見出し画像

創業(副業による)2年間を振り返って

こんにちは、ステラ・システムズCEOの原です。当社はスタートアップの資金調達や事業計画の策定を支援しています。ステラ・システムズは2019年8月から創業しているのですが、2年間を振り返って、こうしてよかったなという点を記述してきたいと思います(あくまで現時点で良いと思う点であって、後々に振り返ったらあまりよくなかったという可能性もあります)。

①副業で始めた

起業当時、専業か副業かという選択肢がありましたが、僕は副業を選びました。今では副業でよかったと思っています。

副業のメリットは色々あるとは思いますが、僕たちにとって最大のメリットは、「カジュアルに自分たちのアイディアが試せる」ことだと思っています。

僕は自分が欲しいものを作っており、世の中にニーズはあるだろうと思っているのですが、本当にあるのか、あってもお金を払ってくれるのかわかりませんでした。副業でその点を確認できたのはよかったです(また、副業なので本来ではそのサービスが必要あるかどうかわからない人に無理やり売り込む必要性がないこともよかったです)。

スタートアップの失敗の一番多い理由は「お金がなくなった」で二番目は「作ったけれどニーズがなかった」なので、事前チェックは重要です(CB Insinghtsによる"The Top 20 Reasons Startups Fail"より)。

副業での起業はマネーフォワード辻氏も勧めています。辻氏は著書「失敗語ろう」で、週末起業から始め、本当に応援してくれる人たちを見極めたのち、その時に在籍していたマネックスを退職し、自らの事業に集中しています。

起業してみたいけど、実際にニーズがあるか不安だという人は、副業での起業おすすめです。

②2人で始めた

僕は当時一緒に働いていた角田と一緒に起業しました。1人でやるという選択肢もあったのですが、2人でやってよかったと思っています。

アフリカの諺で「早く行きたければ一人で進め。 遠くまで行きたければ、みんなで進め。」というのがありますが、これはその通りだと思います。多分一人だと2年間続けられなかったと思います。

起業って、ドーパミンが出るような面白いこととかってほとんどなくて、大半は事務だったり、お客さんちゃんと取れるかっていう不安だったりするんですよね。

その点、相方がいることによってしっかりしなきゃと思えたりとか、二人でディスカッションしながら見えてきた道なんかもあったので、二人で始めたのはよい意思決定だと思います。

ちなみに、アメリカのスタートアップの登竜門であるYコンビネーターでは以下のようなルールがあります。

Yコンビネーター を 始め た とき、 ポール・グレアム は ひとつだけルール を 定めた。 創業者がひとりだけの スタートアップには出資しない。 後 にこれを少し緩めて、 創業者が並外れていると思われるときには、 時々例外を認める よう に なっ た。

ランダル ストロス. Yコンビネーター (Kindle の位置No.3852-3854). . Kindle 版.

なお、一人だとダメな理由は、一人というのはその起業家のことを一番知っている友人の信頼を得られなかった証拠だからだそうです。

③人を増やさなかった

当社は幸いなことに創業当初からお客さんがおり収入もあるため、人を増やそうと思えば増やせるんですが、意図的に増やしていないです。

理由はいくつかあるんですが、一つは、僕たちはサービスを受けて入れてくれる企業は何社かいるものの、まだ勝ちパターンには至っていない状態で(スタートアップ的に言えばPMFに至っていない)、こうすれば勝てるというところまでは二人で行こうと思っています。二人でやっているので時間はかかりますが、そこは仕方ないと思っています。

また、企業のとって初期メンバーは極めて重要で、会社の文化がまだ決定していない時点で、新しいメンバーを入れてしまうとグチャグチャになってしまうため入れていないというのもあります。

なお、時間をかけてもいいので、人やお金をかけないで新規事業を行う会社としてはワークマンが挙げられます。

④資産を最小限にする

当社は借りているオフィスはないし、固定資産もほとんどありません(パソコン2台くらい)。また、月次の契約をしているのは、ドメイン、オンラインバンク、会計システム(freee)くらいです。

これは、何かあった時に身軽に動けるためです。オフィスを借りなければ費用を節約でき、将来の採用やもう少し大規模な開発に回すことができます。いざ踏み込もうという時には、何もない方が踏み込みやすいと思います。

⑤顧客の課題解決にフォーカスした

これは経営しててわかったんですが、プロダクトは自分たちにとってはすべてですが、顧客にとってはどうでもいいんですよね。

このことを忘れてしまうと、顧客にとって不要なプロダクトを作ってしまう可能性があります。僕らも創業当初はプロダクト作りにすごく力を入れていて、新しい機能追加したのに、顧客にあまり感謝されないということがありました。

じゃあ、顧客は何に関心があるかというと、「課題」なんですよね。僕らの事業の場合には、資金調達できないとか、予実管理が面倒だとか、そういった課題です。顧客は課題さえ解決できれば、その手段は何でもいいんだと思います。

例えば、僕はBrightureという英会話レッスンを受けていますが、レッスンをSkypeでやっています。僕はBrightureを英語を上手くなるために受けており、そのツールはSkypeだろうが、Googleだろうが、ZOOMだろうが何だろうとOKなのと一緒です。

この気づきは経営を行ううえで大きな気づきで、今では顧客の課題を人力で解決しながら、その中でシステム化出来るものをプロダクトに落とし込んでいく開発スタイルに変えています。

起業は僕が人生でした意思決定の中で最もよかったものの一つです。日々わからないことだらけで気分が落ち込んだり、些細なことでやけに嬉しくなったりを繰り返していますが、起業して後悔したことは一度もありません。

以上、創業2年間の振り返りでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?