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KeePer技研
こんにちは。戦略ネコです。
成長中のKeePer技研には今後の成長余地があるとみています。
この記事では、同社の
現況やビジネスモデル
これまでの成長の要因と今後の戦略
について簡単にまとめます。
株価チャートと業績
KeePer技研の株価と業績を見ると、その右肩上がりっぷりが顕著です。
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こちらは月足チャートですが、まさに理想形ですね。
2015年の上場時から20倍以上。。。
![](https://assets.st-note.com/img/1695066392944-gKXZ1eODop.png?width=800)
当然業績も右肩上がりです。
驚異的なのは、ROEが35.5%ということ。
自己資本を使って効率よく稼いでいるということがわかります。
![](https://assets.st-note.com/img/1695067388056-QtdTbYy3QX.png?width=800)
競合と比較してみると、PERが高いので、すでに買い集まり感はあります。
非常に期待値が高い表れですね。
KeePer技研って何やってる会社?
・愛知県大府市にある創業1985年の会社
・主な事業内容とビジネスモデルは以下の通りです。
カーコーティング、洗車用ケミカルと機器等の開発・製造・販売
カーコーティング技術認定店「キーパープロショップ」の展開
カーコーティング&洗車の専門店「キーパーLABO」の運営
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一見、普通のカーコーティング屋さんのように見えますが、なぜここまで成長し、また注目されているのでしょうか?
これまでの成長の要因
大きく分けると以下4点かなと思います。
コーティング技術の研鑽と伝達
キーパープロショップの拡大
キーパーLABOの拡大
消費者ニーズの変化による追い風
1.コーティング技術の研鑽と伝達
社名に「技研」と入るくらいなので、やはりここが参入障壁の1つとなっているようです。
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他にも、コンテストなどを実施して社内での技術向上を図っています。
2.キーパープロショップの拡大
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キーパープロショップとは、
キーパーの理論と、当社技術開発部で開発されたキーパーの施工技術の技術研修を、全国16箇所のトレーニング センターで受講し、KeePerブランドの製品で、キーパーコーティング等のサービス商品を施工し、販売できる店舗 を「キーパー施工店」と言います。また、その中でも当社が独自に設定した技術レベル「キーパーコーティング技 術一級資格」の検定に合格した認定者が在籍していて、その環境と設備がキーパーコーティングの施工に適してい ると判定された店舗が「キーパープロショップ」として認定され登録される「サービスブランド」です。
とあるように、「KeePerが認めた技術者がいる、KeePerノウハウのある店」というフランチャイズ施工店です。
全国のガソリンスタンドを主な拠点として、6400か所以上あり、新規顧客の入り口となっていると思われます。
ガソリンスタンド自体は減少しているのに対し、キーパープロショップは増加しています。
ガソリンスタンドにとって、キーパープロショップと共存することで油外収益を見込むことができ、また再来店のきっかけにもなるのでメリットがあります。
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KeePer技研にとっても、ガソリンスタンド内に入ることで、「KeePer」の大きな看板が顧客の目に入る機会が増え、一定の宣伝効果も見込めるようで、まさにWin-Win戦略ですね。
こちらは安定した収益基盤です。(売上、利益ともに約半分を占めています)
キーパープロショップへの登録方法を見ると、
1日研修→店舗で練習→コーティング2級試験合格→1日上級研修→店舗で連取→コーティング1級試験合格→店舗作業環境準備→インストラクターが確認→認定登録
なので、ハードルはちょい高い気がします。
ですが、こうやってブランディングしているんですね。
3.キーパーLABOの拡大
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キーパーLABOとは、
一般のカー・ユーザー向けに自動車のコーティングを中心とした「車の美装を提供する店舗」をコンセプトとし てキーパーLABO店舗を運営しております。 キーパーLABOでは高い施工技術や知識を兼ね備えたスタッフが、当社開発の専用ケミカルで「キーパーコーティ ング」の施工を行っております。その他、仕上げに純水を使用した高品質な手洗い洗車、車内清掃等も行っており ます。 なお、当社においてキーパーLABO店舗は、直接一般のカー・ユーザーと接することにより、嗜好動向についての 情報を収集することで、製品開発のための情報提供や店舗販売の仕組みを構築する役割もあります。 キーパーLABO運営事業は、当事業年度末には全体で直営95店舗の体制となりました。
まだ100店舗ほどですが、キーパープロショップとは反対に「直営」がメインの店舗です。
直営ならではの良い顧客体験を実現していくための店という感じでしょうか。
で、なんとこの事業の伸びが良いのです。
