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花と浪

まるで大きな存在が通り過ぎたかのように
花たちは一様に捻れた
皆 飲み込まれまいと必死だった
飲み込まれてしまった花すらも

大気の震えに気付いた少年は
振り返り見るだろう
美しく恐ろしいものを

何万 何十万 何百万枚もの光が
おびただしい命の欠片が攫われる様を
脈打つように舞い上がる様を

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