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スナップを撮る時の抽象的な考え方。何を表現すればいいかわからなくなった時のために。
ガソリンスタンドへ行く道中、いつも気になる車がある。
その車はひどくボロボロで、走るかどうかもわからない。後から写真で見るとタイヤはパンクしてるように見える。ナンバープレートだってフロントガラス越しに置いてるだけの明らかにグレーな付け方だ。ちょっと前まではこれでもいけたんだっけな。
ただ、名も知らぬそれは雨の中ひどく孤独を漂わせることで僕を惹きつけた。
※
storytellingという考え方が写真にはあります。
意味としては「物語性」といった所でしょうか。意訳甚だしいですが。
詰まる所、良い写真には僕が冒頭に載せたようなしょうもない文章なんてなくても物語がそこに在るというか。この辺りは言語化は難しいですね。感性に訴えかける写真が良い写真の根底にあるのではないかなと最近改めて思うようになりました。
例えそれが記録という目的で撮られたもので、アウトプットを考慮されていなかったとしても何かしらの物語性さえ孕んでいれば芸術たるものとなるというのがstorytellingに通ずる考え方ではないかと。別に僕がやっているものはそんな高尚なものではないですがね。
さてさて、大きく話は逸れていますが今回はスナップ撮影の話。僕は正直スナップほど適当にやっていいものはないなんて考える舐め腐った人間でして。実際なんでも撮っていいのがスナップなのですが、だからこそ難しいんだなと思います。
いざカメラ買いました!写真撮ろう!何撮ろう!……何撮ろう。と初心者の内はなりがち。むしろ何年もカメラ触ってる僕ですら余裕で陥る。制約のない自由ほど取り扱いに困るものはない。
そんな時の為の考え方、いわば写真におけるスパイスが前述したようなstorytellingの意識なんじゃないかなと思います。写真一枚にどんな物語が詰まっているか。
しかし物語にはほとんどの場合、起承転結がありますが一枚の写真のみに物語を取り込むのは大変なことです。結局物語って概ねタイムラインを言語化したもので、それをワンシーンに纏めるってのがそもそも無茶ですからね。
そうこう考えているとまあ、普段注目しない所を切り取るという風な所に行き着くわけですよ。
錆びた注意の標識。そして明かりが点いた工場を写す鏡。
錆びは長い時間を示す目印になりがちですね。俳句でいう季語のようなものでしょうか。
あと鏡というのもいろいろな含蓄を持たせることができると思います。鏡をモチーフに扱ったものなんて世の中に溢れ返っていますし。
もちろん人によっては「んなことねーよ」って思うかもしれません。そうなんです。普通ならこんな汚いミラーや標識になんて見向きもしません。けれどもあえてそこにフォーカスして切り取ることによりなんらかの表現に繋げると。
だからこそスナップは適当に何でも撮ればいいんじゃないかなって思います。何でも撮ることによって後から見返すと、その時は意味を見出せなかったものでも、ちょっと見方を変えると意味を持たせることもできるからですね。
最初の内は何気なく目に映るものを切り取ってしまえばいい。そしてアウトプットするなら表現したい見せ方をしたり簡単な文章を添えたりすればいいんです。
そうやって撮ってる内に「自分はこういうことが表現したい。こういうのが好き」っていうものを掴めたら幸せですね。
もちろんシャッターを押すこと自体も楽しいんですが。
※
〜今回のまとめ〜
何を表現したいか考えて撮らないぐらいなら適当に撮った方がいい。意味は後からついてくる。
今度僕がスナップを撮りに行く時、詳細にどういうことを考えながら撮っているかを書き起こしてみたいですね。思ったより適当なのでびっくりしないでください。
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