誰もが持っている不思議な能力

自分は不思議な能力を持っていると感じたことはありませんか?
人に話したらバカにされそうだから言ったことないとか、別にそれが特別なこととだとは思っていないとか、とにかく日の目を浴びてこなかった、自分だけがわかっている能力のことです。

僕自身の話をすると、今朝ふと思い出したのですが、子供の頃よく出入りしていたレコード屋さんがあって、いろんなジャケットを見ては楽しんでいたんです。
もちろんまだレコードの時代で、アルバムもシングルもジャケットのサイズが大きくて、ジャケットを眺めるだけでも楽しかったんです。

アーティストの名前も知らないし、曲も聴いたことがないジャケットを眺めているうちに、目が止まると言うか、手に取った瞬間に気になるものがあるんです。
「なんか、これいいかも!」みたいな感覚です。
そして、その後その曲が大ヒットして、テレビやラジオでよく聴くようになるということが度々ありました。

その中でも特に印象的だったのは、吉田拓郎さんの「結婚しようよ」と麻丘めぐみさんの「芽生え」です。
共に1972年の発売ですから、中学一年生だった年ですね。
「結婚しようよ」がきっかけで吉田拓郎さんを知ることとなり、いつしか大好きになってしまい、フォークギターを買ってひたすら練習し、どっぷりフォークに浸かることになるなんて、当時は全く予想もつきませんでした。
だってジャケットを見ただけで、曲を聴いたことないんですから。

「芽生え」は麻丘めぐみさんのデビュー曲なので、テレビで見たこともないし、存在すら知らなかったわけですが、とにかく印象に残ったんです。
でもその後大ヒットして、テレビでよく見るようになりました。


その後、時を経てレコード会社で新人開発の仕事に携わることになり、たくさん届くデモ音源や資料に目を通すのが日課で、後輩たちと開封して音源聴きながら残すかどうか判断するのですが、「開封前にこれいいかもしれない!」みたいなこと言うとみんなに笑われるんです。
そりゃ当たり前ですけどね(笑)

でも、その直感というか、開封前に「いいかも!」と思ったアーティストが残るということもよくありました。
これは本当の話です。

みなさんも、何かを選ぶときに「これいいかも!」という感覚ってあると思うんです。
洋服や雑貨を買うときもそうだし、住む部屋を決めるときもそう。
書店でたまたま見つけた本のページを開いたら、そこに今知りたいことが書いてあったとか。
または初めて会ったのに、この人なんとなく懐かしい感じがするな〜とか。
この感覚って言葉にするのが難しかったりしますよね。
でもね、独特な「感」みたいなのがあります。

逆になんとなくこれ嫌だなとか、この人感じ悪いなというのも同じです。
具体的にこういうとこが嫌だと言えなくても、その感は当たります。
だから見逃さないことです。

やっぱり自分の特殊な感覚って大事にしたほうがいいと思うんですね。
言葉で説明できなくても、他人にバカにされたとしてもね。
これは人間が持つ能力の一つですから、その能力を信じたほうがいい。
そうすればそれが研ぎ澄まされていくからです。


久しぶりに「芽生え」を聴きましたが、めっちゃ昭和すぎて涙です(笑)
TBS「8時だョ!全員集合」は生番組で、それもスタジオではなく、市民会館とかホールからの放送だったんです。
想像するに、毎回スタッフは時間との戦いで、まさに戦場だったでしょう。でもね、歌も演奏も生で、しかも演奏はビッグバンドだし、なんて贅沢なんでしょうね。



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