第2回 オンプレミスツール、Matomoを使ってみよう
【登場人物】
IT営業アシスタント。上司にネットでの製品PRを命じられ、ウェブサイトを作ることになった。ただ、でき上がったサイトをどう運営していけばいいかわからず悩んでいる。
元SE。今はアクセス解析ツールの営業。
Webマーケティングについてお客様に日々説明をしている。
アクセス解析の技術者。
アクセス解析の重鎮、生き字引、サポートの鬼。
アクセス解析でわからないことがあれば何なりと。
今回はツールの説明をするね。ログファイルからアクセス状況を調べるツールというのはGoogleAnalyticsよりも昔からあるんだけど、GAが出てきてからは下火というかあまり開発されなくなった気がするよ。
有償のツールなら他にもあるけど、ここでは無料のツールだけ紹介するよ。
アクセスログ解析ツールの例(オンプレミス版)
Analog
Apacheの開発グループが作成したツール。ログファイルを入力するとHTMLの集計ファイルを出力する。Log Parser Studio
Microsoftが開発した無料のログ解析ツール。主にIISやWindowsサーバーのイベントログなどを解析するための機能が豊富。Matomo
オープンソースで世界各地から集ったチームで開発が続けられている。GoogleAnalyticsの代替になることを目標としている。
オンプレミスとはなんでしょうか?
SaaSって聞いたことあるでしょう? サービスそのものを、インターネットなどのネットワーク経由で提供してくれるのがSaaS。それに対してサーバーを自社で保有、管理するのがオンプレミスといわれるものだよ。以前はハードウェアをデータセンターに置いて管理するという意味に使われていたけど、クラウド上にサーバーを置いて自社で管理を行う場合もオンプレミスというようにもなってきてるね。
この中で使いやすそうなのはMatomoだね。
どういったところが使いやすいのですか?
集計結果を見るのにブラウザだけあればいいこと、インストール環境がLinuxサーバーとしては一般的なLAMPであることが理由だよ。
Matomoにはどういった機能があるのですか。
各ページがどれだけ閲覧されたのかがわかるページビュー、何人の人がサイトに来たのかがわかるビジット数など、大体の機能はGAと同様と考えていいね。
あとは解析されたデータはすべて自前のデータベースに保存されるので、そこからデータを取り出して活用することも可能だよ。
Matomoは開発開始当初からGoogleAnalyticsの代替候補として作られている。だから基本運用はGAと同じようにタグをサイトに導入して集計を行うものなんだけど、オプション的な使い方としてログファイルのインポートによる解析にも対応しているんだ。
使い始めるにはLinuxサーバーを一つ用意しなくちゃならない。でも会社で使うなら情報システム部あたりと交渉してサーバーを用意してもらってもいいし、クラウドサービスを提供している会社もあるのでそちらを使ってもいいよ。
次回はLinuxのお勉強がてら、私が持っているAWS環境でインストールをしてみよう。
関連リンク
サイオステクノロジー「アクセス解析・データ活用」サービスの紹介
note「初心者のための優しいアクセス解析入門マガジン①」
note「初心者のための優しいアクセス解析入門マガジン②」