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大地のメッセージ


闇の眠りから弾けたように言葉は目を覚ました...

大地のなかに宿された種が芽吹くように、光りを求めて言葉は踊りだした...その発酵した言葉は、自らの意思であるかのような深いまなざしを持ったいのちの迸りにも似た強烈な大地のメッセージだった...

汝は何故にこの地に降り立ったのだ...と大地は語るかのように言葉はその姿を現わしてくる...それはあたかも… 導きの言葉を忘れたのか… とでも言うように響いてくる...

その言葉は、貪り尽くすかのように食い散らかしては吐き捨ててゆく亡者の如き者の姿を暴き出してゆく...それは私たちが持つもうひとつの顔なのかもしれない...足ることを知らない亡者を打つ鉄槌のように、大地の言葉は荒々しい姿で迫ってくる...それは収奪と殺戮の歴史を繰り返してきた私たちの存在の奥深くに楔を打ち込むように響いてくる...

何かがおかしいと知りつつも、巣食った亡者に急き立てられるままに自分を見失ってゆく私たちを振り向かせるために、大地はその猛る姿を見せてくる...大地の言葉は一層激しさを増し、私たちが振り向くまで続くのかもしれない...

永遠に満たされることのない亡者の姿は、恐怖に囚われた餓鬼の如く我々のなかに巣食っている...私を見なさい… と大地は猛る...人智を越えた大地の言葉を探るすべを私たちは失ってしまったのだろうか...

流されるのか… 立ち止まるのか...矛盾を孕んだ存在のなかに響く大地の声は、猛り狂う姿とともに憐みの顔を覗かせながら私の胸を叩く...この大地の手のなかでしか生きられないのだと語るかのように言葉は胸を打つ...

我々はまだ人間になり得ていないのかもしれない...知恵ある人と名付けられた私たちは、此処に生まれてきた理由を知るべく大地の言葉に耳を澄まさなければならないのだろう...善人の顔をちらつかせる亡者の手招きのなかで、猛り狂うマザーアースの呼び声に立ち止まり、自らのコンパスが指し示す未来を見つめる人々の繋がりのなかで、やがて磁力が磁力を呼び大地と共に在る智慧を見つけ出すことができるのかもしれない...

この星に生まれてきた理由の在り処を指し示すかのように大地は胸を叩く...其処ここに記された言葉は幾多の人々によって発掘されてきたパズルのピースのように解読されるのを待っているのだと...

偽りの繁栄という幻影に急き立てられるのか… 自然の調和のなかに手を取り合うのか...激しく猛る姿のなかに慈しみの言葉を宿す大地は、人間に成るための智慧を促している。存在の根源に撃ち込まれた言葉は、亡者が最も恐れるものを呼び覚ましてゆくのかもしれない...その激しい姿の奥で大地は語る...「 汝は亡者の奴隷ではなく、私の子なのだ… 」 と...


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