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怖かった出来事

7年間の児童養護施設での生活は
色々な事があり過ぎて全ては書き
きれないので鮮明に覚えている
出来事だけを書きます。


施設での暮らしは、戸惑うことばかりだったけど
母がいなくなり兄弟だけで暮らしていた環境より
もずっとずっとまともな生活ができた。

そしていつの間にか施設でのスケージュールも
当たり前のように自分の役割をこなし、
少しづつ集団生活に馴染んでいった。

窮屈に感じながらもそれなりに
楽しく過ごせていたと思う。

ただ当時私のいた児童養護施設では、
子ども同士や先生からの暴力はよく起きていた。

今でも忘れられない怖かった出来事…

ある夜の運動場での出来事。


毎日、就寝までの時間は全員運動場で、
男子女子のカーペットが敷かれそこで
過ごさなければいけなかった。

その日も夜の点呼が終わり各自それぞれ
好きな事をして過ごしていた。

中学生女子2人、かおちゃんとあきちゃんが
クスクス笑いながら別の男子のみつおくんの
話をしていた。

近くにいた私。

その時、その2人にこっちに来るように
手招きされた。

2人のそばにいくとかおちゃんにこう言われた。

「みつおくんのところに行ってセックス
って知ってる?って聞いてきて!」

私は「やだ」と言った。

「大丈夫だから、みつおくん優しいから
怒らないから聞いてきて!」

私は何度も何度も嫌がり断った。

まだ低学年だった私はセックスの意味も
ぼんやりとした理解しかなく、それより
ほとんど話したことのないみつおくんに
話しかけるのも怖かったし…。

かおちゃんとあきちゃんはみつおくんとは
歳も近く冗談半分でみつおくんに聞きたかった
事を私に言わせようとしていたのか…。

何度断っても2人に
「大丈夫だから聞いてきて!」
と言われて…

本当に嫌だったけど仕方がなく
私はみつおくんのところに…

みつおくんの近くにいくとみつおくんは
「どうしたの?」という顔で私を見た。

「セックスって知ってる?」


私の言葉でみつおくんの隣にいた
男子がクスッと笑った。

みつおくんも、ほんの少し笑ったような
気がしたけど違った。

数秒間沈黙が続いた。

そしてみつおくんが立ち上がり

突然、私の顔を握り拳で殴った。

一瞬何が起こったのかわからなかった。

本当に突然過ぎて…。

そしてみつおくんは私の襟首を掴んだまま
男子の部屋の方へと私を引きずって行った。

ただ恐怖しかなかった。

その時、誰かがその状況を止めに
来て当直の先生も来たと思う。

高校生のさなちゃんが私の事を抱きしめて
「こんなに震えちゃって怖かったね」と言った。

本当に怖かった。

次の日、学校から帰宅した時、
私は、先生に呼ばれて事情を聞かれた。

かおちゃんとあきちゃんは、
そんな事を私に言わせてないと言っていた。

その時、先生はどちらの言うことを
信用したのかはわからないけど、先生が
私に向けた言葉を今でも覚えている。

あんたは将来、男を取っ替え引っ替えする娼婦のような生き方をする


そう言われてもまだ低学年だった私は
先生の言った言葉の意味が理解できなかった。

そして長い時間反省として、運動場で
正座をさせられた。

今でも、あの時のみつおくんに殴られた恐怖や
先生の言葉…どうして私の気持ちを察してくれずあんな言葉を浴びせたんだろう?と思い出すと
悲しい気持ちが蘇ってくる。

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