隷となってしまった彼の境遇を考えると説得力が半端ないです。
エピクテトスの著作である語録は彼の講義を記録したものですが、少しとっつきにくい箇所もあるので要録の方が読みやすいです。
語録、要録については今後別記事でたくさん引用したいと思います。
セネカ
セネカは、ローマ帝国の政治家、劇作家であり、哲学者としても非常に高名ですね。
彼は倫理的な問題に焦点を当て、自己制御と理性の重要性を説いています。
セネカの著作で有名なのは『怒りについて』『人生の短さについて』などですが、名著の中の名著なのでこれもまた別記事で深く紹介します。
マルクス・アウレリウス
マルクス・アウレリウス・アントニヌスは、優れたローマ皇帝でありながら、ストア哲学者としても有名です。
というより彼自身皇帝なんかになるより本当は哲学者になりたかったようです。
ローマ五賢帝最後の皇帝ですね。
彼の著作『自省録』は、自己反省と哲学的思索を綴ったものであり、ストア哲学の実践を示す重要な文献です。
自省録は言うなれば彼の個人的な日記なので、まさか本人も数千数百年後も読まれているとは思ってもみなかったでしょうね。怖い。
マルクス・アウレリウスは、皇帝としての重責を立派に果たしつつ、ストア哲学の教えに従い、戦場においてさえも自己の内面的な平静を保ち続けたようです。凄い。
現代に受け継がれるストア哲学
ストア哲学の実践者は自分がストア哲学者だ、などと喧伝しないことがほとんどです。
私も当然ながらネット上以外で自分がストア哲学の実践者だなどと公言しません。
ストア哲学は行動の哲学なので言葉より日々の行動で示そう、という思想というのもありますが、そもそもリアルな場で哲学うんぬんを語り合うなんて余程のことがない限りあり得ませんからね。
とはいえ、ストア哲学そのものは古代から現代に至るまで、多くの思想、宗教、人々に影響を与えてきたという事実があります。
特に自己啓発書なんかはストア哲学の影響を受けまくった本からさらに影響を受けまくった本みたいなのばっかりです。
まぁそんな三次創作本を読むよりストア哲学そのものを学んだ方が有益ですが、日本では知名度が低すぎるので仕方ないといえば仕方ないですが。
もっと濃度の高いストア哲学を摂取しましょう。
現代でもストア哲学に関する著作は数多く出版されていますが、おいおい紹介していこうと思います。
まとめ
ストア哲学は、エピクテトス、セネカ、マルクス・アウレリウスといった偉大な哲学者たちによって発展し、現代にもその教えは生き続けています。
自己制御と理性を重視するストア哲学は、私たちの日常生活においても実に有用な指針となりえます。
ストア哲学を学ぶことで、困難な状況でも平静を保ち、自分自身の内面を強化することが可能です。
最初の方の記事なのでどうしても概要みたいな記事になってしまいましたが、今後はさらに深掘りしたいと思います。
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