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キーパーLABOの需要が業績に反映されていますね。
また、利益率も急激に上昇しています。
採算がとれるような体制として確立できてきたのでしょうし、よりオプショナルな顧客への提案が功を奏し平均顧客単価が上昇してきている点も理由として考えられます。
「自分の車をできるだけきれいに保ちたいというニーズが顧客にはある」
確かに誰だってそうなのですが、ではなぜ今伸びているのかという点について、市場動向から探る必要がありそうです。
4.消費者ニーズの変化による追い風
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消費者の車買い替えサイクルが長くなり、かつ保有台数はまだ増加傾向、平均車齢が伸びたことで、「一台の車をケアしながら長く使おう」というニーズの高まりが感じられます。
グローバルインフォメーションのレポート「市場調査レポート「自動車用コーティング剤市場- 成長、動向、予測(2023年-2028年)」でも世界的な自動車コーティング市場の成長はポジティブと捉えられており、その主な要因として、世界的な自動車生産量の継続的な増加です。
また、特にアジア太平洋地域は、中古自動車需要や修理需要の増加でコーティング剤の需要も高まるとみられています。
ただ、私は消費者の動向として、短期的には「コスパ重視」で中古市場の堅調な成長でコーティング需要も堅調かと思いますが、長期的には「モノ消費からコト消費へ」「シェアリングエコノミー」の台頭により、自動車そのものの母数が少なくなるおそれもあると思っています。
そこで、そんな不透明な状況の中、今後、KeePer技研がどのような戦略をとっていくのか、中期経営計画などから読み解きます。
今後の成長に向けた戦略
中期経営計画2023年6月期~2025年6月期で以下の戦略について言及しています。
Web予約システム強化
新規マーケット強化
・自動車関連企業へのキーパーの導入
・新車マーケット向け
・非自動車産業向け
・女性顧客向け
Web予約システム強化
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現在、⾃動⾞のエネルギー源は、ガソリンまたは軽油の『化⽯燃料』から、地球温暖化を防ぐためにも、「脱・化⽯ 燃料」である電気や⽔素に徐々に移⾏しており、IEA(国際エネルギー機関)が発表したレポートでは、2030年になる と世界の新⾞販売の約30%が、EV(電気⾃動⾞)、PHV(プラグインハイブリッド)、FCV(燃料電池⾞)といった、 電気または⽔素をエネルギー源とした⾞両になるとされています。その為、アフター営業部の取引先の多くを占めるガ ソリンスタンド業界での製品販売は、短期的に⾒れば微増するものの、今後次世代エネルギーへの移⾏によって燃料油 需要減少による、店舗数が減少する為、中⻑期的にみると売上の減少傾向が否めません。
前述したガソリンスタンドの減少による売上減少について同社は認識しているようです。そこで、新たな顧客獲得の入り口としてWeb予約強化を実施していくそうです。
新規マーケット強化
自動車関連企業へのキーパーの導入
全国におよそ32,000社ある、
中古車販売、カーショップ、自動車整備、板金業者への展開
新車マーケット向け
トヨタやSUBARUをはじめとする、新車販売ディーラーへの展開
非自動車産業向け
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女性顧客向け施策「フレッシュキーパー」
多くの⼥性に聞くと、いくら「キ レイになって楽になる」というメリットを得られたとしても、「⾞」というものに費⽤をかけられるとしたら、2万円台という 意識でした。なので、KeePerのベストセラーである1年耐久クリスタルキーパーに、「⾬が降れば、まるで洗⾞をしたようにキ レイになって、楽になる。」をメリットとして付加して、何とか2万円台に費⽤を抑えることが出来れば、多くの普通の⼥性が 受け⼊れられるサービスになると考えられたのが「フレッシュキーパー」です。
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まとめ
KeePer技研は、すでにその業績の伸びから買い集まり感が強いため、短期的には若干の株価の下げは覚悟する必要があるかもしれません。
また、ガソリンスタンドの減少による、売上・利益のおよそ半分を占めるキーパープロショップ事業の売上減少も同社は見据えているため、Web集客や直営のキーパーLABO事業の出店状況や月次売上の動向をウォッチしていく必要がありそうです。
しかし、新規出店と来店台数が業績に寄与していくことを考えると、株価の押し目で積極的に拾っていくとよいかもしれません。
長期的には、自動車生産台数の母数がどうなっていくのか、また、海外展開をどうしていくのかによって状況は変わると思います。
個人的には、既存のガソリンスタンドは多少減少するとは思いますが、すでにある「自動車が集まる場所」としての機能は維持しつつ、EVや水素燃料の普及などのエネルギー転換によって、多少面積は減らしつつも残存していくのではないかと思っています。
また、新規マーケット戦略の進捗もウォッチしていくことで、意外なところの需要が見えてくる可能性もあります。
そういったチャレンジを同社は積極的に行っている様子が見られるので、企業としての未来も明るそうです。
今回は以上です。
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今後も週1回のペースで、高成長中の優良企業について紹介させていただこうと思います。
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