政策金融公庫の新創業融資と予算の重要性

こんにちは、ステラ・システムズCEOの原です。 ステラ・システムズでは「予算を簡単に」をミッションに、みんなが簡単かつ迅速に予算(単年度のみならず複数年度の中期経営計画・事業計画含む)を策定・モニタリング・修正できる世界を目指しています。特に、スタートアップの資金調達のための予算策定、資金調達後の予算実績分析のモニタリング、予算修正を応援しています。

今回は、スタートアップの強い味方になりえる、政策金融公庫の新創業融資とその中での予算の重要性について話をします。
政策金融公庫?新創業融資?という方もいるので、これらの内容から説明していきます。政策金融公庫(正確には株式会社日本政策金融公庫)とは、①国民生活事業、②農林水産事業、③中小企業事業、④危機対応等円滑化業務を担い、国民生活の向上を目的とする政府系金融機関です(https://www.jfc.go.jp/n/company/summary.html)。よく、公庫と略します。また、新創業融資は、政策金融公庫が提供する制度融資の一つで、新たに事業を始める方や事業を開始して間もない方に無担保・無保証人で運転資金として1,500万円(特定の条件を満たせば2,000万円)まで借り入れることができる融資です(条件等についてはホームページを参照くださいhttps://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html)。

新創業融資の最大の特徴は、新たに事業を始める方や事業を開始して間もない方を対象としている融資(デッド)ということです。通常、投資(エクイティ)は企業の成長性に着目し、融資(デッド)は企業の返済能力に着目します。企業の返済能力の根拠は過去の実績(直近の決算で黒字だったか?債務超過でないか?)であり、金融機関は過去の数値からまず貸せるかどうかの判断をしています。一方、新創業融資では、新たな事業を始める方を対象にしているので、そもそも返済能力をチェックする過去の実績がありません。ではどうやってチェックするかというと、以下の4点を見ています。
①創業者の経験
②創業者の情熱
③自己資金の多さ
④予算(事業計画)
1点目の創業者の経験とは、起業する分野と過去の自分の経験がマッチしているかという点です。2点目は当たり前といえば当たり前ですが、創業者の事業にかける情熱は借入の成否に大きな影響があります(自己資金全然ないのに、経験と情熱アピールで1,500万円引き出したスタータアップも知っています)。3点目の自己資金は、いくらあれば大丈夫だと画一的なルールはありませんが、トレンドを見てみると、借りたい金額の25%~50%を自己資金として用意していれば成功する可能性は高いです。4点目の予算は何故重要かというと、過去実績がないため、未来の予測を過去実績の補完として使うため重要なのです。

この新創業融資で見られる予算(事業計画)は、返済可能性に着目したもので、事業の成長性等についてはあまり重きを置いていません。そのため、予算は、ホームランを狙うような大きな数字ではなく、むしろ最低限ここまではできますといったバントを積み重ねるような数字が望ましいです。

あまり知られていないものの、この政策金融公庫の新創業融資は、日本における非常に優れたスタータアップ応援制度です(少なくともアメリカではこんな制度聞いたことないです)。この制度を有効活用できるかどうかで、当初の資金繰りが大きく変わるので、きちんと準備して臨みたいものです。

ステラ・システムズでは、スタートアップが適切な予算を策定し、資金調達可能性を最大限追求できる応援をしています。

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