生まれて初めて自分のためにお花を買った

今まであんまりお花を買おうと思ったことはなかった。

それこそ母の日のプレゼントに、とか、誰かのためにお花を買うことはあったかもしれないけど、自分のために、自分の家で飾るために買おうと思ったことは今まで一度もなかったと思う。
そもそも自分の事で精いっぱいでお世話をするのに向いている性格じゃないし、片づけは苦手だし、いつも部屋は散らかっていて、花を買ってもどこに置けばいいのかわからない。お花さんサイドもこんな汚い家に連れてこられてろくにお世話もされなかったら悲しい気持ちになると思う。だからお花を何かの折にもらうことはあっても（もらう分にはきれいだし嬉しかった。だけど世話の仕方がわからなくてすぐ元気がなくなっていくお花を見るとやるせない気持ちになった）、自分で買うことはなかった。

けれど、世間はあの病気の話題で持ちきりで、毎日毎日暗いニュースばかりで、ついには自由に外出もできなくなってしまった。何か気を紛らわせるものが欲しかった。きれいなものは目に入るだけで癒されるし、気持ちを落ち着かせる効果があるから、きれいなものを買おうと思った。

何を血迷ったかお花の定期宅配サービスの存在を思い出して、「よし、お花を買おう」と思った。突然のひらめきだ。配偶者も植物が好きだし、特に反対はされないだろうと考えて即決した。

勢いで申し込んでみたものの、お花が届くとなると果たしてこの狭い家のどこに置こうか悩んだ。なるべく毎日目に入る場所がよかったので、ダイニングの棚の上にしようと思って、すぐに片づけを始めた。すごい。お花を買ったら人間は片づけを始める。発見だ。
それからは毎日、同じサービスを利用した人の口コミや写真を漁ってイメージトレーニングをした。毎日毎日悲しいニュースばかりの中、お花が届くのを待つという楽しみが追加された。これだけでも収穫だ。お花ってすごい。

定期宅配サービスの申し込みをしてから1週間後、ついにお花が届いた。
ポストに投函されたお花たちは、水の入った小さなボトルに1本ずつささった状態で届いた。梱包されていた箱のふたの裏に「お花は長旅で疲れています。こういうお世話をしてあげてください」といった趣旨の説明が載っていた。それを読んでからお花を見ると、確かにくたびれたというか、疲れがにじんでいるように見えたので愛着がわいた。お花も疲れるんだ。そりゃそうか生きてるし。長旅お疲れ様です、ここがあなたの新しいおうちですよ、などと脳内で励ましながら専用の花瓶に生けた。

初回で届いたお花。
予定通りダイニングの棚の上に飾ると、自室を出てトイレに行くタイミングなどでお花の前を通り過ぎるたび、良い香りがした。あぁ、私はいまお花と一緒に生活をしているんだと実感した。きれいなものが目に入れば癒されるかなと思って申し込んでみたが、香りにも癒されるので嬉しい誤算だ。きれいだしいい香りということは、クラスのマドンナのようなすてきな女の子と一緒に生活しているようなものだ（？）。お花、いいじゃん。

2回目に届いたお花。

よく考えずに申し込みしてしまったから、初回のお花のあとすぐに2回目のお花が届いてしまった。毎月1日と16日にお花が注文できるようになるシステムなのだが、初回申し込みを月末にしたから、2日後くらいに1日分の申し込みをすることになったのだ。
初回の申し込みをするときに、専用の花瓶を注文していたので、1回目のお花は迷うことなく専用の花瓶に生けたが、2回目のお花用の花瓶がなくて慌ててセリアに買いに行った。

さて場所を決めていなかったので、最初は1回目のお花と一緒にダイニングの棚の上に並べて配置していたが、なんだか同じ場所に2つの花瓶を置くのはもったいないような気がして、食卓として使っているテーブルの上に乗せたらなんだかしっくりきたので、今はそこが定位置になっている。在宅勤務の機会が増えて、在宅勤務時はこのテーブルの上にパソコンを置いて作業をしているのだが、仕事中もお花が目に入るとなんだか「がんばるぞ」という気持ちになれるので気に入っている。応援してくれているような気がする。

私と同じように悲しいニュースに疲れている方、もし興味があったらぜひお花を飾ってみてほしい。
きれいなものは正義だ。
きれいでいい香りだからお花は大正義だ。
つまりとてもおすすめ。

今回私が利用したお花の定期宅配サービスは以下。

FLOWER｜ロスレスブーケ販売中！かわいいが届くお花便

注文時に招待コード『BNBX』を入力すると、ブーケプラン（500円）が2回無料で試せるのでもしよかったら使ってください。