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人事が書類選考をするときの視点を言語化してみる

こんにちは。採用や個人のキャリア支援の領域で10年くらい仕事している者です。

直近は人事で採用の仕事をしていました。その会社は自分で言うのも変ですが、なかなか人気な会社でして、毎日それなりの応募数(推薦数)があり、1日に20人くらいずつ書類選考をしていたかと思います。

書類選考は、エージェントさんからの推薦文 / 履歴書 / 職務経歴書の3点セットを確認します。直接応募くださった方は推薦文がないので履歴書と職務経歴書の2点です。ちなみに、この後出てきますが、(エージェントからの推薦文+)履歴書+職務経歴書のセットを総称してレジュメと呼びます。

ここから、私が人事としてどんなポイントでレジュメを読んでいたか、を思い出していきます。

エージェントさんからの推薦文

最初にエージェントさんからの推薦文を確認します。アピールポイントが明確な転職者さんの推薦文はとっても具体的に書いてくださってます。一方で、そうでない転職者さんの推薦文には、一般的なことが書いてあります。

① アピールポイントが明確な転職者の場合

「5人チームのプロジェクトマネージャーとして、コストを昨年対比で半分にすることを実現させました。10万人分の顧客のデータを徹底的に分析し、問題を洗い出したことで課題を特定し、新しい提案方法に踏み切りました。コミット力が高く、貴社でも結果を出されることと思います。」

② そうでない転職者の場合

「お話しが明瞭で活発な方です。コミュニケーション能力が高く、責任感があることから積極的に仕事に取り組まれます。貴社でも持ち前の能力で早急にキャッチアップをし、活躍されることとお見受けしております。」

いかがでしょうか。

① の場合は、規模感や量がわかりやすいことと、どこに目をつけて結果に繋げたんだろう?がわかりやすくなっています。もっと言うと、「どこに目をつけたらコストが半分になったんだろう?」は気になります。気になるから会ってみたい、だから書類が通過します。

② の場合は、この人がどんな人か全く見えてきません。明るくて元気でおしゃべりな人です・・・って、エージェントさんからご推薦いただく方であれば(中途採用であれば)それは当たり前であって欲しいところです。

エージェントさんが、面談を通じて①のエピソードを引っ張り出してくれたらいいですが、それができない方もいるので、自分からアピールできるといいですよ。アピールポイントがないと、なかなか推薦文って書きにくいんですよね。(※私もエージェント経験者です)

履歴書

次に、履歴書です。その人がどんな変遷を踏んでここまで辿り着いたんだろうという道筋、経歴に想いを馳せます。下記はあくまで私個人のみている視点です。

・  大体、高校卒業から書いてあるので、地元を推測

 ・ 浪人や留年の確認

 ・メールアドレスから好きなものは何か?を予測(まれにrecuirt@で転職活動用のアドレスを作っている方がいらっしゃいます。そうなると整理や仕組み化などが得意なのかな?と思ったりします)

 ・写真から本人のイメージを想像

 ・在籍年数

 ・休職や離職期間の確認

 ・最後に、会社選びのセンス、です。

※ ちなみに、これらの視点はあくまで会社に合うかどうか、です。とある会社では新卒で大きい会社に入っている方がいいと言いますし、別の会社では新卒で中小企業に入っている方がいい、といいます。

職務経歴書

最後に職務経歴書です。見る観点は「この人は何が得意なのか?」です。

まず最初はサマリ(概要)を読みます。ここで大体合否が決まってくるんじゃないでしょうか。サマリ(概要)のポイントは、上記のエージェントさんからの推薦文の内容と近しいですので、そちらを参考に。

サマリを読んだ後、具体的な仕事内容を見にいきます。具体的には、下記でしょうか。

a. どんな結果を残してきたのか?

b. どういうプロセスでその結果に結び付けたのだろうか?

c. 結果が出ていないとしたら、なぜ出なかったんだろうか?

d. どこに努力できる人なんだろうか?

上記のa~dが読み取れるような内容を書いてくださった方であれば一回会ってみたいと思います。結果が出ていても出ていなくても、ちゃんと伝わるレジュメを書いてくださっているだけで会ってみたい。

a~dの内容が不足していると、会うかどうか非常に悩みます。たとえ、営業職で高い実績を出されていた方でも、 b .に該当する記載がないと、判断し難いなと思ってしまいます。

これは極解ですが、aだけが羅列してあると、「結果だけ出していればいいんでしょ?」とも受け取れます。これもいい悪いではなく、仕事のプロセスを評価するような会社であればあるほど、b.のプロセスを大事にして選考しますし、結果重視の会社であればあるほど、レジュメに書いてあるa. 結果を重視します。

結果だけが全てじゃない!

営業の実績として200%が続いていたりすると、「すごいな!」と思います。そんな毎月200%を達成するって、どんな努力をしたんだろう?と気になります。

が、一方で、「その会社の目標設定ってどうなってるんだろう?」「そこに疑問を持たないのか?」とリスク面も推察しますし、逆に、斜陽産業に該当する企業に在籍している方で、達成率が80% 90%が続いていた場合「この業界で80%まで達成率を持って行ったこと自体、すごいことなんじゃなかろうか?」なんて推察したりします。

いずれにしても、会社によります。その会社が大事にしていることや社風です。書類に通過すると言うことは、少なからずその会社と何かしら合う部分があるのかと思います。

レジュメはその人らしさが出る

本当に、レジュメはその人の人柄がでます。

冗長的だけど伝えたい想いがたくさんある人は、長文で書かれていたりするし、端的でわかりやすいけど言葉足らずと言われる人はシンプルに箇条書きで書かれていたりします。

そんな人柄を想像しながら書類選考をします。そして面接でその答え合わせをしていくのです。

ギャップが大きい人が少なからずいるので、「レジュメだけじゃわかんないな〜」とは思うのですが、全員を面接できるほど余裕もないので、結局レジュメから推測を重ねてジャッジをするわけです。

レジュメは、自分を表現するツールです。自分らしさが反映されるように書いてみましょう。自分らしさや自分の仕事を表現できないままに書類選考で見送りになるのはもったいないので、特に上記のa~dをもれなく書くことをお勧めします。

以上です。

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