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これからの音楽ビジネスについて

音楽を制作し提供する側が、あまりに売り上げにこだわりすぎた結果、次から次へと新曲をリリースすることで、消耗品として音楽を扱ってきました。
売れることが正義で目的だったために、アーティストの中には精神的にバランスを崩す人も多くいたし、その才能を発揮することなく消えていった人たちもいます。

ところが世の中がデジタル化したことでCDが売れなくなり、追い討ちをかけるようにコロナでライブができなくなったことで、音楽業界も大きく様変わりしました。
でもこれはある意味でいいことだったのかもしれません。
本来の音楽ビジネスのあり方を、今一度考えるきっかけになったからです。

やはり売れることでしか評価されないのってどう考えてもおかしいし、現場はいい音楽を作ろうとしているのに、レコード会社やマネジメントサイドの都合によって、スケジュールや内容が変更されるのは、時として納得がいかないものがありました。

例えば会社として今期の売り上げが目標に届かないからという理由で、ある程度売り上げが見込めるアーティストに、今期内にアルバムを出すように指示が出されるのって、なんか本末転倒な感じがしませんか?
でも昭和の頃はそれが当たり前だったし、ビジネスとはそういうものだという価値観がまかり通っていました。

まぁでも一旦リセットされることになったので、今までのことはいいとして、これから先を考えると、まだ土台すら出来上がっていません。
サブスクリプションなどの仕組みを作った人たちはいいものの、作詞や作曲、歌や演奏でどうやって利益を上げていくのか見えていません。

今やっておかなければならないのは、作品創りとパフォーマンスの向上ですが、ここだけはどんなに時代が変わってもその価値が変わることはないし、音源や動画も長きにわたってその熱量を伝えてくれる財産になります。

若手のアーティストの育成をしながら、同時に音楽の新しいビジネスモデルの構築を考えていて、まだまだ実験段階で「このやりかたがある!」というところにはたどり着いてはいませんが、固定観念が邪魔をしてる部分もあって、ウルトラC級のアイデアが降りてきません(笑)

でも今までのやり方が終わり、リセットすることによって生まれてくるものが楽しみで仕方ないし、常に情報は探しています。
これは音楽ビジネスに限ったことではなくて、根本的なところから見直さなければならないのは同じだし、他業種を参考にしたり、過去に遡って大きく流れが変わった時のことを調べたりしながら、準備だけは怠らないようにしています。


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