音楽業界の崩壊 その2


先日、レコード会社にいた頃の後輩に久しぶりに会いました。
彼は私と同じようにフリーで仕事をしているので、共通の話題も多く話が盛り上がったのですが、音楽業界の「業界」というのは、もう存在してないという意見で一致しました。

その一つが印税では食えない時代になったことが挙げられます。
彼が関わっている作家は、作曲した曲が某有名アイドルグループのシングル曲に採用されたのですが、その後もアルバイトは辞めていないそうです。
昔なら一曲売れればいろんなところから発注がきて、仕事に困らない状況ができましたが、今はそれも昔話です。
一曲売れたところで食えるようにはなりません。
何しろ売れ枚数の桁が昔と今は大きく違いますから。


何度も書いてきましたが、CDが売れたから成立したビジネスです。
レコード会社が潤っていたからこそ様々な恩恵を受けることができたのですが、もう二度とそんな時代には戻りません。

私は最近「CDもグッズの一部だ」ということを言っていますが、もともとレコード会社にいた人たちは、その言い方を嫌います。
やはりCDを売ることで成立させたいのです。


昨日の記事にも書きましたが、今までの成功パターンの記憶はなかなか消せるものではありません。
しかし、現代のように凄まじいスピードで世の中が変化していく以上、その記憶を素早く消去し、「今」に対応するしかありません。

まだなんとかなるのではないか?と思っているかもしれませんが、沈没していく船の中で、洗面器で船内に入ってきた水をかき出しているようなものです。


音楽アーティストは自立して活動していく方法を構築すれば、どんな時代にも対応してやっていけます。
レコードやCDなどの録音物を売るという今までのビジネスモデルが崩壊しただけですから。

だから「メジャーデビュー」などという一時代前のステータスに憧れるのはやめて、自分自身でどうやって食っていくかということを真剣に考えてください。

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