見出し画像

Week4 | 制作はじめ

20200504(Mon.) - 0510(Sun.)

刺繍に目覚めて4週目。今週やったことを振り返り。

自分の作品づくりをスタート

先週ユザワヤで買ってきた材料で、いよいよ最初の作品に取りかかり。
図案がなにもない状態から自分でつくりたいものを描くのは、前回つくった習作とは全くちがう体験。

並行して刺繍史や現代刺繍、世界各地の刺繍について調べたりもしているから、そんな中で何をいまつくるべきか…と考えだすと、とてもハードルが高く感じられてきてしまったけれど。
そんなに頭でっかちにならず、シンプルに自分がつくりたいものをつくろう!と思い直し、好きな青色と、10代の頃にみて今も印象に残っている川の水面のゆらめきを刺すことにした。

水面をずっと眺めていると、波紋の動きが妙にデジタルに感じられることがある。その青色のゆらめきを切り取って、刺繍で表現してみたい。

- iPadで図案を描く

図案はiPadとApple Pencilでつくることにした。
調べたらAdobe Drawというアプリが良さそうだったので、さっそくダウンロード。
レイヤーに分けられるから、画像レイヤーと描画レイヤーを使い分けて、水面の画像のうえに、色の境界を線でなぞっていく。最後に画像レイヤーを非表示にしたら、きれいに輪郭線が取れました!

画像1

困ったのはここからで、この図案を布に写すのを一体どうするか。
あいにくトレーシングペーパーやチャコペーパーがなく、考えたあげくにiPadの照度をMAXにして、上に布を置いてチャコペンでそのまま写すという荒技をとりました…。
画面に触れると意図せず操作されてしまうので、アクセスガイドという機能で画面をロックして。

やっぱりここは、伝統的なトレーシングペーパー+チャコペーパーにするしかないのだろうか…。線をなぞる作業を2回もしないといけないのが億劫で、iPadから布に一発でコピーできるテクノロジーはないかしら。今後の課題。

- 色を決める

今回は、糸の購入→図案制作の順序だったので、手元にある10色の青を図案に当てていく作業になった。これはセンスのいる作業。

- 刺す

いざ、刺しはじめ。
刺してはじめて気づいたけれど、今回の布はストレッチがかかっていて、刺しにくい!まるでトランポリン。布選び一つ取っても学びがある。

そして、心持ちが前回とは全然ちがって、とにかく不安になってくる。
気に入る作品をつくりたい気持ちが先走って、この図案で良いのか、色はこれでよいのか、刺し方は、刺す向きは…など、ベストの決断ができているのか、分からない気持ち。

前回は、図案も完成写真もあったから、迷うことは何もなく、気に入ることが保証された中で時間を費やすことができた。

今回は、何の保証もないなかで、それなりに長い時間を費やす旅に出発するような気持ちだ。しかも、ルートは出発時点でほとんど決まっていて、大幅な変更はきかない。

これが、刺繍で作品をつくるということなんだな、とわかっただけでも、すでに大きな収穫。刺繍とは時間であり、過程なのだと。

画像2

今、ここまで進んだ。
ここまで来ると、愛着が生まれてきて、不安よりも楽しさが増してくる。

- ここまでの学びまとめ

・布はストレッチが効いていないものを選ぶ
・トレーシングペーパーとチャコペーパーはあったほうがいい
・サテンステッチは針を返すようにすると糸がねじれづらい(文章で説明するのは難しいけど、体得できた)
・6本取りで急カーブを描くのは避けたほうが綺麗(写真右下は失敗)

『世界のかわいい刺繍』(誠文堂新光社)が届いた

そのほか今週のトピックス。
本を3冊購入して、1冊が届いた。個人的には刺繍を「かわいい」とは思わない(どちらかというと狂気や執念を感じる)が、各地の刺繍が網羅されている手軽な書籍としてはこれがメジャーどころみたい。全ページカラーで、写真集のような目で楽しめる本。


展覧会情報・研究をまとめはじめた

まだ全然網羅できていないけれど、自分の勉強用に情報収集中。
国内では大阪に刺繍コレクションが集まっていることを知ったので、コロナが落ち着いたら大阪に行きたいな。

刺繍研究を漁っていたところ、大﨑 綾子さんという方の『近現代における日本刺繍の研究』という博士論文(2016年、筑波大)を発見!420ページにもわたるPDFを無料でダウンロードできて、筑波大すごい。超大作なので、時間をかけて読みたい。

NEXT WEEK

来週やりたいこと。
・作品をひきつづき刺す。
・大崎さんの論文を読む。
・刺繍をあつかうアーティストの情報を集める。
・写真の撮り方を研究する。
・玉結び、玉留めのやり方を見直す。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?