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デザインの「情報量」と「優先度の重要性」

フラットとグラデーションの表現を比較して、思ったことがあるのでメモ。

グラデーションは光と影を演出する機能があると思う。

フラットなイラストでは、影を影として図形を作り、色をつける。
グラデーションは、影を影として図形を作らず、色の移り変わりで、明確な境界線を設けず、光と影をつけることができる。

光と影を感じる、ということは、奥行きや物の形状を映し出すことにつながる。
光と影があるから、立体的な形状を認知することができると思う。

情報量という軸

2Dグラフィックに情報量という軸があるとする

情報量の軸

フラットなグラフィックでは、現実のような光の当たり方を表現することは難しい。
グラデーションでも難しいが、立体感という情報を与えることができることから、フラットよりは現実に近い表現ができると思う。

だからグラデーションの方が、よりリアルなイメージを伝えやすいということになる。

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写真とイラストについても、同じことが言えそうだ。
写真はリアルそのままだから、見れば即イメージできる。
一方でイラストは、若干抽象化されていたり、描き手の主観が混ざり、イラストを見た人によって解釈が異なる可能性がある。
情報量という軸でいうと、写真は情報量が多く、イラストは情報量が少ないと考える。

しかし、以下のような方程式が情報量が成り立つとすれば、イラストで足りない情報を言葉で補うことができる、ということになる。

1枚の写真 = イラスト+言葉

たとえ写真が1番情報量が多いとしても、写真しか伝え方がないわけではないし、伝える上での最適解とも限らない。

デザインの目的は伝えること

画像としてイメージを作りにくいもの(概念や思想、時間など)は、グラフィックで伝えるのは難しい。
その時は文字を使う。

画像としてイメージを作りにくいものに「時間」を挙げた。
例えば、15時を画像で作るとしたらと考えてみた。
15時を指している時計をイメージした。

しかし、情報の受け手にとって、それは最善な伝え方だろうか?
ポスターやバナーを見ると、時間や日時は大抵文字で書かれている。
つまり文字の方が、時間を伝えるのに最適ということだ。

情報量が多い=良いではない

写真は情報量が多いという話をした。
しかし、情報量が多いということは、受け手にとっては情報の優先度がわかりにくい場合もある。

セミナーバナーで考えてみる。
主に伝えたいことは日時・セミナーの内容・登壇者だったりする。

これを写真で表現するとしたら?
登壇者が話していて、時計がセミナー開始を指している。
そんな画像がイメージできた。
果たしてこれでセミナーと伝わるだろうか、伝わるとしても日時・セミナーの内容・登壇者がパッとわかるだろうか。

こう考えていくと普段目にするセミナーバナーが、いかに受け手に優しいものになっているか実感できる。
情報が取捨選択され、その情報を伝えるのに最適な手段であるかが考えられている。

伝えたいことに優先度をつけよう

デザインを作成するにあたって、丁寧に優先度をつけることがいかに重要か、回り回ってやっと身に染みて理解できた気がする。

そして、伝えたいことをどうやって伝えるか。
写真か、文字か、イラストか、図形か。
検証する余地がこんなにあることに気づいた。

最近は、デザイナーはいかに検証するかが重要なんだと感じる。
手を動かしてやってみる。
しっくりくるベストな位置やレイアウト、パーツを考える。
その努力ができるかが問われているんだと思う。

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