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たかだか数日SNSから離れたって

デジタルデトックスとかいう生半可な言葉を聞くようになって久しいです。それだけ皆SNSやネットにしんどさを感じて生きているということでしょう。けれど、結局は抜け出せない。ネットがあまりにも生活に浸透しすぎていて、何をするにもスマホやPCを使うし、部屋の中のIoTは増えるばかり。かつてのような、現実と切り離された”逃げ場としてのインターネット”は存在しないんだ。

ひとくちにネットといっても細分化が進んでいるし、ストレスを感じている部分は人それぞれ違うかもしれない。僕はというと、SNSでの人間関係はほぼほぼないので、人との繋がりに煩わしさは感じない。Xで10年以上繋がりのある友人などもいますが、気が向いた時にお互いいいねを押し合ったりリプでだる絡みをしたりと、最上級の理想的でパーフェクトな間柄なのでノーストレスだ。では一体何が気に食わないというんだ…。少し考えてみれば単純だった。ニュース疲れというやつだ。ネットを見ていると次から次へとニュースやトレンド情報が濁流のように押し寄せてくる。謎に几帳面な性格の僕は、Xで流れてくるタイムラインをすべて確認しないと気が済まない。現在の公式アプリでは未読管理ができないので、別途ツールで未読のポストを拾うようにしています。半日目を離すと400〜500ほど未読が溜まるので、これがなかなか気が重い。それらの投稿を全て読んだところで、結局は僕が作っているタイムラインにすぎませんから、世の中の情報のほんの一部です。にも関わらず、何を躍起になってTLの全ポストを消化しようとしているのか…。それで世界の全てを知った気にでもなっているのか。違う、ただの拘り、いや、これがSNSに脳を侵された人間の哀しき末路なのだろう。

もともと世の中の流れとか、社会とか、そういうのが嫌で興味がなくてネットを居場所にしていたのに。今はすっかりネットが1つの世間になってしまった。むしろネットを閉じて自室でぼーっとしている方が世の中を感じずに済む。先日旅行に行っていた時は、完全にSNSを遮断していました。さすがにスマホ自体は使いましたが、マップを開いたり飲食店を調べたりといった程度。しかし、たかだか3〜4日SNSから離れたところで、これまで身体に染み付いたモノはそう易々とは抜け落ちない。旅行から帰った後は再びいつものようにSNSをチェックしているし「デジタルデトックスですっきりしたぜ!」なんて清々しさは微塵もない。その気になればスマホを手放すことくらいワケないのですが、僕の仕事はネットやSNSに関係するものなので、退職しない限りそれは叶わない。逆に言えば、今の仕事を退職した暁にはすっぱりネットを断とうと思う。デジタルデトックスなんて甘いことは言わない、完全にシャットアウトだ。完全にネットから離れた時、そこにはどんな景色が広がっているんだろう。

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