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「既存ユーザ」、それはシステム刷新をする上で忘れてはならない要素の1つ

◆スマホのアプリを更新したら「あれ?」

 ある日、筆者がよく使うスマホアプリが更新されました。詳細をみると
 「お客様からのフィードバックを受け、○○と△△の機能を改善いたしました。また、一部UIについても改善しました」
 と書かれていました。そのアプリを開いてみたらトップ画面がからりと変わり、利用頻度が高かった機能がトップ画面から消えており、「既存ユーザのこと考えてないな~。改悪だな~」と独り言を呟いていました。
 しかし、これをキッカケに「システム刷新するときには既存ユーザのことをどれだけ重要視するのか?」ということを改めて考えさせられ、本記事の投稿に至った次第です。

◆システムってなに??

 私達の生活は、いまや『システム』無しには成り立たなくなっています。
しかし、この『システム』という言葉は広義であり、大辞林で調べてみたところ「個々の要素が有機的に組み合わされた、まとまりをもつ全体。体系。系。」との説明が書かれています。

 冒頭の「私達の生活は、いまや『システム』無しには成り立たない」という言葉も、「人間関係や組織、社会等の要素が有機的に絡み合って成り立っている」と言い換えることができると思いますが、弊社はSIerなので『コンピュータ・システム』というところにフォーカスを当てて話をしてみたいと思います。(人間関係や組織の話までしてしまうと哲学的になってしまいそうで、門外漢の私にはまとめられません(苦笑))

◆ここではSIerらしく「コンピュータ・システム」ついて語っていきます

 まず手元にあるスマートフォン、私がいま使っているノートパソコンはもちろん、テレビ、冷蔵庫、エアコンなどの家電や車もいまやマイクロコンピュータによって制御されているため、『コンピュータ・システム』と言っても過言ではないかと思います。(異論はある方もいるかと思いますが、ここではそれで話を進めさせていただきます)

マイクロコンピュータが我々の身の回りのものを制御しています

 その『コンピュータ・システム』というのは時間の経過とともに老朽化、陳腐化という言葉にさらされます。様々な技術発展が進み、ユーザーのニーズは一分一秒で変遷し、社会情勢が変化しても『システム』は画面等を通して投入された外部データを基に、プログラミングで定められた動きを、忠実に実行するだけなので、社会やユーザーのニーズを汲み取って、自ら成長をすることはありません。

 AI (Artificial Intelligence:人工知能)も、根源的にはプログラマーが組んだロジック通りに、投入された外的データを分析して新たな答えを導き出すというもので、某近未来映画にように自ら成長して、人間を支配するために進化したりはしません。

 しかし逆に言えばプログラム通りに、安定的に求められる動きをしてくれるものが『コンピュータ・システム』ということができるかと思います。そして『コンピュータ・システム』の老朽化、陳腐化を解消するために、新たな『コンピュータ・システム』を構築する(=刷新)というプロジェクトが世界中で常に行われています。

◆システムを刷新すると?

 この『システムを刷新』するという言葉、結果だけを考えると、

システム刷新を刷新すればこういうメリットが期待される

という、メリットだけが頭に浮かびがちです。

 しかし別の観点からしてみると、上記メリットはデメリットにもなり得ます。

メリットも、裏を返せばこんなデメリットになり得る

 身近な話でいうと、Excelなどよく使うアプリケーションがバージョンアップの際に大きくメニュー構成が変わることがありますが、私はそのたびに戸惑います(泣)

 つまり「システムを刷新する」といっても全ての人にメリットが発生することはなく、ある程度のデメリットを受け入れなくては、時間とお金がいくらあっても足りません。
 しかしそのデメリットを最小限に抑えるために、できる限りユーザーからの要望を吸い上げつつも、スケジュール及び予算と見合わせてデメリットを最小限に抑えこむ必要があるでしょう。そこが、プロジェクトマネージャー(PM)やコンサルタントの腕の見せ所となります。
 お客様(ユーザ部門、システム部門、経営陣)と協力し、【システム刷新の目的】を明確にして、その目的からブレることなくプロジェクトを進めることが肝要です。

 システム刷新の目的の例として考えられるのは
  ・ハードウェア老朽化対応(メーカーサポート切れ)
  ・業務内容に合わせたシステム改善
  ・長期的に見たシステム運用コスト削減(オープン化など)
などが代表的なものです。

 このシステム刷新の目的、対応範囲などをを文書化したものが「要件定義書」と言われるものですが、プロジェクトが進むにつれて、あれもこれも、と関係者から要望が上がってくることがあります。
 これが「目的のブレ」で、許容するか別のタイミングで対応するかは十二分に検討しないと、いわゆるデスマプロジェクトとなります。

◆システム刷新後、不満の声をどう扱うか?

 さて話は飛びますが、予算内で、スケジュール通りにシステム刷新が完了したとしても、先程書いたとおり「デメリット」を感じるユーザから不満の声が上がってくるでしょう。
 これを「改めてスケジュールを組んで予算を確保し対応する」、「ユーザに我慢して慣れてもらう」などいろんな選択肢があるでしょう。
 我々SIerは、従前より「クライアントファースト」という理念でコンピュータ・システムを構築しているかと思います。しかしそのクライアントという言葉には、ユーザはもちろん、情報システム部門、経営陣も含まれます。そのクライアント皆様のビジネスを成功に導くのが我々の使命です。

 今お使いのシステムを刷新することをご検討されている企業様がございましたら、お声がけいただければ幸いです。
 お客様とともに数々のシステム構築をしてきたPM、コンサルタント、システムエンジニアが皆様のビジネス成功に向けたシステムのご提案させていただきます。


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