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nowhere

涙の産まれる場所に
白鷺は腰をおろす
手入れを怠った湿地帯は
見ず知らずの草が茂り

悲しみを掻き分けたって
泥濘を踏み越えたって
答えの出せない問いに
言葉は搦め捕られ

世界は君に
寄り添ってはくれない

それでも 誰かのせいにして
生きていきたくはないだろう
俯いて歩いた水辺にも
菖蒲の花は咲き

皆 羽ばたいていったよ
足跡を少しだけ残して
ランタンの灯りが揺れている
風が強くなりそうだ

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