文房具は魔法使いの杖だよね
お店の名前を見かけたときに、私の脳裏にはMAHO堂(おジャ魔女どれみ)という単語が浮かびました。
存在に気づいてはいたんです。
カフェのような外観だったから。
なんのお店だろうと思っていたら、ある日仕事から帰宅した旦那が「はんぶん堂って知ってる?」と。同じようなものを好む私たちです。彼も存在に気づいていたらしく、「文房具屋さんだったよ」とのこと。
普段メモを取るにもスマートフォンを使用するような人間ですから、文房具を買ったところで活用できるのかどうかは自信がないものの、文房具屋自体には多大な興味があるので寄ってみることにしました。
お店の中に足を踏み入れると、所狭しと並べられた文房具、雑貨、そしてハンドメイド作品。
お店の中もカフェみたいだなと思っていると、実際にカフェ経営も行っているようで、カウンターにドリンクメニューが掲げられていました。
ちょっとふつうの文房具屋さんにはおいていないような、変わった文房具がたくさんありました。バイエルのノート。鉛筆を模したシャーペンやボールペン。小さなお道具箱(小道具箱というそうです)。ランドルト環のマスキングテープ。アンティークのタイプライター。そして、ハンドメイドの革製品やピンバッチ。ポストカード。
何を買うか悩んだ挙句、パルプ紙のペンケース(たまごが入っている箱のような質感)と鉛筆軸のボールペンを購入しました。
道具を使うには本人の資質が重要になってきます。
何を買うか悩んでいるとき、私はこの文房具たちを使う資質が果たしてあるのだろうかと考えていました。
買ったはいいものの使わないんじゃ道具に失礼です。間違いなく使う自信があるものだけに絞りました。ペンケースはなくて不便だなと思っていたし、ボールペンは場所や用途で使い分けできるため何本あっても使えると思ったからです。
今は脚本のメモをとるのはスマートフォンだし、文章を執筆するにはタブレットPCとキーボードを使用しますが、やはり創作をする人間が昔から使うものと言えば紙とペンでしょう。それがなくてはどんな素敵な物語も生まれてこなかったのです。そう思うと、なんだか、ペンが魔法の杖のように思えてきたのでした。言わずもがな文豪は魔法使いです。私が今までどれだけの物語に救われてきたことか。
これがなくちゃ物語は生まれなかった。私の大好きな銀河鉄道の夜も、星の王子様も。生まれてこなかったかもしれないんです。
私は、この魔法の杖を使いこなせるような魔法使いになりたいなぁ。なれればいいなぁ、と思ったお話でした。
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