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意外な主役! 日立造船が培養肉のコストを10分の1に

5分で読める、最新の経営ヒントを毎朝お届け。日経新聞の記事の中から、マーケッター視点で「今、知っておくべきデータ」をピックアップ。ビジネスマンの「やりたい」の成功確率をアップしてもらいたい!そのために、必要な視点やマーケティング戦略立案のノウハウを紹介しています。

記事の要約:

日立造船が培養肉の生産コストを最大9割削減する技術を開発しました。培養肉は動物細胞を培養して作る食肉です。日立造船は名古屋大学のスタートアップ企業NUプロテインと協力し、生産工程を機械化することでコストを10分の1に抑えられる見込みです。培養肉は食糧危機への対応が期待されていますが、まだ高価です。安価な材料を提供することで、培養肉の普及促進が期待できます。

従来の培養肉は動物細胞を利用していましたが、日立造船は小麦と動物の遺伝情報を組み合わせた新しい方法を開発。ウイルス除去工程が不要になりました。小麦抽出液の製造を機械化することで、大量生産が可能になりました。2025年度からシンガポールで販売を開始する計画です。

培養肉市場は2030年には世界で3兆7000億円規模に成長すると予測されています。材料費を1/10に抑えれば、数千円で購入できるようになる可能性があります。畜産に比べて培養肉は効率的で、温暖化ガスの削減にもつながります。食料供給の確保と地球環境保護の両立に資する技術といえそうです。



日立造船の驚きの新事業

日立造船が培養肉の原料となるタンパク質の製造・販売に乗り出すというニュースを見て、僕は大きな驚きを覚えました。日立造船は主に造船や重電機器などの分野で知られる企業ですが、一方で食品関連の事業に参入すると発表したのです。これは予想外の展開で、日立造船が想像以上に多岐にわたる事業を手掛けていることを知らせてくれました。

調べてみると、過去に日立造船はビールの瓶洗浄機の製造など、食品業界との関わりがあったそうです。長年の技術力が、今回の培養肉事業につながったのかもしれません。企業には表面的なイメージとは異なる、隠された一面があるものです。日立造船のケースは、企業が自社のリソースを見つめ直し、思いもよらない新事業を切り開く可能性を示唆しています。

地球環境に配慮した画期的な食品

培養肉は、家畜を飼育することなく工場で製造できる画期的な食品です。畜産には大量の飼料や水、長期の飼育期間が必要となり、温室効果ガスの排出も避けられない課題があります。一方、培養肉は細胞培養によって比較的短期間で効率的に生産でき、地球環境への負荷が少ないのが大きなメリットです。

例えば、牛の飼育に伴う温室効果ガスの一つ、メタンガスは気候変動に影響を与えていると指摘されています。培養肉の普及は、このメタンガスの削減につながり、気候変動の緩和に貢献できる可能性があるのです。

このように培養肉は、食べ物を通じて地球環境の保全を実現する、非常に画期的な試みだと言えるでしょう。食の安全保障と地球環境保護の両立という課題に対する、一つの解決策を提供する技術なのです。

新しい挑戦が切り拓く可能性

日立造船が異分野のスタートアップ企業とタッグを組み、これまでにない新事業に挑戦する今回の取り組みは、企業が自社の強みを見つめ直し、新たな可能性を切り拓く好例だと思います。

昨今の事業環境の変化に伴い、企業にはこれまでとは異なる発想で新しい価値を生み出していくことが求められています。日立造船の培養肉事業への参入は、企業がどのようにイノベーションを起こせるかを示唆するものだと考えられます。

周囲の反応に左右されず、自社ならではの強みを活かして、可能性を信じて目の前の課題に立ち向かう姿勢が、新しいイノベーションを起こすためには大切なのだと感じました。日立造船の挑戦は、企業が柔軟な思考を持って新たな領域に踏み出す重要性を教えてくれた良い例だと思います。


今日の問い

自社の強みを改めて見つめ直すことができていますか?思い切った事業再定義はできるでしょうか?

  1. 新しい発想での事業領域の拡大にチャレンジする機会はありますか?異業種との連携は考えられますか?

  2. 地球環境保全への貢献とビジネス機会の両立は可能でしょうか?サステナブルな視点を事業に取り入れることはできますか?

  3. 社内の反応を気にせず、可能性を信じてチャレンジする姿勢があるでしょうか?

  4. 自社の事業が社会課題の解決に資する可能性を探れていますか?食料問題等への対応はできますか?

  5. 社員の思い切った発想を引き出し、実現する風土があるでしょうか?アイデアソン等の取り組みはできますか?


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