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第46号『空の青さを知る人よの話をしよう』

高校2年生になる相生あおいは姉であるあかねとともに暮らしており、音楽漬けの毎日を過ごしていた。一方、あおいを心配するあかねは13年前に両親を失くしたことが原因で、高校卒業後に恋人の金室慎之介とともに上京することを断念せざるを得なくなり、現在は地元の市役所で働いている。妹のあおいは自分を育てるために自分の好きなことを犠牲にしている姉のことをとても気にかけていた。そんな慎之介は高校卒業後にミュージシャンとなるべく上京してデビューしたのだが、全く売れずに鳴かず飛ばすの状態が続いていた。そしてそれが影響して、地元への連絡もままならなくなっていた。 (ウィキペディアより引用)

ば、馬ッ鹿!泣いてねーし!

嘘、少しだけ泣いてしまった。この手の話は俺に効く。

今日はそんな映画の話をしましょうか。

予告編をみて、勝手にタイムトラベルを絡めた話で、13年前の過去から来たしんのを元の時代へ送り帰す話だと思ったら全然違いました。

それなら主人公あおいが駆け出しのバンドマンとして一歩踏み出す話か?それも違いました。

なら一体どんな話か?どんな人に向けた映画なのか?これからそのための質問をします。

高校生の時、自分は将来どんな大人に成ると思っていたか?どんな夢を持っていたか覚えていますか?

「その頃の夢を叶えて、成りたかった大人に成れたよ。」そう自信を持って応えれる人には響かないかもしれない。

夢は叶わなかったし、成りたかったのはもっと違うものだった。大抵の人はこっちでしょうか。年を重ねる事に夢は変化したかもしれないし、あの頃ほど世間知らずでもない。「だからその頃の気持ちは忘れてしまったよ。」って人にも響かないかもしれない。

けれど、もしあの頃の自分の気持ちを忘れていない、もしくは忘れたフリして、諦めたフリして、それでも心の奥底にモヤモヤを抱えて日常を過ごしているのなら間違いなく響く映画です。

映画のタイトルは『空の青さを知る人よ』

井の中の蛙大海を知らず”というのは中国から伝わった有名なことわざですが、その後に続く言葉があったのはこの映画で初めて知りました。マジか、知らなかった。

「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」

高校生なんて大抵世間知らずで、自分の実力がどの程度なのかも分かっていない人が殆どだと思います。でもあの頃は馬鹿みたいに根拠の無い自信に溢れてた!それを思い出させてくれた映画でした。夢を追う事について描いたすっごい青臭い映画です。

さて此処からはネタバレ全開で書くので、映画観た後でまた読んでもらえたらなと思います。

ロックな主人公(ヒロイン)

高校2年生といえば今後の進路相談とか進学とかで親や先生から色々世間がどうだとか夢を語れば現実を見ろとか言われてしまう時期です。おまけに多感な時期でもあるので色々面倒な性格になりがちです、保守的な大人を斜に見てダサいと思っちゃうお年頃。。ジト目ヒロインめちゃめちゃ良くないですか?正嗣くん良い趣味してるぜb

今後の進路聞かれても「バンドで天下獲るんで上京する」とか言っちゃう訳です、ロックですね素晴らしい。けど映画でそこさわりだけでもやって欲しかった!演奏(やら)ねーのかよ!って突っ込んだ人多そう、自分もです。

ベースに真剣に打ち込む女子高生とか絵になるというか格好良い。それを目指した原点だった頃の憧れの”しんの”が目の前に現れれば・・・ねぇ。始めっから報われない恋だけど、それでもちゃんと気持ちを伝えた勇気を称えたい、よくできました。あと今時のJKがガンダーラを演奏するアンバランスさも逆に良かった。ガンダーラは親の世代の曲だぞw

擦れてしまった憧れの人とかつての憧れのままの人

慎之介としんの。バンドで天下獲ると息巻いて上京して、鳴かず飛ばずの状態が続いて、疲れて夢破れた人一体どれぐらい居るんでしょうか。それでも音楽を諦めきれずに有名演歌歌手のバックミュージシャンとして食べていけてるだけでも凄い事なんだけれどな。本人は納得できてないから仕方ない。納得は全てに優先するぜ。しんのはオッサンになったそんな自分を「だっせぇ」と一蹴する訳ですがそれでも前に進んだ分、留まってる自分とは違うと評価したり自己矛盾してますが言おうとしてる事は分かるのでよし。

映画で少しだけ不満に感じるところ

序盤のバンドで天下獲ると言っておきながらそこを魅せてくれなかった。尺的なものもあるかもしれない。本作のメインテーマではないからかもしれないけれど、せめて慎之介(31歳)と最後にセッションして欲しかった。

団吉さんの本公演終わった後とかでさ、「此処は彼の地元と言う事で」と紹介しながら最後に慎之介に1曲演奏(やら)せてくれる憎い演出を期待したの自分だけじゃないはず。そこでさ”今のあおい”と”今の慎之介”の全力セッションが見たかった!それを遠くからあかねと眺めながら満足そうに消えるしんのとか駄目ですか?そこからEDに繋がると最高なんだけどなぁ!

エンドロール中に式を挙げた結婚式で最終的に元鞘に戻るわけですが、あおいはあの後、上京してバンドマン目指したのか凄く知りたい。目玉スターになる第一歩として踏み出す演出も欲しいなと欲を言えばキリが無いわけですが、そこを観たかったんです。追加エピソード無いですか?

まとめ

大人になり年を重ねる事で世の中の仕組みや現実を目にしてきたから、夢を語りにくくなるのも分かる。けれど世間知らずで無知だったからこそ、あの頃の想いは真っ直ぐで眩しくて熱くて愛おしいのだと、それを思い出させてくれた映画でした。姉妹の家族愛もほっこり出来たし、姉ちゃんマジで良い女過ぎるメインヒロイン。そして正嗣くんのマセガキっぷりも良かったw

しかし、もし高2の頃の自分に会ったらなんて言われるんでしょうね?あの頃は中二病と高二病のダブルだった気がするので・・・

「良い歳して中二かよ」

だがそれを止めようと努力
する気がおきない
何故だかわかるかい

その中二部分こそがオレだということもわかってくるからさ

「幽遊白書の仙水かよ」

さすが俺、理解が早い

とか馬鹿な会話しかしなさそうなのでこの辺で(´▽`)

過去の自分に「だっせぇ」と言われないような生き方をしようと思ったのでした。

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